みなさんは「交渉の場面」で失敗した経験がありますか?
実は、交渉で失敗する人は「惜しいミス」を知らないうちに重ねていることが多いです。
こんな方にはこの記事がおすすめです!
弁護士の嵩原安三郎さんの著書「交渉上手」を参考に、身近な失敗事例の改善点を解説します!
この記事をきっかけに、ワンランク上の交渉力を身につけるきっかけになれば嬉しいです。
この記事でわかる交渉のコツ
●相手を怒らせないように、言葉や態度に配慮する
●譲歩をする時は、相手の予想を上回る条件を最初から提示する
●「今回だけ」の譲歩はしない。もしするなら次回の条件も確約を取る
●交渉で「決裁権がない」カードを使う時は、共闘する姿勢を示す
●交渉では「その場しのぎの言葉」を使わない
●謝るべき点を明確化し、「本音の謝罪」と「建前の謝罪」を分ける
●押すべき時はストレートに想いを伝える
交渉が苦手な営業マンがついついやってしまう失敗例7選
交渉が苦手な営業マンによくある失敗例を7つまとめてみました。
みなさんも過去にご経験したことがあるか、ぜひ振り返ってみてください!
今は交渉が上手な方も、1度は失敗経験に該当することがあるかもしれませんよ。
- 相手を怒らせないように必要以上に譲歩する
- 条件を小出しにする
- 「今回だけ」という条件付きでかなり痛い譲歩をする
- 決裁権がないことを逃げ口上で使う
- その場しのぎの言葉でごまかそうとする
- 考えなしにとりあえず謝罪する
- 控えめな発言で熱量を下げてしまう
では、次から順番に解説していきます。
【営業の交渉失敗例①】相手を怒らせないように必要以上に譲歩する
交渉の場面で意に沿わぬ条件提示によって「相手を怒らせること」に怯え、相手に媚びたり、必要以上に譲歩していませんか?
実は多くの場合、人が怒りを感じるのは、実は交渉の内容そのものではありません。
仮に、まったく意に沿わぬ条件を提示されたとしても、人が怒りを感じるポイントはこちらの「言い方」や「態度」に対してです。
実際に私の身近でこんな事例がありました。
経緯を聞くと、業界ルールに準じる対応変更自体はOKでしたが、担当者の伝え方に腹が立ったということでした。
チェックポイント
●相手を怒らせないように、言葉や態度に配慮する⇒OK!
●相手を怒らせないように媚び、迎合する⇒NG
相手に媚びてしまったり、必要以上に譲歩したり、相手の無理難題を受け入れてしまう落とし穴にハマってしまう人は「相手は、交渉の内容によって怒る」と誤解しているケースがほとんどです。
最初に誠実な態度と言葉を見せ、相手に「この人の言うことをしっかり受け止めよう」と思わせることを意識しましょう。
このように誠意を持って伝えることで、相手が感情的になる確率は非常に低くなります。
伝えにくい内容ほど「誠実」に「誤解を生まないよう」に「真の意図を明確に」伝えましょう!
【営業の交渉失敗例②】条件を小出しにする
交渉で譲歩が必要な場面で、小出しに条件を引き下げて譲歩していませんか?
例えば、値下げ交渉の時にこちらは最大3割までなら許容範囲内だったとして、1割⇒2割⇒3割と段階的に条件の譲歩をするイメージです。
もし3割まで譲歩できるなら、小出しはせずに最初から3割の譲歩を提示する方が良いです。
理由は、こちらが譲歩をする時は「相手の予想を上回るサプライズ」を与えることが重要だからです。
チェックポイント
●譲歩をする時は相手の予想を上回る条件を最初から提示する⇒OK!
●譲歩を小出しにしながら、あわよくば自分に有利な妥結になることを期待する⇒NG
1度でも相手にとってインパクトのある譲歩をすると、その他の条件ではこちらの思い通りに話を持っていきやすくなります。
【営業の交渉失敗例③】「今回だけ」という条件付きでかなり痛い譲歩をする
「今回だけは」という条件付きでかなり痛い譲歩をしていませんか?
安易に「今回だけ」という判断が、その後も続く地獄の入り口になることは多々ありますのでやめましょう。
仮に条件付きで交渉すると、かなり高い確率で次回の交渉でこのように言われます。
いつの間にか「今回だけ」が「既得権益」に変化し、元に戻す労力がさらに必要になります。
もし、どうしても「今回だけ譲歩」が必要な場合、次回の条件はその場で確約を取るようにしましょう。(可能なら書面で契約を交わす)
チェックポイント
●「今回だけ」の譲歩はしない。もしするなら次回の条件も確約を取る⇒OK!
