2021年12月に「エフォートレス思考」という注目の書籍が発売されました!
この本は「エッセンシャル思考」で40万部超えとなったグレッグ・マキューン氏の2作目です。
「無駄な努力を0%にして、成果を100%にする方法」がわかりやすく実践的に解説されたビジネスパーソンは必読の書籍だと思います。
そこでこの記事では、エフォートレス思考の要点をバッチリ解説します!
普段、このような悩みのある方には特におすすめです!
この記事の要点
●エフォートレス思考は「頑張らないからこそ結果が出せる」考え方
●全力で取り組んでうまくいかない時は「力を抜いて楽なやり方」を検討してみる
●ステップ①頭のガラクタを片付けて、余裕のマインドを手に入れる
●ステップ②もっとも効率のいいポイントを見つけて、余裕で最高の成果を出す
●ステップ③行動を自動化し、成果が勝手についてくる仕組みをつくる
エフォートレス思考とは?
エフォートレス思考は「頑張らないからこそ結果が出せる」という考え方です。
正しいやり方さえ見つければ、重荷が取れて余裕で大きな成果が出せるということが、書籍では「精神(考え方)」「行動」「しくみ化」の3ステップに分けて解説されています。
こう思われるかもしれませんが、実は手を抜くこととエフォートレス思考は異なります。
頑張りが成果につながるのはその通りです!
ただし、「頑張り=成果」には限界があり、常に比例関係ではないことに注意が必要です。
さらに言うと、「全ての努力が必ず報われるわけではない」という残酷な事実もあります。
私は学生時代にスポーツでこの事実を何度も思い知らされました・・。
エフォートレスではない思考
●成果を無視して手を抜いてサボり続ける
●手を抜くことは悪なので、気合で何事にも全力投球する
エフォートレス思考
●努力でも怠惰でもなく、スマートに結果を出す
●限られたリソースの中で、いちばん楽なやり方で優先事項に取り組んで成果を出す
みなさんそれぞれで仕事・家庭・趣味などの理想像をお持ちだと思います。
では、現時点で理想を全て実現できている人はどれくらいおられるでしょうか?
もしこう思った方は、やる気と能力の問題ではなく、「やり方」を変えることを意識してみましょう!
現代人は忙しすぎることに加えて、スマートフォン等で時間を奪うアイテムが充実している世の中を生活しています。
リソースが限られる中、力ずくで何とかしようと試みて上手くいかないなら、力を抜いて楽なやり方で最優先事項に取り組む方法が有効です。
つまり、「働きすぎは決して名誉なことではない」ということになります。
この疑問に対する回答について、書籍の中ではこのように紹介されています。
エッセンシャル思考とエフォートレス思考の違い
●エッセンシャル思考:「何を」やるかを見極める技術
●エフォートレス思考:「どのように」やるかを見極める技術
引用:エフォートレス思考
エフォートレス思考を使いこなす3つのステップ
エフォートレス思考を実践し、身につけるには3つのステップを理解することが大切です。
エフォートレス思考のポイント
①エフォートレスな精神:頭のガラクタを片付けて、余裕のマインドを手に入れる
②エフォートレスな行動:もっとも効率のいいポイントを見つけて、余裕で最高の成果を出す
③エフォートレスのしくみ化:行動を自動化し、成果が勝手についてくる仕組みをつくる
頑張る | エフォートレス | |
精神 | 大事なことをやるのは 死ぬほど大変だ。 | 大事な事をやるのは いちばん簡単だ。 |
行動 | 頑張りすぎる。難しく考える。 複雑化する。やりすぎる。 | 簡単なやり方を探す。 |
成果 | 疲れるばかりで成果が出ない。 | 余裕で正しい成果が出せる。 |
それぞれ詳しく解説していきます!
【ステップ①】エフォートレスな精神
エフォートレスな精神とは「心身ともに休息十分で不安もなく、目の前のことに集中できる状態」のことです。
人は、疲労・悩み・負の感情があると、大事なことに集中できず最高のパフォーマンスを発揮できません。
そこで、頭と心の中の雑念を取り払い、余裕(スペース)を作ることから始めましょう。
エフォートレスな精神をつくる5つの考え方
①頑張れば成果が出るとはかぎらない⇒「どうすればもっと簡単になる?」と違う角度からアプローチする
②「我慢」を「楽しい」に変える⇒仕事と遊びを共存させる
③頭の中の不要品を手放す⇒自分の持っているものに目を向ける。足りないものに目を向ける習慣やネガティブな感情を捨てる
④「休み」で脳をリセットする⇒「何もしない」技術を身につける
⑤今、この瞬間にフォーカスする⇒ノイズを無視して重要なことに集中する
みなさんには、こんな経験がありませんか?
