株式市場・仮想通貨市場が好調で「バブル」という言葉がメディアで出ていましたが、少しずつ市場が不安定になってきました。
ただ、全体としてはまだまだ底堅い動きをしています。
このような状況になってくると
このような意見が飛び交うようになってます。
賛否あるかと思いますが、私はキャッシュ(現預金)のメリット・デメリットを理解した上で、目先の好不調に惑わされずに一定のキャッシュポジションを保ちながら、投資を進めることが大事だと考えています。
市場が好調だからといって、「ガンガンいこうぜ」ではなく「いのちだいじに」の方針が好みというイメージです。
そこで今回の記事では、「現金」に対する考えについて、私見を交えながらご紹介したいと思います。
「生活防衛資金」+「投資待機資金」をキャッシュで保有し、あとは基本的に投資で国内外の株式や債券に分散投資する方針が良いと思います。
この記事はこんな方にオススメです。
投資におけるキャッシュ(現金)の役割とは?
生活を維持していくために現金は必須で、一定の現金があると平穏な気持ちで生活を過ごすことができますね。
何といっても現金の「流動性の高さ」は大きな魅力だと思います。
もう少し現金の役割を細分化していくと、主に以下の3つに大別できます。
①日々の生活に必要な資金
②確実に発生する未来の出費に必要な資金
③投資するための待機資金
①日々の生活に必要な資金
誰もがイメージしやすい「生活費」です。
この資金が尽きると個人レベルでは「破産」、企業であれば「倒産」になります。
もし投資が順調でも、生活費が底を尽きそうで苦しくなるのは本末転倒ですので、生活費を確保した上で無理のない投資計画を立てることが重要です。
②確実に発生する未来の出費に必要な資金
お子さんがいる家庭では「学費」、住宅を購入する方は「頭金」などがイメージしやすいと思います。
10年以上先であれば現金で保有し続ける意義は低いですが、来年~数年後に必要と分かっているのであれば、リスク資産に置くよりも現金で保有して確保する必要があると思います。
③投資するための待機資金
株式投資の場合であれば、市場の暴落や株価下落のタイミングで資金を投入する方法も1つの選択肢として有用です。
その際に、ある程度まとまった資金がなければ「いざ」という時に購入できませんので、待機資金を現金で残しておくことも必要です。
ただし、待機資金を保有しすぎると「市場に参加していない資金」が一定数残ることになり、運用していない期間が機会損失になることもありますので、バランス感覚も大事ですね。
投資をする上で知っておくべきキャッシュ(現金)のデメリット
前項でご紹介した重要な役割があるものの、現金にもデメリットは存在します。
キャッシュ(現金)のデメリット
①低金利⇒銀行預金では資産形成にならない
②インフレリスク⇒物価の上昇で実質的には現金の価値が目減りする
③為替の影響⇒
低金利
現金を保有している方の大部分は銀行預金だと思いますが、利息が微々たるものしかありませんので、複利で加速度的に増加を期待することは困難です。
仮に普通預金で計算すると、利率が良いとされる「あおぞら銀行bank支店」でさえも0.2%です。
参考までに、資本主義を紹介する際に用いられることがある「1ドル」が200年後に何ドルになっているかを資産別にみた図をご紹介します。
あくまで過去の米国での結果ですが、米ドルは減少し株式は60万ドルに成長していたという結果です。
日本で全く同様の数値にはなりませんが、今の現預金利率では現金と株式で差が生じるという事象については同様だと思います。
引用:『株式投資第4版』
②インフレリスク
日本銀行が掲げている2%のインフレ目標を達成した場合、モノの値段が上昇するため現金が実質的には目減りすることになります。
「インフレ」とは、モノやサービスの値段が全体的に連続して上がり続ける現象のことです。
例えば、2年前には1パック150円で買えた卵が、1年前には180円、今では200円に値上がりしたとします。
すると、現金150円でもう玉子が買えなくなり、お金の価値は貯めている間に目減りしたことになります。
日本は約30年「インフレ」とは程遠い状況が続いていますが、政府や日銀は2%の物価上昇を目安にしているので、普通預金利率0.2~0.001%の現状ではインフレに対応できないのです。
書籍「敗者のゲーム」では、インフレのダメージとして下図が紹介されています。
インフレ率(%) | 資産を半減させる年数(年) |
2 | 36 |
3 | 24 |
4 | 18 |
5 | 14 |
6 | 12 |
7 | 11 |
引用:敗者のゲーム(原著第6版)
資料の元データリンクはこちらです。(SMBC Retail Global Market View2020)
③為替の影響
為替レートが変動すると、物価にも影響を与えます。
物価が上昇すると、インフレと同様に現金が実質的に目減りすることになります。
例として、円安に振れた場合をご紹介します。
円の価値が下がり外貨の価値が上がるため、輸入食品の国内での販売価格は上昇します。
また、日本はエネルギーを輸入で賄っており、外貨建てで決済されていますので、原油価格が一定でも円安になれば、ガソリン価格は上昇する可能性があります。
●円高=円の価値が上がる
●円安=円の価値が下がる
例)1ドル=100円の場合、円高傾向「1ドル=110円」・円安傾向「1ドル=90円」
【キャッシュポジションの目安】年齢=現金比率という考え方
ここまでを踏まえ「生活費の半年分」+「投資待機資金」をキャッシュで保有し、あとは基本的に投資で国内外の株式や債券に分散投資する方針が良いと私は考えています。
現金比率と投資比率を考える際の有名な指標として「年齢=現金比率」という考え方があります。
年齢=現金比率
20歳=現金20%:投資80%
30歳=現金30%:投資70%
40歳=現金40%:投資60%
50歳=現金50%:投資50%
こんな感じで、年齢とともに現金比率を挙げていく考え方です。
収入の安定性や資産の大きさにもよりますが、年齢を重ねるに伴って現金比率を上げていく方法は私も賛成です。(現金を債券に置き換えることも選択肢としてあり)
70歳、80歳といった資産取り崩しの時期に株式100%で攻め続け、いざという時に市場暴落が発生して生活の先行きが不安になるじたいだけは避けましょう!
他には、書籍「お金の大学」では生活防衛資金の目安として以下の記載があります。
生活防衛資金
●会社員:生活費の約6ヶ月分
●フリーランス:生活費の約1年分
引用:「お金の大学」より
このような情報をベースに、ご自身の人生プランや生活に合わせて戦略を組み立ててみてはいかがでしょうか。
生活防衛資金の考え方を知りたい方はこちらで詳しくご紹介しています。
まとめ
今回は、現金の特徴と欠点から、資産形成を進める中でのキャッシュポジションに関してご紹介しました。
市場が好調で湧いている今こそ、基本に立ち返った冷静な投資戦略を立てることが大切だと思います。
「現金=オワコン」ではなく、各資産の役割を理解した上でバランスよく資産を形成していきましょう。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!
参考書籍はこちらです。
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