医療・製薬系のブロガーさん4名との相互企画記事第2弾です!
テーマ「○○に求められる人材!」
3名それぞれの視点や経験から、このテーマに対する見解を解説しています。
●DENKO-SEKKA04さん「【厳選5つ】臨床開発モニター(CRA)に求められる人材とは!?」
●チクチクさん「MRに求められる人物像・能力【精神、技術面から考察】」
記事を一斉公開していますので、それぞれチェックしてもらえると嬉しいです。
この記事のきっかけは、以下のご質問がきっかけになっています。
とても素敵な質問だなと思います。
この記事では、現役MRの私が感じる「MRに求められる人物像」をご紹介します。
MRに向いているタイプ①「新しいことにチャレンジできる人」
「新しい環境」「新しいツール」といった変化に対して、早期から対応できるタイプの人です。
理由は、製薬業界を取り巻く環境が大きく変化しており、MRの営業スタイルはShare of Voice(SOV)を念頭に置いた「足で稼ぐスタイル」からの転換を図る真っ只中にいるからです。
私が入社してからの10数年間だけでも起こった主な環境変化を列挙します。
私が経験したMRの環境変化
●接待OK→原則禁止
●学会、医局、施設、医師への金銭提供が寛大→縮小し、ルール厳格化かつ情報開示の義務化
●メーカーの関与する研究→営業部門が関与しない体制を構築
●MRが自作資料で情報提供を実施→自作資料での情報提供禁止(ガイドライン新設)
●他社比較、誹謗中傷での自社製品差別化PR→禁止(ガイドライン新設)
●対面訪問(アポなし、医局内入室OK)→対面訪問(アポのみ、医局入室不可)orWeb面談
このような環境変化を受け、私たちMRは大きく2つのタイプに分かれ始めています。
皆さんはどちらの思考タイプでしょうか?
企業の採用担当者視点で考えると、後者の「新しいことに挑戦する人」を採用すると思います。
また、MRの実例で考えても、新しい方法にチャレンジするタイプの方にはノウハウが蓄積されやすくなることで活動の選択肢や幅が広がり、成果を出しやすくなると感じています。
「とりあえず試してみて、自分で成功例が出るまで試してみよう!」と、新しいことに前向きな姿勢でチャレンジできる人は、とても向いていると思います。
MRに向いているタイプ②「学び続けることができる人」
継続的に自己学習できるタイプの人はとても適性があると思います。
疾患の診断・治療は日進月歩で変化しており、私たちMRも自身の製剤以外の周辺知識をアップデートしておくことが必須になります。
このような話題になることは少なくありません。
その際に、「即答できるMR」「質問事項を聞いて、後日回答するMR」だと、前者のMRが信頼を獲得するのは当然なので、必要な最新情報は自分で勉強しておくことが大事です。
また、MRは自社製品のプロモーション方法を顧客のニーズに合わせて調整していく力も必要になります。
そのような背景から、疾患や製品知識以外にも以下のような知識を自ら学習することで、思考と活動の幅が広がるようになります。
一例として、以下の知識は特に役立ちやすいです。
MRの仕事に役立つ知識
●話し方⇒短時間の会話で的確に伝わりやすい話し方が求められます。
●プレゼンテーション⇒プレゼン機会がとても多いです。
●心理学⇒交渉や相手の心理を察知するとコミュニケーションが円滑になります。
●マーケティング⇒新薬などの浸透や日々の活動に活きます。
●統計学⇒論文の解釈や説明に役立ちます。(RCT、観察研究など)
●分析力⇒活動や実績の判断に役立ちます。
このように、「疾患や製剤知識」と「ビジネス知識」の両方を継続的に学び続けることが苦にならず、継続できる人は向いていると思います。
こう思うかもしれませんが、MRに限らず社会人は常に学び続ける必要があります。
「カッツ理論」をご存知でしょうか?
