この記事を公開した日は2月13日(ニーサの日)ということで、改めてNISA制度の総まとめとして、大事な情報を中心に情報を整理してみましょう。
投資での利益に対しては、通常20.315%が課税されますが、NISAの枠内であれば非課税となるため是非利用すべき制度ですよ。
今回はこんな方にオススメです。
NISA制度のおさらい
NISA(ニーサ)は2014年1月にスタートした、個人投資家のための税制優遇制度です。(非課税制度)
上場株式・株式投資信託等の配当・譲渡で得た利益は、通常なら20.315%の課税対象となりますが、NISAの非課税投資枠内で発生した利益は非課税対象となる素晴らしい制度です。
現行制度では、NISAは以下の3つがあります。
NISA制度
●一般NISA(20歳以上対象)
●つみたてNISA(20歳以上対象)
●ジュニアNISA(20歳未満対象)
それぞれの制度について、ポイントを振り返っていきましょう!
NISA制度は活用するべき?
投資をするなら絶対に利用すべき制度だと私は思います。
3つのNISA制度は、投資目的に応じて使い分けると良いです。
参考までに、オススメ対象をご紹介します。
オススメのNISA利用目的
●一般NISA→「個別株を運用したい」or「出口までの期間が短い(10年未満)」という方
●つみたてNISA→年齢が出口まで(リタイア)10年以上余裕があり、15年以上の長期投資を前提にしている方
●ジュニアNISA→「子供の教育資金の足しにしたい」or「将来、子供へ資産のプレゼントをしたい」という方
投資上級者の方以外は、基本的につみたてNISA+ジュニアNISAから開始しておけば良いと思います。(詳細な違いは後述します。)
つみたてNISA・ジュニアNISAで運用する際の大事なポイントを7つ挙げます。
つみたてNISA・ジュニアNISAの運用ポイント
①オススメ証券口座は楽天証券(ポイント還元率)
②手数料が安い商品を選ぶ
③長期的(20年)に右肩上がりの可能性がある商品を選ぶ
④リスク分散された商品を選ぶ
⑤手数料や指数の同じ商品であれば、ファンドの運用額が大きいものを選ぶ
⑥積立方法に迷ったらドルコスト平均法で毎月積立が無難(月33,333円)
⑦購入設定を行って入金した後は、短期の値動きを見ない
上記を満たす方法で積立購入して設定完了すれば、あとは15~20年後に利益が出ればOKなので、短期の値動きは気にせず放置しておきましょう。(投資余力の残高不足にはご注意ください。)
一般NISA・つみたてNISA
20歳以上が対象となる「一般NISA」と「つみたてNISA」についてご紹介します。
「一般NISA」と「つみたてNISA」の違い
「一般NISA」と「つみたてNISA」を併用することはできません。
もし1年の中でどちらか一方の非課税枠を少しでも利用した場合は、非課税投資額に余剰があっても乗り換え不可となります。(翌年から変更可能)
一般NISA | つみたてNISA | |
年齢 | 20歳以上 | 20歳以上 |
投資上限額 | ~2023年:年間120万円 2024年~:年間122万円 | 年間40万円 |
非課税期間 | 5年間 | 20年間 |
非課税投資額 | 最大600~610万円 | 最大800万円 |
口座開設可能期間 (2024年新NISA制度) | 2028年 | 2042年 |
新NISA制度
2024年の新NISA制度開始に伴い、一般NISAは2階建てのシステムに変更となります。
1階:年間投資上限額20万円(投資信託等が対象)
2階:年間投資上限額102万円(上場株・投資信託など)
原則、1階を利用しなければ2階の非課税枠は利用できない。
ちなみに、一般NISAの非課税期間は通常5年間ですが、保有している有価証券を翌年のNISA枠に移し、非課税期間を最大10年まで延長する「ロールオーバー」という方法も選択肢としては可能です。(つみたてNISAにはありません)
ロールオーバー可能な金額に上限はなく、時価が120万円を超過している場合も、そのすべてを翌年の非課税投資枠に移すことができます。
高配当株投資でのNISAはお得か?
特定口座と比較した場合、配当に対して非課税になりますので、お得です。
ただし、NISAは確定申告できないので米国高配当株投資を行った場合、外国税の10%は税金がかかりますので、注意しましょう。
【国内高配当株のNISA活用】
●NISA→20%の税率が非課税
●特定口座→20%課税対象
【外国高配当株のNISA活用】
●特定口座→10%の課税対象(外国税)
●NISA→20%の課税対象(外国税額控除をしないと30%)
配当金を再投資したい方は、効率性の面では投資信託がオススメです!