仕事は増える一方なのに、残業は出来る限り減らせと言われる。
こんなに苦労しているのに良い評価が得られないのはおかしいよ。
「不必要な業務」「慣例で続く作業」「新しい取り組み」このように膨れ上がっていく仕事を無理してこなそうとすれば、誰にでも限界がきます。
こんな時は大変な思いをして必死にこなすのではなく、「もっと簡単なやり方はないだろうか?」と自問してみましょう。
他にもこんな問いかけが有効です。
自分への問いかけ
●もっと簡単にできる方法はないだろうか?
●どうやったらこの仕事がもっと楽になるだろうか?
●もっといいやり方はないだろうか?
大事な仕事をやり遂げられない最大の理由は、まさに困難だからではないのか。
そして、何かが困難だと感じるのは、もっと簡単なやり方を見つけていないからではないか?
引用:エフォートレス思考
頑張りすぎは失敗のもとです。
徹夜で仕事をした結果、翌日はパフォーマンスが低下してミスを犯したり、肝心の徹夜で作業した仕事にもミスが複数あったという事例は珍しくありません。
「リラックスも仕事のうち」と考えて、1日の仕事は1晩寝ればすっきりと疲れが取れる程度に仕事と休息のバランスを調整してみてはいかがでしょうか?
しっかり休息がとれると心に余裕が生まれ、ポジティブな感情が広がることで、新たな可能性に目を向けやすくなりますよ。
こんなご意見があるかもしれません。
私もこの部分は気になったので、ご紹介します。
営業目標や家事など、仕事と家庭の両方で「やらないといけないので我慢するタスク」があります。
この我慢するタスクにゲーム性やエンタメ性といった「楽しさ」を持たせる工夫を考えてみてはいかがでしょうか?
楽しさを演出するヒント
●営業目標に対するステップを達成する毎に仲間内でご褒美をGETできる楽しみ(ゲーム性)
●家事の時間は子供と一緒に盛り上がれる音楽をかけて一緒に楽しむ(エンタメ性)
【ステップ②】エフォートレスな行動
エフォートレスな行動とは、「やるべきことをなるべくシンプルに、簡単にやり遂げる」という行動です。
みなさんの職場にはこんな方がおられませんか?
非エフォートレスな行動
●何でも依頼を引き受けしまい、必要以上に仕事量が増加した結果、無理なスケジュールを組んでしまう。
●完璧主義で、完成するまでに時間を要するため締め切りに間に合わない。
ステップ①のエフォートレスな精神を身につけ、行動を起こすためには「シンプルに」「簡単に」を意識することが大切です。
エフォートレスな行動に必要な5つの考え方
①ゴールを明確にイメージする⇒着手する前に完了のイメージを明確化する。
②はじめの一歩を身軽に踏み出す⇒やるべきことを分解し、ステップを最小化した上でシンプルな行動から始める。
③手順を限界まで減らす⇒やらないことを最大限に増やす。
④よい失敗を積み重ね⇒小さく始め、小さな失敗から学ぶ。
⑤早く着くために、ゆっくり進む⇒「ゆっくりはスムーズで、スムーズは速い」と理解する
経済学の「収穫逓減の法則」という言葉をご存知でしょうか?
入力の量が一定数を超えると、いくら入力を増やしても出力が増えなくなるという意味です。
これを仕事に置き換えると、アウトプットの低下を努力(時間)で補う行動はパフォーマンスが低下するので結果に結びつかなくなるということです。
そこで役立つのが、エフォートレスな行動ということになります。
例えばスライド作成時に、こんな経験はありませんか?
スライド作成で完璧な内容を作ろうを思うから、最初に取りかかるまで気が重い・・。
でも、作業の調子が良い時は、ついつい色んな情報を詰め込んでしまう。
本の著者は「完成イメージ」について、「時間と努力を無駄にしないためにも、コストとリターンが逆転するちょうど手前に定めている」と解説しています。
また、作業に取り掛かるはじめの一歩は「身軽に踏み出せる作業」まで分解して、スタートしやすいように工夫することも大切です。
最初の一歩を踏み出すことができれば、エンジンがかかって作業が進みやすくなりますよ。
この気持ちはとてもよく分かります。
そんな時に役立つ問いかけ方法がこちらです!
