この記事では、MRが仕事で使える心理学の知識を「事例」「活用例」も交えながら解説しています。
今回は会話中の「相手の仕草」で本音を把握することに活用できる心理学の知識をご紹介します。
仕草は相手の本音を示す大きなヒントになります!
言葉では「いいね」と言っていても心の中では「よくない」と思っていることはよくありますが、そのような本音は無意識に仕草として出ることがあります。
心理学では、言語以外でコミュニケーションをとることをノンバーバルコミュニケーションと呼ばれています。
ちなみに「仕草」は仕事以外の場面でも活用できる知識ですが、家族やパートナーには仕草ではなく「言葉」を信じてあげるようにしましょう。笑
①相手の目線
目線は、相手の考えていることを察知することができます。
特に、嘘を言っているかどうかを判断することも可能です。
「目は口程に物を言う」という言葉も有名ですね!
相手の目線でわかること
●話し手が視線を左上に向けている
記憶を「思い出している」合図です。
●話し手が視線を右上に向けている
考えだそうとしている合図です。
●ずっと相手が視線をそらさず見てくる
警戒心を持たれている合図です。
●相手の視線が全くこちらを見ない
関心がないor否定的な感情を持たれている合図です。
目線で相手が嘘をついているかどうかを見極めるコツとして、右上か左上のどちらを見ながら話しているかに注目してみましょう。
約束していたことを実行してくれたか確認した時に、相手が右上を見ながら「忘れていた」と説明した時は嘘の可能性があります。
なぜなら、覚えていたにも関わらず説明する理由を考えた上で敢えて「忘れていた」と発言している可能性があるからです。
また、MRは説明会や社内プレゼンで発表する機会が多いと思いますが、その時も実は目線は大事です。
説得力を持たせたいなら、発表しながら1人ずつ目線を合わせながらプレゼンをすることで、相手への伝わり方がUPします。
②相手の口元
口元に関連した仕草は、現在の心理状態を示す傾向にあります。
無意識に出る行動になりますが、思い当たる方もいるのではないでしょうか。
相手の口元
●口を固く閉じたまま動かさない
否定的な心理を示す合図です。
●唇を舐める
不安や緊張の心理状態を示す合図です。
●唇を手で触る
緊張している心理状態を示す合図です。
●舌を出す
拒絶の心理状態を示す合図です。
特に、緊張しているときに口元を手で触る仕草は自分も周りにも心当たりがあると思います。
また、仲間が唇を手で触る仕草など不安を示す動作をしている時は、優しく声をかけてあげましょう。
③相手の手・腕
手や腕の動作は、その人の心理状態を表します。
特に腕組みの合図は、私も会話中の判断材料としてよく見ています。
相手の手・腕の動作
●腕組み
拒否、否定、隠し事の心理状態を示す合図
●指で机をトントンとする、机の物を触る
話を拒絶、終了して欲しい心理状態を示す合図
●鼻の下を手で触る
疑いの心理状態を示す合図
●手で髪を触る
不安、不満、緊張を落ち着かせようとしている合図
●手で顎を触る
同意、感心の心理状態を示す合図
腕組みに関しては、姿勢とセットで認識すると、より精度が上がります。
●腕組み+上体をそらす=権威を示したい心理状態
●腕組み+背中を丸める=不安な心理状態
●腕組み+満員電車=パーソナルスペースを確保したい心理状態
他にも、単純に考え事をしている時にも腕組みをすることはあります。
また、権威を示すときに腕組みをするのは男性に多い傾向にあるようです。
④相手の脚
脳から最も遠い足は無意識に本心を表しやすいとも言われています。
自分で考えても、表情は意識して出ないようにすることもありますが、足先まで注意したことは少ないと思います。
相手の脚の動作
●立ち話中に相手のつま先が別の方向を向いている
早くこの場から離れたい心理状態を示す合図
●脚を固く閉じて座る
緊張の心理状態を示す合図
●脚を大きく広げて座る
不安、自分の縄張りを確保したい心理状態を示す合図
●足を投げ出しで座る
退屈、見下したい心理状態を示す合図
●膝に片足をのせて座る
自己顕示欲が高い心理状態を示す合図
●貧乏ゆすり
不快感、不安感の強い心理状態を示す合図
病院担当のMRは医師と立ち話をする機会が多いですが、悲しいことに少し話をすると片足のつま先が医局の扉を向いていることは何度もあります。
その時は、どれだけ話をしても相手は右から左に流れていくだけなので、早めに切り上げる方がよいかもしれません。
貧乏ゆすりも同様に早く切り上げた方がよいサインになりますが、たまに無意識の癖でなっているだけという方もいます。
⑤相手の姿勢
姿勢・体制は地位と関連性があるとされています。
極端な例ですが、偉い役職の人は椅子にふんぞり返ることがあっても、新入社員で椅子にふんぞり返って座ることはないというイメージです。
姿勢
●背もたれに寄りかかり顎を上げて座る
相手を見下している心理状態を示す
●頭を傾けて首を見せる仕草をする
信頼している心理状態を示す
●首を隠し、頭を前傾にする
警戒、防御の心理状態を示す
●顎を引いて相手を見る
否定的な心理状態を示す
基本的にMRは前傾姿勢で面談することが多いと思いますが、社内で評価され始め、後輩たちの前で油断した姿勢をしていると心理を見抜かれてしまいますので、誰にでも真摯に対応する方がいいですね。
まとめ
今回は心理学の視点から、相手の仕草を察知できる心理状態を解説しました。
特に、交渉や提案をする際に、相手の腕組みや手の動きを観察しておくと、押すのか引くのかの判断材料にもなるので非常に便利です。
私も実際に、ある提案を上司にした時に「とてもいい案だと思うよ」と言いながら腕組みをされたことがあり、このままだと保留にされると察知して「気になる点をしいてあげるならどんなところですか?」と方向転換しながら上司の要望を聞いたことで了承された経験があります。
口では良いと言っていても本音は違うことは多々ありますので、ぜひ活用してください。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!
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