投資信託の場合、NISA上限枠いっぱいに購入していた場合でも分配金は自動再投資されるため枠内で運用可能です。
対して、個別株の場合は配当金が自動再投資されないため、再投資する場合は金額分のNISA枠を消費することになります。
「一般NISA」と「つみたてNISA」の利用状況
●口座比率「一般NISA82%:つみたてNISA18%」
●つみたてNISAが増加し、一般NISAが減少トレンド
●つみたてNISA増加の牽引役は20代・30代
私見:口座開設している20代~30代の若年層は、長期投資メリットを活かしやすい「つみたてNISA」を選択する傾向。若年層は、NISA等を活用しながら資産運用しているグループと資産運用を全くしていないグループで将来の生活に格差が生じるかもしれません。
2020年9月時点の比率は「一般NISA82%:つみたてNISA18%」と一般NISAが圧倒的多数を占めていますが、伸長率ではつみたてNISAが右肩上がりに増加しています。
一般NISAは2014年1月開始、つみたてNISAは2018年1月開始という背景から、両方の揃う2018年3月~2020年9月の推移を抽出しています。↓
世代別の内訳です。
「一般NISA」は年齢層が高い世代ほどを利用し、「つみたてNISA」は20代・30代が最も伸長しています。
また、世代別の「つみたてNISA口座開設数」では30代が約74万口座でトップでした。↓
ジュニアNISA
子供名義で運用するNISAです。お子さんの「長期的な将来資金」「学費(幼少の場合18歳前後の学費に合わせて15年の運用期間をとれる)」を目的としてメリットが大きい制度です。
日本国内に居住する未成年者であれば口座開設可能(親が代理開設OK)ですが、2024年に制度廃止が決定しているので実施を検討している方は早めに動き出した方が良いと思います。
制度廃止と聞いてこのように思った方がおられませんか?
実は、ジュニアNISAに関しては「制度廃止が決定したことで、利用する価値が高まった」珍しい制度です。苦笑
ジュニアNISAの概要
ジュニアNISA
【目的】ご両親などが子供名義で運用し、教育資金等として利用することを想定し、非課税で運用できる制度
【払い出し規定】口座名義人である子供が、その年の3月31日に時点で18歳を満たしている年の前年12月31日までは原則として払い出すことができない。
この制度でネックだったのが、18歳までの払い出し制限による資金拘束でした。
しかし、2024年に制度が廃止されることで18歳を待たずして払い出しすることができるようになったことで、開始するメリットが発生しました。
ジュニアNISAの概要は以下の通りです。
ジュニアNISA | |
年齢 | 0~19歳まで |
投資上限額 | 年間80万円(2023年まで) |
非課税期間 | 5年間 |
非課税投資額 | 最大240万円(2021年開始の場合) |
5年の非課税期間経過後はどうなる?
保有している商品が5年を超える場合、手続きを行えば6年目のジュニアNISA口座買付可能枠を使用して商品を移し換える(ロールオーバー)ことが可能です。
※ロールオーバーとは?:非課税期間が終了した金融商品を翌年の非課税投資枠に移行(移管)すること
制度廃止後の資産はどうなる?
2023年の制度終了時点でお子さんが20歳になっていない場合、2024年以降の各年において非課税期間(5年間)の終了した金融商品を「継続管理勘定」に移管(ロールオーバー)することができます。
※「継続管理勘定」とは、ロールオーバー(非課税期間延長)専用の非課税枠です。
●継続管理勘定では売却は可能ですが、新規買付は不可です。
●配当金・分配金・売却代金等は、18歳まで*「払出し制限付き課税口座」で管理されます。
子供が20歳になったらどうなるの?
自動的にNISA口座が開設され、一般NISAに移行します。
保有資産は、一般NISAの中で非課税期間を延長(ロールオーバー)することができます。
ちなみに、一般口座や特定口座に移管させることも可能です。
ジュニアNISAの口座開設数は?
42.1万口座が開設されており、半年間で約6.2万口座が新規開設されています。
制度廃止が決定したのち、開始直後に次ぐ口座伸長をみせたのは面白いなと感じています。
運用する商品の判断基準
インデックス投資信託で「全世界」or「米国」を対象にした商品が良いと私は考えています。
理由は、「信託報酬手数料の安さ」「分配金の自動再投資」「毎月積立設定可能」「過去の運用成績」「将来の期待値」で判断した際に、総合力で優れていると感じているからです。
全世界派と米国派は賛否両論ですが、ご自身が将来「どちらが成長するか?」を信じることができる方を選択すると良いと思います。
【全世界株】
●eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
●楽天・全世界株式インデックス・ファンド
【米国株】
●eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
●楽天・全米株式インデックス・ファンド
※あくまで私見であり、上記銘柄への投資を推奨するものではありません。元本割れのリスクがありますので、自己責任でお願い致します。
証券口座のオススメは?
SBI証券か楽天証券がオススメです。
●つみたてNISAを利用したい方は、楽天証券でカード支払い設定をすることで楽天ポイントをGETできるのでお得です。
●ジュニアNISAでVTなどの海外ETFを購入したい場合は、SBI証券にしましょう!(楽天証券ではジュニアNISAで海外ETF購入できません。)
(2021年2月時点)
まとめ
本日はNISA制度に関してご紹介しました。
投資をこれから始める方は、まず「つみたてNISA」を実施しましょう!
家計見直しや資産運用をこれから考えていきたい方は、こちらの書籍がオススメですよ。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!
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