「人生100年時代」と言われるようになりました。
現在60歳の人の約4分の1が、 95 歳まで生きるという試算も出ているようです。
このように感じる方がおられると思いますが、人生設計を間違えてしまい、
という後悔をすることだけは避けたいですね。
昔は、
「早めに結婚→夫婦・子供・親と同居→戸建ての持ち家をローンで購入→老後の親の世話は子供がみる→自分が定年退職の時期にローンも完済→十分な退職金と国民年金で余生を過ごす」
こんなモデルが一般的でした。
しかし現在は、
「晩婚化→親と同居世帯減少→年功序列・終身雇用の崩壊→就労年齢引き上げ→退職金の減額→年金受給年齢引き上げ」
このように変化しています。
つまり、従来と同じ資産形成では余裕のある人生プランを送れない可能性が高まっているということです。
とは言っても、
このようなご意見が出てくると思います。
そこで今回は、人生設計に大事な資産形成を「現役期」「リタイア期前後」「高齢期」ごとに考えてみました!
市場ワーキンググループが作成した報告書(※)と、私の見解も交えながら考察しています。
(※)参考資料・引用元:金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」より
未来に備える資産形成を一緒に考えていきましょう!
【結論】
自身の人生設計プランを見直し、支出管理に加えて「長期・積立・分散」を意識した資産形成を早期から実施することが大切です。
●若いうちから貯蓄を始め、継続する
●会社や国の優遇制度を有効に活用する
●インデックスファンドで分散投資を行う
●年に1回、資産配分を見直す
●自分の投資方法を守り、市場の動きは気にしない
参考:投資の大原則より
基本的な考え方
高齢社会を生き抜くために大切な考え方をご紹介します。
ポイントは2つです。
①長寿化に伴い、資産寿命を延ばすこと
②自分自身の状況を「見える化」する
それぞれの項目ごとに見ていきましょう。
長寿化に伴い、資産寿命を延ばすこと
長寿化がさらに進むことを見越して、老後の生活を「公的年金以外」で賄う必要がある金額を考えてみましょう!
65歳以上の夫婦(無職)の場合、平均的な金融資産で収入は公的年金のみと仮定し、1,300~2,000万円が不足するという試算があります。
この1,300~2,000万円は、自分で準備する必要があるということです。
このように考えた方は、正解です!
現役世代の方はできるだけ早期に「長期・積立・分散」の投資を行いましょう!
理由は、20年以上の投資期間、全世界株などの分散された低コストのインデックスファンドへ投資をしていれば、年率計算でマイナスになる可能性は限りなく低くなるからです。

実際に、ワーキンググループの報告書には、以下の内容が記載されています。
それ(資産形成)を考え始めた時期が現役期であれば、後で述べる長期・積立・分散投資による資産形成の検討を。
リタイヤ期前後であれば、自身の就労状況の見込みや保有している金融資産や退職金などを踏まえて後の資産管理をどう行っていくかなど、生涯に亘る計画的な長期の資産形成・管理の重要性を認識することが重要である。
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」より
自分自身の状況を「見える化」する
金融庁の報告書には明確に「自助」の充実を行っていく必要がある、と記載されています。
つまり、
こういうメッセージだと私は思います。
そこで、まず最初に行うべきは「自身の現状と未来を把握すること」になります。
具体的には下記2点を行いましょう。
①ライフプランに伴う収支や資産の状況の見える化→家計管理作成
②希望する生活水準に対する自分の状況の見える化→人生設計プラン作成
家計管理に関しては、「マネーフォワードアプリ」が非常に便利で有用です。自分で細かく調整したい方はエクセルで管理も良いと思います。
エクセルでの家計管理方法に関して詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

人生のステージに応じた資産形成の心構え
年齢に応じて、「運用~守る~取り崩す」というステージに分けられます。
それぞれの時期に応じた心構えをご紹介します。
現役期
資産形成に最も重要な時期です。若ければ若いほど運用期間が長くなるので有利です!
