製薬会社のMRは2013年の約66,000人をピークに年々減少し、最新では約50,000人となりました。
このようなMR不要論というワードを耳にする機会も増えてきました。
今後も「デジタル化」「終身雇用制度の廃止」「大型開発品の減少」というトレンドが進み、MR数が5万人を切ることが常態化するでしょう。
「MRは不要」と揶揄されることはありますが、役割が変化することで人数が減少してもゼロになることはないと考えています。
危機感は感じていますが、大切なことは”ビクビク怯えるだけではなくて、早めに準備して行動すること“だと思っています。
MRが将来に備えるための準備には3つの選択肢があります。
- 会社にとって必要性の高いMRであり続ける
- 転職で求められる経験と実績を持つMRになる
- 副業で収入基盤を強化する
この記事では3つの選択肢を具体的に解説し、漠然としたMRの将来に対する不安に怯える状況から、前向きに行動するアイデアを提案していきます。
この記事の要約
●MR自体が消滅することはないが、求められる役割は変化していく。
●これからのMRは「潜在ニーズを引き出し、顧客同士をつなげ、データを根拠に課題を解決する」ことが求められる。
●会社から必要とされるには「いい意味で、目立つ行動を起こし続けている人」になる。
●転職市場に強い「経験」と「実績」を積む
●副業に挑戦して「収入源の分散化」によって未来の備えをする。
【MR不要論】本当にMRの仕事はなくなるのか?
製薬業界を取り巻く環境が変化していく中で、MRの仕事自体が消滅することはないですが、求められる役割は変化していくでしょう。
イメージとしては「旧タイプのMRは減少し、ニュータイプのMRは生き残る」ということです。
旧タイプのMRとは”コール数ありきのシェアオブボイス(SOV)の活動しかできない人”が代表格です。
なぜなら、SOVはデジタルプロモーションで十分な効果が得られていく時代に突入し始めており、人vsデジタルで”デジタルが強い部分”の競争は圧倒的に分が悪いのです。
デジタルの力が十分に及んでいない、次の3つを通じて患者さんにベネフィットをもたらす活動ができる人です。
①顧客の潜在ニーズを引き出すこと
②顧客と顧客をつなげること
③会話から課題を引き出して、課題を解決するデータで提案すること
”人だからこそできる仕事をMRが担い、人でなくでもできる仕事はデジタルに任せる”という役割分担を受け入れることが大切です。
MRをしている方の実感としても、デジタルは有効だけど「対面」や「Web面談」をしてみて処方意向や考え方が変化した顧客がいるという実感があると思います。
デジタル化が進む中で「変わっていないこと」にMRが求められ続けるヒントが隠されているのではないでしょうか。
【MRいらない?】将来に備える3つの選択肢
デジタル化で様々な仕事が「人→機械」へ置き換わり、アイデアを生み出したり意思決定することに人の役割がシフトしていく時代に突入しています。
このトレンドにより、“単純作業しかできない人材””言われたことしかできない人材”の存在価値が低下し、リストラ対象や給与削減対象になってしまいます。
これは様々な業界で起こっていることであり、MRも決して例外ではありません。
次の3つを意識しながら、早期から自分のキャリアプランに合った準備に取り掛かることが大切です。
- 会社にとって必要性の高いMRであり続ける
- 転職で求められる経験と実績を持つMRになる
- 副業で収入基盤を強化する
この選択肢は、どれか1つしか選べないという訳ではありません。
どれかを選択することで完全に他の選択肢を断つという考え方よりも、柔軟に立ち回れる「しなやかさ」をイメージしましょう。
①会社にとって必要性の高いMRであり続ける
「会社にとって必要性の高いMR」とは、ざっくり言うと「いい意味で、目立つ行動を起こし続けている人」です。
良い意味で目立っていて、「〇〇といえばあのMR!」と支店長や所長が最初に思い浮かべる人は、仮に早期退職募集などがあったとしても、”残って欲しい!“と言われます。
定点観測として、”自分が会社から必要とされている人材か?“を意識しておくことはとても大切です。
自身が会社からどのような評価を受けているかを把握する方法として以下の3つがあります。
- 人事評価のフィードバック内容を確認する
- 同世代社員と比較した自分の役職(昇進スピード)を確認する
- 上司との関係性が良好かを振り返る
人事評価のフィードバックは、”会社のニーズ”や自分に求められている”課題”が理解しやすいので必ず確認しましょう。
特に、上司と面談する時は「伸ばすべき点」「改善すべき点」を自分から質問してみることをおすすめします。
もし、面談やフィードバックだけで不十分だった場合は、同世代社員と比較した自分の役職(昇進)で会社の評価を判断するという方法もアリです。
ただし、役職や評価はあくまで”過去の自分に対するもの”なので、固執する必要はありません。
繰り返しになりますが、今からでも「いい意味で、目立つ行動を起こし続けること」を心がけましょう。
分かりやすい例は、業績面で「全国No.1」「支店No.1」「社内表彰を受賞」「社内プレゼンで優勝」などです。
ハードル高すぎるでしょ。
たしかにそうですよね。笑
そこでおすすめなのは、「組織貢献の面で自ら行動を起こすこと」です。
- 組織貢献の例
- ①会社の目指すMRの活動を率先して取り組んで、事例を共有する
②MRの目指す活動量を達成できるように工夫したノウハウを共有する
③チームメンバーの人材育成に所長と協力しながら取り組む
④デジタル知識を学び、メンバーが活用できるようにサポートする
⑤有志でMR同士が学びあうコミュニティを立ち上げる
MRの業績は”実力”と”運”の要素も若干はあります。
しかし、自発的にノウハウを発信したり、組織にポジティブな行動を率先して起こすことは誰でも可能です。
だからこそやる価値があるのです!