●交渉を軟着陸させるために「今回だけ」譲歩をしたが次回のことは何も話していない⇒NG
【営業の交渉失敗例④】決裁権がないことを逃げ口上で使う
「私には決裁権がないので・・。」と交渉の場面で逃げる口実に権限の有無を使っていませんか?
相手からすると、決裁権がないことを理由に「逃げ」の姿勢を見せられるとフラストレーションが溜まりやすくなります。
こう言われて困った経験がある方は、「逃げ」の姿勢が怒りを買ってしまった可能性があります。
「決裁権がない」というカードを交渉で使う時は、「逃げ」に見せないように共闘する姿勢を示すことが大切です。
このように共闘姿勢を示すことで「心強い味方」として、交渉を円滑に進めることが可能になります。
チェックポイント
●交渉で「決裁権がない」カードを使う時は、共闘する姿勢を示す⇒OK!
●交渉で「決裁権がない」カードを使って相手に諦めてもらうことを期待する⇒NG
【営業の交渉失敗例⑤】その場しのぎの言葉でごまかそうとする
交渉の場面で少し状況が苦しくなった時にその場しのぎの言葉でごまかそうとしていませんか?
一時的にごまかせたとしても、後から「言った」「言わない」の水掛け論に発展する可能性があります。
また、相手が論理的な思考のタイプであれば、追求される隙を与えてしまい交渉が劣勢に追い込まれます。
その場しのぎの言葉は、交渉が劣勢になるだけでなく相手からの信頼も失うので注意しましょう!
チェックポイント
●交渉では「その場しのぎの言葉」を使わない⇒OK!
●交渉では、ついつい「その場しのぎの言葉」を使ってしまう⇒NG
【営業の交渉失敗例⑥】考えなしにとりあえず謝罪する
反射的に「考えなしの謝罪」をすることが習慣化していませんか?
口癖で「すいません」とすぐに言う人は要注意です。
「考えなしの謝罪」や「口癖の謝罪」は相手に不快感を与えて怒りに拍車をかけるだけでなく、相手が図に乗るので交渉がうまく進みにくい状況に陥ります。
大切なことは「謝るべき点を明確にすること」です。
非があるなら真摯に謝罪が大切ですが、謝罪が済めば交渉は「それとこれとは別」で過剰に譲歩する必要はありません。
ちなみに、謝罪の方法は「本音の謝罪」と「建前の謝罪」の2種類があります。
チェックポイント
●「本音の謝罪」⇒自分に非がある時は、思い切り謝ることで、いち早く対等の状態に戻すことができる。
●「建前の謝罪」⇒自分に非があるとは思わないが謝った方がよい状況では、相手にマウントをとられるような謝り方をしない。
建前の謝罪が必要になる場合、相手は基本的に「謝らせることでマウントをとり、交渉を有利に進めようとしている」と考えておくとちょうどよいです。
【営業の交渉失敗例⑦】控えめな発言で熱量を下げてしまう
本当は絶対に決めたいと思っているのに「難しければ、いいんですよ」と控えめな発言で伝えていませんか?
押すべきときは熱い想いをストレートに伝えましょう!
交渉となるとロジックを重視しがちですが、相手は感情を持った生身の人間であることを忘れないようにしましょう。
このような熱量に相手は動かされ、本音を明かしてくれることも、十分考えられます。
チェックポイント
●押すべき時はストレートに想いを伝える⇒OK!
●本当の想いをごまかして「難しければ、いいんですよ」と伝える⇒NG
まとめ
本日は、交渉で陥りがちな失敗例と改善方法をご紹介しました。
●相手を怒らせないように、言葉や態度に配慮する
●譲歩をする時は、相手の予想を上回る条件を最初から提示する
●「今回だけ」の譲歩はしない。もしするなら次回の条件も確約を取る
●交渉で「決裁権がない」カードを使う時は、共闘する姿勢を示す
●交渉では「その場しのぎの言葉」を使わない
●謝るべき点を明確化し、「本音の謝罪」と「建前の謝罪」を分ける
●押すべき時はストレートに想いを伝える
いきなり全てを完璧にできるようになる必要はありません。
「これはあの時の!」と思い出しながら練習を積み重ねていきましょう。
こう思った方は、この記事の続編として「交渉の目的」や「超重要テクニック」を解説していますのでご参考ください。
この記事は「交渉上手」という書籍を参考に作成しました!実践的な知識が満載ですよ。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました!
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