できるだけ若いうちから「長期・積立・分散」投資をしましょう。
まずは「つみたてNISA」をはじめとする非課税制度をフル活用がオススメです。
「楽天証券」or「SBI証券」で口座を開設し、低コストな投資信託(eMaxis Slimシリーズなど)や海外ETF(VT、VTIなど)で運用していきましょう。
余裕がある方は、高配当株や不動産投資で定期的な収入(配当金・家賃収入)を得られる手段も並行して育成しておくと、将来の資金計画がより強固になると思います。
考え方のポイント
●長く生きる人が多いことを前提に、老後の生活も満足できるものとなるよう、早い時期からの資産形成の有効性を認識する。
●生活資金やいざというときに備えた資金については元本の保証されている預貯金等により確保しつつ、将来に向けて少額からでも長期・積立・分散投資による資産形成を行う。
●自らにふさわしいライフプラン・マネープランを検討する
●金融サービス提供者が顧客側の利益を重視しているかという観点から、長期的に取引できる提供者を選ぶ
リタイヤ期前後
金融資産の目減りの抑制や計画的な資産の取崩しに向けて行動する時期です。
債券をはじめとする低リスク資産の比率を上げ、リタイア後の取り崩し戦略をイメージした資産形成に移行する必要があります。
このように思った方向けに、書籍「投資の大原則」に記載されている年齢別資産配分計画をご紹介します。
参考にしながら、皆さんの人生プランと性格や好みに応じてアレンジしてみましょう。
【慎重な性格向け】
年齢層 | 株式比率 | 債券比率 |
20-30代 | 75-90% | 10-25% |
40-50代 | 65-75% | 25-35% |
60代 | 45-65% | 35-55% |
70代 | 35-50% | 50-65% |
80歳以上 | 20-40% | 60-80% |
【暴落リスクを許容できる性格向け】
年齢層 | 株式比率 | 債券比率 |
20-30代 | 100% | 0% |
40代 | 85-100% | 0-10% |
50代 | 75-85% | 15-25% |
60代 | 70-80% | 20-30% |
70代 | 40-60% | 40-60% |
80歳以上 | 30-50% | 50-70% |
引用:投資の大原則-人生を豊かにするためのヒント-
考え方のポイント
●退職金がある場合、早期の情報収集と使途の検討及び退職金を踏まえたライフプラン・マネープランを再検討する。
●必要に応じ、収支の改善策を実行する。
●長い人生を見据えた、中長期的な資産運用の継続(長期・積立・分散投資等)とその後の計画的な取崩しを実行する。
高齢期
資産の計画的な取崩しを実行するとともに、認知・判断能力の低下や喪
失に備えて行動する時期です。
公的年金と、これまで準備してきた「貯蓄・資産による利益(インカムゲイン・キャピタルゲイン)」を徐々に取り崩しながら、描いていた人生プランの生活を過ごしていくことになります。
インデックス投資でつみたてた分は、一気に取り崩しせずに「4%ルール」で取り崩す方法が有名です。
高配当株や不動産投資で得た収入(配当金・家賃)がある場合は再投資せずにそのまま生活費として使用してOKです。
4%ルール
●引退時の資産残高×4%を「定額」で取り崩し続ける方法
例)引退時資産3,000万円
1年目の取り崩し額:3,000万円×4%=120万円
以降、毎年同額(上記例では120万円)を取り崩す。
※取り崩していない分の資産はそのまま運用を継続する。
●毎年の資産残高×4%を「定率」で取り崩し続ける方法
例)もともとの資産残高3,000万円の場合
2022年の資産残高3,000万円×4%=120万円
2023年の資産残高○○万円×4%=△△万円
2024年の資産残高☆☆万円×4%=□□万円
※取り崩していない分の資産はそのまま運用を継続する。
引用:「お金の大学」より
「定額」の4%ルールはトリニティ大学からの研究結果から、35年後もこの方法であれば資産が高確率で残っている試算結果が示されています。
「定率」の4%ルールは、書籍「ウォール街のランダムウォーカー」で、株式・債券の年平均リターンとインフレ・暴落リスクを加味して試算された手法です。
考え方のポイント
●心身の衰えを見据えてマネープランを見直す(医療費、老人ホーム入居費等)
●認知・判断能力の低下や喪失に備え、取引関係の簡素化など心身の衰えに応じた対応をしやすくする。
●金融面の本人意思を明確にしておき、自ら行動できなくなったとしても、他者のサポートにより、これまでと同様の金融サービスを利用しやすくしておく。
まとめ
今回は「人生100年時代」を生き抜くための資産形成に関する考え方・心構えについて、行政の報告や書籍の情報をもとに私見を交えてご紹介しました。
自身の人生設計プランを見直し、支出管理に加えて「長期・積立・分散」を意識した資産形成を早期から実施することが大切です。
●若いうちから貯蓄を始め、継続する
●会社や国の優遇制度を有効に活用する
●インデックスファンドで分散投資を行う
●年に1回、資産配分を見直す
●自分の投資方法を守り、市場の動きは気にしない
この5つを意識して歩んでいきましょう。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!
今回ご紹介した書籍をご覧になりたい方は以下をご参考ください。
当ブログ記事から株式投資の具体的な方法を知りたい方は以下記事をご覧ください。
つみたてNISAについて詳しく知りたい方はこちらです。
投資戦略を初心者の方がどんな順番で進めていくかを検討した記事はこちらです。
高配当株投資はこちらです
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