この記事では、MRが仕事で使える心理学の知識を「事例」「活用例」も交えながら解説しています。
今回は「関係構築」で活用できる心理学の知識をご紹介します
関係構築は営業マンにとって最初のステップかつ最初の難関です。
また、社内の円滑な人間関係構築は、スムーズな業務運営に必須です!
人間関係は相性にも影響されますが、心理学の知識を使うと周囲のMRよりも早く関係構築ができるようになるかもしれません。
この記事を読んで、他社のMRと差をつけましょう!
①コンタクト数を増やす
接点が増えることで、人は好意的になる傾向を示すことです。
これをザイアンスの法則(単純接触効果)と呼びます。
こう思われたMRの方もいるかもしれません。
半分正解・半分不正解ですので、最後まで読んでくださいね。
まずはザイアンスの法則に関してご紹介します。
ザイアンスの法則
①人は、会えば会うほど好意を持つようになる
②人は、相手の人間的な側面を知った時に、より好意を持つ傾向がある
③人は、知らない人間には冷淡、攻撃的な対応をする
特に①は経験のある方が多いと思います。
●最初は耳障りだと思っていたCMの音楽を何度も聞くうちに口ずさんでいた
●同僚の、家族想いな一面を初めて知って、印象が良くなった
●これまで会ったこともないMRに急に話しかけられて、そっけない反応をした
MRの方は会社から「訪問頻度」「面会頻度」を指摘されることがあると思いますが、理論だけで言うと間違っていないということになります。
しかし、半分不正解と冒頭にお伝えしたのは以下の3点が不足しているからです。
それぞれ説明します。
「会う」以外でザイアンスの法則に関する考え方
「会う」ということだけが効果的という訳ではありません。あなたから届いたと認知されれば、効果があります。
自社の医薬品で考えるならば、医療系サイトで薬剤のコンテンツや広告を見るだけでも効果は生まれます。
昔は製品名の入ったボールペン等の販促品がありましたが、ただ単に記憶してもらうだけでなく、ザイアンスの法則も狙っていた部分があると私は考えています。
「会う」行為以外でザイアンスの法則が期待できる手段
●メール
●手紙
●郵送物
●医療系サイトのコンテンツ
人間的側面を出すことの考え方
会話中に自分の性格やキャラクターを出せるチャンスがあれば、逃さず開示すべきです。
もっと言うと、自分の良いキャラを出せる話に誘導する鉄板トークを持っておけば、強みになります。
自分の人となりを開示することで、相手は好意を持ちやすくなります。しかし、表面的な会話だけしかしないMRは意外と多いです。仕事の話よりもプライベートの一面を見せる方が効果的です。
接待ができた頃に関係構築しやすかったのは、接待行為そのものの影響に加えて、人間的側面を話せる環境下で互いを知ることができたことも大きいと私は考えています。
人間的側面を出すトーク例
●家族・子供の話
育児、子煩悩エピソード
家庭とのエピソード
●仕事への情熱話
扱う薬と患者さんに対する熱い想い
嫌われている場合の考え方
嫌われている場合は、もっと嫌われる可能性があります。
想像するとすぐに分かると思います。嫌い・苦手と感じる人が毎日毎日会いに来たり、連絡が来たら好きな気持ちに変化しますか?
既に嫌われている状態であれば、まずは別の関係改善策を行いましょう。
最初の項目だけでかなり長くなってしまい申し訳ありません。
私は、シンプルだけども奥が深くて効果的な、この法則が大事だなと感じているのでついつい書きすぎてしまいました。
②デメリット・メリットの提示
悪い面と良い面の両方を提示することで信頼を得る方法です。
これを両面提示と呼びます。
MRの方がイメージしやすいのは、医療者に対する製品紹介の時でしょう。
過去に「信頼を得るMR」の記事でも解説しました。
理解しにくい方はこんな事例で考えてみてはいかがでしょうか?
あなたは生命保険の加入を検討しており、類似の商品を2人セールスマンから提案され、どちらかに決めようとしています。どちらを選びますか?
