この記事では、MRが仕事で使える心理学の知識を「事例」「活用例」も交えながら解説しています。
今回は心理学の中でも、第一印象で相手に良いイメージを持ってもらうために活用できる内容をご紹介します。
「MR心理学」は皆さんにイメージしていただきやすいように、記事を書きながら思いついた造語ですので、そこはあまり気にしなくて大丈夫です。
皆さんは心理学と聞いてどんなイメージを持ちますか?
こんなことを思った方もおられると思います。
しかし、意外と私たちの身近には心理学を使っていることが多く、知らない間にあなたも影響を受けていることがありますよ。
日常で影響を受けている心理学
【例】数ある商品の中からCMでよく見る商品を購入する
単純接触効果という心理学が使われています。
何度もCMで目にすることにより、消費者が商品に親近感を持たせる効果のことです。
【例】ドラマの主人公が劣勢になると応援したくなる
アンダードッグ効果という心理学が使われています。
不利な状況にある人をついつい応援したくなる効果のことです。更に、不利な状況の人が努力する姿を見ると、応援する気持ちは増強します。ドラマでよく見かけるシーンですね。
このように、意外と身近に心理学は溢れています。
知らない間に使っているという方もいると思いますが、知識を習得して使いこなすことで他のMRと差をつけることができるかもしれません。
私がMRとして実践している方法になりますので、参考にしていただけると嬉しいです。
①ハロー効果
ある1つの特徴が与える印象が基準になり、他の特徴も印象の影響を受けて評価するようになる効果です。
これをハロー効果と呼びます。
先入観とも言えますが、誰でも経験があると思います。
ハロー効果には「ポジティブ」と「ネガティブ」の2つがあります。
【ポジティブハロー効果の例】
●東大卒のMRです!
※実際の仕事内容に関わらず、第一印象で「きっと優秀なMRだろうな」と思うのがポジティブハロー効果です。
【ネガティブハロー効果の例】
●10月から異動で着任するMRは前任地で上司と揉めたらしいよ
※実際の人柄や能力関係なく、悪い情報に影響されて周囲が「マイナスイメージを前提」に考えるのがネガティブハロー効果です。
MRの仕事ではできる限りポジティブハロー効果を活用していきましょう!
相手に「優秀そうだな」「信頼できるな」「面白そうだな」と思わせるエピソードを混ぜ込むことが大事です。
【ポジティブハロー効果の活用例】
●清潔感のある服装と身だしなみで訪問する
●前任地では○○大学病院を担当していました
●前任地ではこの領域で著名な○○病院を担当していました
●○○の領域を○年担当しています
●○○の資格を保有しています
●上司同行で、社内で1番期待されているMRと紹介してもらう
自分のことをアピールするのが苦手と言う方は、上司など社員の同行訪問をセッティングし、相手から伝えてもらうように仕込むことも良い方法だと思います。
②エピソード記憶
過去に経験した出来事に対する記憶のことです。
これをエピソード記憶と呼びます。
「何を経験したか」+「付随情報」をセットで記憶しているのが特徴です。
1つの事象から「そういえばその時はこんなことがあった」と次々にエピソードが思い起こされるのが特徴です。
●街で偶然、ある香水の匂いを感じた時に、
「学生時代に付き合っていた相手が使っていたな。あの時は○○な出来事や○○によく遊びに行ったな~」
と、過去のエピソードを思い出した
香水をきっかけに良い悪いは別にして、過去の思い出がセットでエピソードとして出てくるのがエピソード記憶です。
誰にでも特定の物・場所などを見ると思い出すエピソードを持っています。
なかなか最初に話が盛り上がらない場面でも、相手のエピソード記憶のきっかけになるような話を切り出せば、そこから発展させることも可能です。
また、エピソード記憶で盛り上がることができれば、相手は警戒心を下げてくれるので一気に距離を縮めることもできます。
MRがエピソード記憶を活用する例
●先生が研究しているテーマor研究していたテーマ
●先生の過去に執筆した論文の内容
●先生の世代で過去に流行したもの
過去の論文に関しては「あの時は○○だった」と過去のエピソードを教えていただきやすいので、是非お試しください。
③自己開示
自分の個人的な情報を敢えて伝えることで、相手は「こんなことまで自分に話をしてくれるのは、私を特別視しているんだな」と感じてもらうことです。
これを自己開示と呼びます。
自己開示をすると「実は・・」と相手も自分の情報を打ち明けようとしてくれる、行為の返報性が発生しやすくなるので、距離が縮まりやすくなります。
【自己開示の例】
●新しく異動で赴任した社員から、
「実は私には5歳と1歳の子供がいるのですが仕事と育児の両立がなかなかうまくいかなくて」
と話を切り出され、自分にも同じ歳の子供がいると
「実は私も一緒です!パートナーとどのように分担してますか?」
と、話が盛り上がり、親近感を持つようになった。
ちょっとした自己開示が関係を深めるきっかけになることもあります。
注意する例として「会社の不満」「上司の不満」「自慢話」があります。
最初にこのような話をされて、相手が嫌な気持ちになる可能性がある話題は避けましょう。
MRの場合、前担当者から把握している医療者情報を引き継いで教えてもらえるため、事前に相手と自分の共通点を探しておく準備が大事です。
多いのが、共通点がない話題をやみくもに質問し、浅く話を聞くだけで終わるケースです。
チャンスを逃してしますのは勿体ないので、事前に準備が大切です。
【自己開示を活用した話のネタ】
●出身地
●年齢
●家族構成
●子供の習い事
●趣味
出身地や年代が近いと盛り上がる話のネタが膨らみやすいですね。
また、家族の話は意外な一面を伝えやすく、仕事とのギャップを与えることもできるので、相手が話に乗ってくれば有効です。
④ミラーリング効果
好意を持った人の動作や仕草を無意識に真似する傾向のことです。
これをミラーリング効果と呼びます。
人間は自分と似た人間を好む傾向があり、同じであると分かれば親近感を持つようになります。
【ミラーリング効果の事例】
●カフェに社員と一緒に行った際、飲み物の好みが同じということを知って、親近感を持った
行動に類似性を感じることで親近感や仲間意識を持ちやすくなる効果です。
この法則を活用し、行為や行動を敢えて真似することで、相手に親近感を持ってもらえるようにしましょう。
MRの仕事でミラーリング効果を狙う場合は、相手の動作を無理のない範囲で自然に真似る程度を心がけましょう。
【ミラーリング効果活用例】
●会話のテンポを合わせる
●話の音量を合わせる
●会話のテンションを合わせる
●笑うタイミングを合わせる
●言葉遣いや表現を合わせる
●飲み物を飲むタイミングを合わせる
●飲み物や食べ物の種類を合わせる
間違えてはいけないのが、真似をすることを目的と勘違いして不自然に何でも真似をして相手が「バカにしているのか?」と感じてしまうことです。
目的はあくまで親近感を持ってもらうことで、手段として類似性を出しているに過ぎません。
目的と手段を混同しないように注意しましょう。
まとめ
今回はMR心理学として4つご紹介しました。
10月からは異動先で新たに人間関係を社内外で作っていくという方もおられると思います。
また、MRは転勤が必ず訪れますので、今回ご紹介した方法を意識しながら準備をすることで今後の仕事がやりやすくなるかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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