ざっくり説明すると、役職に応じて求められる能力は異なることを示した理論です。
【カッツ理論】
職位とともに必要な能力は変化する。
ヒューマンスキルは常に重要であるが、役職が上がると概念化能力が求められる比率が高くなる。
●テクニカルスキル:業務遂行能力や業務知識など
●コンセプチュアルスキル:問題の本質を把握し解決策を導く力など(概念化能力)
●ヒューマンスキル:コミュニケーション能力や交渉力(対人関係能力)
コミュニケーション能力はどの立場でも重要なスキルですが、立場によって求められることが変化するので、常に学び続けて行かないと期待された成果を出せなくなるのです。
MRに向いているタイプ③「前向きな思考ができる人」
どんな時でも「今より明日はきっと良くなる!」と前向きに考えていける人です。
今起こっている最悪の事態は、
それよりもっと悪いことから救ってくれることかもしれない
引用:ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集
仕事をしていると、社内・社外で様々な予期せぬ問題・トラブルが発生し、ストレスを抱えて残念ながらメンタル面に不調を抱えて休職・退職する方も出てきます。
また、一部の担当先からは理不尽な要求や対応を受けたり、営業成績で日々追及され続けてストレスで毎晩悪夢を見る・・なんてこともあります。
しかし、どんなに悪いことが起こっても「何とかなる」と前向きに考え、どうすれば上手くいくかを考えることができる前向きな人であれば、きっと乗り切って成果につなげることができると思います。
このような点から、物事を前向きに考える人は向いていると思います。
MRに向いているタイプ④「人脈を大切にできる人」
社内・社外問わず、目先のメリット関係なく人との縁を大事にできる思考はMRに必須です。
MRをしていると多くの方と人脈ができるようになり、人脈を「うまく活用できる人」「活用できない人」では大きな差が生まれると思います。
【社内の例】
・MR
・学術
・総務、人事、経費
・MSL
・臨床研究担当
・マーケティング
・研究開発
・生産
【社外の例】
・担当先医療関係者(医師、薬剤師、看護師、事務)
・担当外医療関係者(医師、薬剤師、看護師、事務)
・担当特約店(卸)
・担当外特約店(卸)
・他社MR
直接的に関わりがある方には丁寧に対応する方は多いと思いますが、意外と大事なのは「今は直接的な関わりが強くない人」と、どのように接しているか?です。
若手医師の時にMRが丁寧な対応をしていたことを感謝され、数年後に当時の若手医師が中堅職になって権限を持った時に
このように言ってもらえる事例がありました。
逆に、目先のメリットしか考えず、人によって対応をコロコロ変えてしまうと、「あの時は態度が悪かったですね」と、後から助けてもらえないどころか敵視されることもありますので注意しましょう。
【補足】MRは文系出身でも大丈夫です
薬学・理系・文系の差を気にする就活生の方がおられるかもしれませんが、私は関係ないと思っています。
実際に私はスポーツで進学した生粋の文系で、疾患や医薬品の知識ゼロで入社しました。
たしかに最初のMR認定試験勉強は苦労しましたが、MRの仕事をする上では文系だから困ったことはありません。
また、文系だから専門的な病院を担当させてもらえないということはありませんよ。(実際に文系出身でも大学病院の担当者はたくさんいます)
出身学部よりも、「考え方」「熱意」「習慣」が大事になると私は考えています。
自分がどんな仕事をやりたいか分からない方にオススメの書籍
こんなモヤモヤした気持ちを抱えている方にはオススメの書籍をご紹介します。
ユニバーサルスタジオジャパンをV字回復させたマーケターの森岡さんが、「働くとはなんだろう?」をテーマに執筆された書籍です。
「自分の強みをどう知るか?」
「自分自身をマーケティングする」
「不安と向き合う」
このような観点を、わかりやすく実践的に解説されています!
まとめ
今回は、MRに求められる人材像に関して、特に重要と私が感じる項目を4つご紹介しました。
MRに向いているタイプ
●新しいことにチャレンジできる人
●学び続けることができる人
●前向きな思考ができる人
●人脈を大切にできる人
様々な仕事から自分に合うものを選ぶのは迷うと思いますが、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
他のブロガーさんの記事も是非ご覧ください。
●DENKO-SEKKA04さん「【厳選5つ】臨床開発モニター(CRA)に求められる人材とは!?」
●チクチクさん「MRに求められる人物像・能力【精神、技術面から考察】」
前回の相互企画記事が気になる方はこちらをご覧ください。
Twitterでは、最新記事やコメントを発信をしていますので、是非フォローをよろしくお願いします。
MRの実情に関する私見をまとめた記事はこちらです。
MRを10年以上経験して感じる「やりがい」「辛いこと」を10項目ご紹介しています。
もし今回の記事を「いいね!」を思っていただけた方は、ポチっとクリックして投票(応援)してもらえると嬉しいです!