この記事では、MRが仕事で使える心理学の知識を「事例」「活用例」も交えながら解説しています。
これまで、「第一印象」「仕草」「会話」「関係構築」「交渉」の5つのテーマで解説してきました。
今回はテーマには入りませんでしたが、知っておくと便利な知識を「おまけ」編としてご紹介します。
知識を活かして周りのMRと差をつけましょう!
①優勢な状況を味方につける
世間や周囲の多数が支持していることを判断材料にして「勝ち馬に乗る」流れを作ることです。
これをバンドワゴン効果と呼びます。
簡単に言うと「大多数に支持されている流れに自分も乗りたい!」という心理を活用する方法になります。
●「当店売り上げNo.1商品!」の看板を見て衝動買いをしてしまった。
●Twitterで流行しているワードを使って投稿してみた
一般的に、人は「大多数」に所属する方が居心地がよく、常識とかけ離れる存在であるほど孤立するため不安になる傾向が強くなるようです。
それでは、MRの観点で活用方法を考えていきましょう!
バンドワゴン効果の活用例
●採用率No.1製品であることを伝える
●シェアNo.1であることを伝える
●特定のカテゴリーの中で支持されている要素を伝える
最も効果を使いやすいのは「シェアNO.1」というキーワードです!
誰にでも納得していただきやすく説得力があるので、マーケットリーダーの商品・薬剤を扱う営業担当の方は是非活用していきましょう。
他に、トップシェアではなくても、特定のカテゴリーや直近のトレンド等で相手が納得する「支持されている理由」を伝えることができれば効果を狙うことも可能です。
②劣勢の状況を応援してもらう
不利な状況や劣勢な状況を敢えて活用し、同情による支援を増加させる方法です。
これをアンダードッグ効果と呼びます。
簡単に言うと、劣勢な状況を使って相手が「応援したくなる」心理状態を活用することです。
前項でご紹介した①の事例とは逆の心理状態ということになります。
●スポーツでは優勝から遠ざかっているチームを応援したくなる
●要領は決して良い分けではないが、不器用ながらも一生懸命努力している人を応援したくなる
劣勢な状況にある場合、敢えて苦労しているところや努力している姿を見せることで、相手は応援したくなる気持ちが増していきますよ!
それでは、MRの観点で活用方法を考えていきましょう!
アンダードック効果の活用例
●関係良好の顧客に対して自社の苦戦状況を伝える
●苦労している姿や努力姿勢を相手に伝える
何でもスマートにこなし続けることが常に最適ではないことをご理解いただけたでしょうか?
普段、仕事をスマートにこなす方も、状況に応じてこの知識を活用することで更に仕事の幅が広がるかもしれませんよ。
③目安を先に提示する
判断基準を先に提示することで、後の判断材料に影響を受けさせる方法です。
これをアンカリングと呼びます。
先に提示された情報が1つの基準として認識されることで(アンカー)、後の情報は先に提示された情報に対して比較するようになりやすくなります。
●スーパーで同じ価格の類似商品を比較する際に、値引き前の金額記載がある商品の方がお得に感じて購入した
●相手が待ち合わせ時刻に遅れる際、事前に1時間遅れると連絡をくれていて30分遅刻の時間に到着すると、早く来てくれたと思った
どのような事前情報をインプットしているかで、物事の捉え方は変化します。事前情報の伝え方を重視しましょう!
悪用しようとすると、どこかで代償が発生しますので決して行わないようにしましょう。
それでは、MRの観点で活用方法を考えていきましょう!
アンカリングの活用例
●比較対象情報を事前に伝えた上で自社製品情報を伝える
●業界の基準を伝えた上で自社の対応を伝える
比較は製薬会社のルールが厳しくなってきていますが、エビデンスベースの許容される情報を使用しましょう。
また、業界ルールを逸脱する過大な要求を受けた時は、断るだけではなくて事前に業界基準や規定を説明した上で断るだけで受け手の印象は改善しますよ。
まとめ
今回は、これまでのシリーズに入って来なかったものの、社内・社外で使える心理学の知識を3つご紹介しました。
3つとも、少しの伝え方や見せ方で相手の受け止め方が大きく異なるノウハウになりますので、ぜひ試していただければと思います。
そして、読者の皆様にどこかの場面でこの記事が役に立てれば嬉しいです!
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!
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