私だったら前者は怪しいと思ってしまい、後者と契約します。
また、先にデメリットを伝えてからメリットを説明することで、相手にはポジティブな印象が頭に残りやすいので効果的です。
題名の部分から「なぜデメリットを先に書くの?」と違和感を感じた方がいると思いますが、ここに気付いていただきたかったので、わざと逆転して記載しました。
今回は関係構築での両面提示がテーマですので、製品紹介以外でご紹介したいと思います。
関係構築の時に両面提示を活用する例
●自分の情報提供スタンスとして、メリットとデメリットのどちらも伝えることを心がけていると伝える
●普段の会話や、自社に関係のない話題の薬剤で雑談する時に、わざと両面提示のトークをする
このように、スタンスをしっかり伝えることで、相手はあなたのことをさらに信頼しようと思います。
③相手にとって好意的な行動をとる
恩を売る行動をすることで、恩を返してもらいやすくする方法です。
これを好意の返報性と呼びます。
人から何かをしてもらったり、受け取った場合に、「お返ししよう」という気持ちになることです。
●自分がAさんに仕事を依頼した時にすぐに対応してくれて助かったので、後日Aさんから頼まれたことにはすぐに対応した。
●SNSで「いいね!」をもらった相手には、お返しで「いいね!」を押した
●観光地で集合写真を撮影したい時に「写真を撮りましょうか?」と言ってくれた相手に対して、撮影後にこちらからも「よかったら撮りましょうか?」と伝えた。
ドラマの半沢直樹をご覧になった方は、大和田常務が頭取に「恩返し」としきりに言っていましたが、まさしくその状態です。(見ていない方スミマセン。。)
返報性の例
●好意の返報性
こちらの好意に対して相手も好意を返そうとする
●譲歩の返報性
こちらの譲歩に対して相手も譲歩しようとする
●自己開示の返報性
こちらが自己開示すると相手も自己開示しようとする
●敵意の返報性
こちらの敵意に対して相手も敵意を抱く
このように、自分の行為は相手から様々な形で返ってきます。
MRであれば、医療者と関係を良くしたいのであればGIVEの精神を持ち、相手が喜ぶ行動や自分のプライベートな一面を出すように心がけることで、親密な関係に向かうきっかけを掴めるかもしれません。
返報性を狙った活動例
●依頼事項の対応
「要望通りできるかわかりませんが・・。」と少しハードルを上げておいて、「何とかできました!」というアピールを自然に入れる工夫をする。(努力したことが相手に伝わり、その後に相手からも譲歩を受けることができる)
●相手に貸しを作る
相手が「ここまでやってくれているから何かしてあげないと」と思うまで、ニーズに合った企画や資源を投入する
実際に私は、依頼されたことに対して何でもスマートに対応せず、敢えて苦労した雰囲気を入れる工夫をしています。すると、相手から「頑張ってやってくれたから何かあった時は助けてあげよう」と思ってもらえた経験が何度もあります。
同じ対応でも工夫次第で相手に与える印象や効果は大きく変わりますよ!
まとめ
今回は、心理学の中から関係構築で特に使える3つの概念をご紹介しました。ここまで読んで、何か気付いたことはありませんか?
実は、MRなら多くの方が耳にしたことのある3つの言葉に対する心理学です。
いかがでしょうか?最近も言われた方がいるかもしれませんね。
COVID-19の環境下やそうではない時も、この3つの知識を持っておくだけで活動の選択肢が広がったのではないでしょうか?
今回の記事をきっかけに、少しでも普段の仕事が上手くいくようになれば嬉しいです。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!
参考書籍はこちらがオススメです。
第1~6回に分けて解説した営業心理学のまとめ記事です。
営業マンに必須の提案スキルを解説しています。
交渉が苦手な人に多い失敗例と解決策をご紹介しています。
誰でも交渉技術がワンランクUPする考え方をご紹介しています。
もし今回の記事を「いいね!」を思っていただけた方は、ポチっとクリックして投票(応援)してもらえると嬉しいです!