株式投資でインデックスファンドを軸に長期投資をスタートする方が増えてきました。
現時点では時価総額加重平均インデックスへの投資は、多くの人にとって最適解となりうる成績を示していますので、今後もこの傾向は続きそうですね。
投資を始めてからしばらくすると、こんな気持ちになってくる方がおられるのではないでしょうか?
インデックス投資は簡単な投資に見えて、我慢し続けることが意外と難しい手法でもあります。
そこで今回は、インデックス投資家が注意すべき3つの行動と対処方法を解説します。
【インデックス投資失敗例①】短期的な利益を狙う
インデックスファンドで長期的に年率4%前後のリターンを得る計画を立てたにも関わらず、欲が出てきていませんか?
ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析など、理論を学んだ人だけでなくプロのファンドマネージャーでも短期的に利益を出し続けることは難しい中、気まぐれで短期的な利益を狙っても多くのケースで失敗に終わります。
投資期間が短くなるほど、いくら投資商品が良くても市場環境などコントロールできない要因で変動しますので、投機性が高くなることを認識しておきましょう。
「短期で利益を得る可能性がある=短期で損失を被る可能性もある」ということを忘れないことが大事だと思います。
【インデックス投資失敗例②】短期的な市場の変動を予測する
インデックス投資をしている方は、15年以上の長期的視点で指数が右肩上がりに伸長することを期待して投資しています。
つまり、短期的な市場の上げ下げは気にせずに淡々と運用していく方針でスタートしていると思います。
ところが、次第にこんな感覚が出てきます。
近年の好調な株式市場を経験すると、一時的に下がるのを待って少しでもお得に株を手にしたい気持ちはとてもよくわかります。
ただ、インデックス投資はタイミングを図る投資手法ではないことを念頭に置き、上がっても下がっても機械的に継続しておくことを再認識しておきましょう。
私たち個人投資家が知り得る情報は、プロの投資家には既に知れ渡っているだけでなく、株価にも織り込み済みであると考えるのが妥当です。
さらに、投資の名著である「敗者のゲーム」では、株価水準は平均へ回帰する力が働くので、市場は上下に変動するだろうという以上の予測が難しく、数ヵ月先の株価水準を正確に予想すること自体が無意味と言及されています。
15年以上先の長期視点で4%前後のリターンを得るためにインデックス投資をスタートした原点を思い出し、タイミングを図ることなくコツコツと継続していきましょう。
【インデックス投資失敗例③】怪しい投資商品に手を出す
投資を始めるとTwitterのダイレクトメッセージやYouTubeの広告で「利益保証!」「年率20%!」「勝てる方法を伝授!」など宣伝を目にしたご経験があるのではないでしょうか?
この手の勧誘には興味を示さないようにしましょう。
基本的に利益が保証されている投資はないと考えておけばOKです。
また、年率で10%以上のリターンが得られる投資案件は「かなりリスクが高い商品」or「詐欺」のほぼ2択と思っておけばちょうどよいと思います。
様々な手法で勧誘や詐欺が横行しているので、くれぐれも大事な資産を失わないようにご注意くださいね。
インデックス投資が退屈に感じてリスクを取りたい人の選択肢
このように感じる方の気持ちはとてもよく分かります。
「修行僧のようにじっと我慢を続けなさい」とお伝えするだけなのも酷なので、1つの例をご紹介します。
その方法は「今よりも少しだけ尖ったファンドへの積立投資を開始してみる」ということです。
こう思われたかもしれません。
投資地域・銘柄数・指数などで今保有しているファンドよりも少しリスクのあるもの=尖るというイメージです。
【例】
●バランス型ファンドのみ投資している方⇒全世界株もしくは米国株(S&P500連動)のインデックスファンドにサブで投資
●全世界株のみ投資している方⇒米国株(S&P500連動やNASDAQ100連動)のインデックスファンドにサブで投資
●先進国株のみ投資している方⇒米国株(S&P500連動やNASDAQ100連動)のインデックスファンドにサブで投資
●米国株(S&P500)のみ投資している方⇒NASDAQ100連動ファンドや新興国ファンドにサブで投資
各カテゴリーのおすすめインデックスファンドはこちらの記事でご確認ください。
最初に自分が決定した資産比率のバランスが変化するので注意しましょう。
あくまで我慢できない時のために、今までと異なる無謀なハイリスク投資で損失を出すよりは良さそうな手段を列挙してみました。
こう思った方向けに、NASDAQ100に連動するインデックスファンドをご紹介します。
参考)NASDAQ100ファンドとは?
こう思った方がおられるかもしれませんので補足でご紹介します。
NASDAQ100とは?
米国NASDAQ(ナスダック)という市場の中から代表的な企業100社の株式で構成される株価指数です。
業種は情報技術系を中心に構成されているため、近年のトレンドを掴んでいると言われています。
NADDAQ100の代表的なファンドで組入れ上位銘柄をチェックしてみましょう。
参考までにS&P500のファンドも最後に記載しておきます。
●QQQの組入れ上位銘柄(ETF)
●iFree Next NASDAQ100の組入れ上位銘柄 (投資信託)
●eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) の組入れ上位銘柄 (投資信託)
このように、GAFAMへの比率などが大きく異なる点が特徴的ですね。
では、過去の株価指数の推移を確認してみましょう。
このように、NASDAQ100の強さはこの10年で特に顕著でした。
これを見て「買ってみようかな」と思った方は一旦冷静になっていただいて、この成績はあくまで過去の成績であることを再認識しましょう。
NASDAQ100は攻めの投資先であることから、米国株投資を検討する場合にコアはS&P500にして、サブでNASDAQ100を入れるかどうかを考えるイメージを私は考えています。
この辺は好みに分かれるところかと思います。
NASDAQ100のファンドは、S&P500や全世界株ファンドと比較すると手数料の高いものが多いので、コスト面に注意しましょう。
まとめ
今回は、インデックス投資家が誘惑されやすい3つのNG行動についてご紹介しました。
●短期的に利益が得られそうな投資商品を購入しない
●短期的な市場は予測しない
●怪しい投資商品には手を出さない
誘惑が多いと思いますが、インデックス投資のリターンは「我慢した見返り」だと思って、目先の情報に振り回されずに自分が描いた航路を守って進み続けていきましょう。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました!
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