誰にでもできるけど、誰もやっていないからこそチャンスですよ。
実際、筆者は2020年から社内コミュニティを設立し、今では約200人ほどの社員が参加する規模へ成長して組織貢献になったことで社内表彰された経験があります。
コンセプトと箱を作って知人と協力しながら運営すれば、組織貢献につながる活動は誰にでもできます!
コミュニティの運営ノウハウを詳しく知りたい方はこちらの実例付き解説をご覧ください。
②転職で求められる経験と実績を持つMRになる
終身雇用制度が崩壊している現代では、常に自分の市場価値を考えておくことは非常に重要です。
「転職で求められる経験と実績を持つMR」とは、転職の募集案件で「〇〇の経験を有する人」という条件に合致するMR経験と実績を持つことです。
代表的な転職時に必要なMR経験
●経験⇒大学担当、KOL担当、マネジメント
●領域⇒がん、バイオ、希少疾患
●実績⇒採用、新薬立ち上げ、主力製品シェア伸長
人事担当者からすれば「うちに入社して、あなたは即戦力として実績を挙げれる能力や再現性がある人材なの?」ということが知りたいのです。
いつでも転職できるためには、実績の再現性をアピールできる経験値を積むことが大切です。
転職で求められている経験・実績は求人トレンドによって変化します。
自身の市場価値を把握するには、転職エージェントの担当者と定期的に連絡をとることが重要です。
- 自身の市場価値を把握し、高める方法
- ①MRの転職に強いエージェントに登録をする
②自分の中で大切にしたい「キャリアの軸」を明確にする
③エージェントの担当者と面談して自分の市場価値を知る
④採用企業側のニーズを知る
⑤転職市場に強い「経験」と「実績」を積む
上記5つのステップを意識して普段の仕事に注力していけばOKです!
ちなみに、転職エージェントはJACリクルートメントが最もおすすめです!
私も利用中で、製薬MRの転職案件は外資・内資ともに強いです。
JACリクルートメントの担当者は優秀な方が多く、転職市場で有利な条件を引き出しやすい「実績」「スキル」などをアドバイスをもらえますよ。
すぐ転職予定がない人も登録OKなので、もしまだ未登録ならこちらの企業公式サイトからご確認ください。
転職準備に関してさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
③副業で収入基盤を強化する
製薬会社も副業を認める会社が増えてきました。(むしろ推奨する会社もある)
自分のスキルや経験を活かして副業に挑戦し、「収入源の分散化」を目指すことは確実に未来の備えになります。
しかも、副業は「失敗しても経験値が残る」という特典付きです。
私もMRをしながらブログ副業をスタートして2年以上が経過しています。
毎月10万円を副業で稼げるようになり、精神的にもかなり楽になりました。
しかも稼げる副業ってあるの?
もちろんありますよ!
MRがスキマ時間を使って月5万円の副業収入を稼げるジャンルを一覧表にしました。
私たちMRは「スキマ時間にできる副業と相性がよい点を考慮して選択するとよい」と私は考えています。
時給制の副業は確実に稼げる利点がある反面、収入の上限額は労働時間によって制限されるという特徴があります。
理由は「時給〇〇円」というように、時間あたりの収入額が固定されているからです。
一方で、成果報酬型の副業は確実に稼げる保証がない反面、収入の上限額は経験を重ねる度に増加していくという特徴があります。
理由は「成約単価」「契約単価」を中心とした出来高なので、ノウハウやコツを学ぶことで生産性が向上し、同じ作業時間でも収益性が格段にUPしていくからです。
今から私たちMRが副業を開始すると仮定して、「収入を得られるようになるまでの期間」と「稼げる金額の幅」をまとめてみました。
薬局(またはドラッグストア)は、すでに薬剤師免許を保有している方を前提として作成しています。
MRの場合、スキマ時間や休日の時間を捻出して副業でお金を稼ぐことに挑戦してみようとお考えの方が多いと思います。
「収入の得られやすさ」と「ポテンシャル」を理解した上で副業ジャンルの選択をすれば、ミスマッチを回避することにも役立ちますよ。
さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
製薬業界で活躍する読者さんからのコメント
製薬業界で活躍されているついTwitterのフォロワーさんからいただいた当記事に関連するコメントをご紹介します。
「どちらも大事なことは将来を見据えて弛まぬ努力をしているか?」なのかなぁと思ってます。
「できないを言い訳にせず、どうやったらできるか」そのために必要なスキルや人脈を常に作っておきたいものです!
コメントありがとうございます!
環境変化に対して受け身にならず、前向きに前進することが大切ですね。
まとめ
今後もMRとして生き残っていくために、「今後のMRの役割」と「未来への備え」をご紹介しました。
この記事の要約
●MR自体が消滅することはないが、求められる役割は変化していく。
●これからのMRは「潜在ニーズを引き出し、顧客同士をつなげ、データを根拠に課題を解決する」ことが求められる。
●会社から必要とされるには「いい意味で、目立つ行動を起こし続けている人」になる。
●転職市場に強い「経験」と「実績」を積む
●副業に挑戦して「収入源の分散化」によって未来の備えをする。
早めに行動している人は、自分が選択できる側の人生を歩み続けることができます。
自分が人生の主導権を握れるように、準備を進めていきましょう。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!
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