手順を限界まで減らす問いかけ方法
●「最低限必要なステップは何か?」
●「この仕事を完了させるために、最低限必要な手順はなんだろう?」
これは決して手を抜く行為ではありません。
不要なステップを排除することで、重要な仕事に全力を注ぐための方法です。
書籍では不要なステップを排除する例としてこんな話が紹介されています。
重要なことで「もうひと頑張り」するならいい。
たとえば外科医が、傷口の感染を防ぐために念入りな処置をするのは大事なことだ。
だが必要ないのに、表面的な装飾を加えるとなると、話は別だ。
私自身は、こういうルールにしている。
Xを頼まれた場合、Yをする必要はない。
引用:エフォートレス思考
このような方法で「すべてを完璧にしなければいけない」というプレッシャーから自分自身を解放し、ゴールの達成を目指しましょう。
これはその通りです。
よい失敗を積み重ねることは非常に重要で、書籍でも「失敗なくして習得はありえない」と断言されています。
重要なことは、失敗のサイズです。
×いきなり大きなことをやって、致命的な失敗をする
⇒例)投資経験や知識もないのに巨額の投資で失敗する
○小さなことからやってみて、学習サイズの失敗を積み重ねる
⇒例)まずは少額の投資で経験を積みながら学ぶ
いきなり大きな失敗をしないためにも、「焦らず、ゆっくり、着実に」進める方が良いと思います。
【ステップ③】エフォートレスのしくみ化
エフォートレスのしくみ化とは、「余裕を持って生み出した成果が何度も勝手に積み重なるしくみを作る」ということです。
もし、「1度努力すれば、あとは自動で成果がついてくる」という方法があれば嬉しいと思いませんか?
投資経験のある方は、複利効果のイメージです。
単発の成果をもぎ取るのではなく、しくみとして成功が積み重なっていく方法を考えましょう。
エフォートレスのしくみ化に必要な5つの方法
①一生モノの知識を身につける⇒目先の知識よりも原理原則を学ぶ方が応用できる。
②いちばんシンプルに伝える⇒教えること、伝えることが自身の学びになる
③勝手に回る「しくみ」をつくる⇒作業を自動化し、重要なことに集中する
④不信のコストを削減する⇒信頼が効率的なチームをつくる
⑤問題が起こる前に解決する⇒ごまかさずに今すぐ取り組んで未然に防ぐ。対症療法ではなく予防・根治させる。
インターネットが発展し、スマートフォンが普及した現代は「情報過多」と言われ、すぐに情報や知識が入手できます。
私が尊敬する楠木建さんの言葉に「すぐに役立つことは、すぐに役に立たなくなる」という一節があります。
エフォートレス思考の著者も同様に「目先の知識よりも原理原則を学ぶ方が応用できる」と解説しています。
これはつまり、本当に重要な知識はどのカテゴリーでも基本となる「原理原則」を学んでおけば、すぐに役に立たないかもしれないが、応用ができるので結果的に長く役に立つということだと思います。
そのために正しい知識を学び、他者に伝えてアウトプットすることで自分の知識を経験に落とし込んでいけるといいですね。
こういう方も多いかもしれません。
自動化ツールや効率化のシステムが普及しているので、活用することは大賛成です。
近年はAIの台頭で「仕事が奪われる」という表現を目にする機会もありますが、そもそも人間ができる作業には限界があり、人が本当に必要な決断・判断をするためにAIが他の作業をやってくれるパートナーだと認識しています。
ですので、自分の時間を生み出すために効率化を図っていくトレンドは今後も続くと予想します。
最後に、チームにおける「信頼」について分かりやすい記載があったので引用します。
チームのなかでは、多くの人がさまざまに絡み合った役割を持ち、高速で動いている。
信頼が不足すると、たがいの利害や優先事項がぶつかり合い、摩擦が生じて全員が疲弊する。
チームは失速し、行き詰まってしまう。
信頼とは、チームのエンジンオイルだ。摩擦を減らし、チームがスムーズに機能しつづけるための潤滑油なのだ。
エフォートレスなチームワークを実現するためには、つねにエンジンオイルが不足しないしくみをつくる必要がある。
引用:エフォートレス思考
まとめ
本日は、エフォートレス思考の要約と、私の感想も交えてご紹介しました。
この記事の要点
●エフォートレス思考は「頑張らないからこそ結果が出せる」考え方
●全力で取り組んでうまくいかない時は「力を抜いて楽なやり方」を検討してみる
●ステップ①頭のガラクタを片付けて、余裕のマインドを手に入れる
●ステップ②もっとも効率のいいポイントを見つけて、余裕で最高の成果を出す
●ステップ③行動を自動化し、成果が勝手についてくる仕組みをつくる
同じ著者が過去に執筆して40万部を超えるベストセラーの「エッセンシャル思考」に興味のある方はこちらの記事をご覧ください。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました!
以下は関連記事と、エフォートレス思考の書籍リンクです。
お金のことにご興味のある方はこちらをご覧ください。
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