NISA制度の中では不人気なポジションのジュニアNISAでしたが、2020年3月に廃止決定で、大きな話題になりました。
ジュニアNISAは、2024年に制度廃止が決定したことで利用価値が高まったという珍しさもあってかネットを中心に情報が拡散した結果、口座開設数が増加しています。
そこで今回は、制度を有効に活用できるために「制度の疑問点」を中心に解説していきます。
先に結論を申し上げると、「ジュニアNISAは活用した方が良い」と私は考えています。
少しでもこの記事を通じて将来の資産形成に貢献できれば嬉しいです。
この記事はこんな方にオススメです。
ジュニアNISAとは?
両親が、子供名義で非課税で運用できる制度です。
利用価値が高く、特に幼少のお子さんがいる場合は投資期間を長くとれるので学費を準備する目的でもメリットがありますね。
日本国内に居住する未成年者であれば口座開設可能(親が代理開設OK)です。
ジュニアNISAの制度
【目的】ご両親などが子供名義で運用し、教育資金等として利用することを想定し、非課税で運用できる制度
【払い出し規定】口座名義人である子供が、その年の3月31日に時点で18歳を満たしている年の前年12月31日までは原則として払い出すことができない。
この制度でネックだったのが、18歳まで払い出し制限があり資金拘束されるという点です。
しかし、2024年に制度が廃止されることが決定しており、18歳を待たずして払い出しすることができるようになりました。
つまり、制度廃止が決定したことでデメリットが解消され、実施するメリットが発生しました。
制度廃止の決定後、開設数は増えた?
制度廃止によってメリットが発生したということで、
このように思われた方がいるのではないでしょうか。
実際の口座開設数をまとめてみました。
その結果、制度廃止決定から約半年間で約6.2万口座が新規開設され、制度開始直後に次ぐ伸長をみせました。
ジュニアNISAとつみたてNISAの違いは何?
つみたてNISAとの違いが気になる方向けに、概要をまとめてみました。
ジュニアNISAは、年間上限額80万円、非課税期間5年間となります。
ジュニアNISA | つみたてNISA | |
年齢 | 19歳まで | 20歳以上 |
投資上限額 | 年間80万円(2023年) | 年間40万円 |
非課税期間 | 5年間 | 20年間 |
非課税投資額 | 最大320万円(2020年開始の場合) | 最大800万円 |
5年の非課税期間経過後はどうなる?
保有している商品が5年を超える場合、手続きを行えば6年目のジュニアNISA口座買付可能枠を使用して商品を移し換える(ロールオーバー)ことが可能です。
※ロールオーバーとは?:非課税期間が終了した金融商品を翌年の非課税投資枠に移行(移管)すること
ロールオーバーのポイントは下記の3つです。
- 更に5年間、非課税で運用することが可能です。
- 非課税期間満了時(年末)の時価で翌年NISA口座枠を使用し、ロールオーバーします。翌年のNISA口座枠(上限80万円)のうちロールオーバーで使用しなかった分だけ、新規で買付をすることが可能です。
- 保有商品の非課税期間満了時(年末)の時価合計が80万円を超える場合も、すべてロールオーバーすることができます。
引用:楽天証券ホームページより
5年を経過する時期になると、証券会社から「ロールオーバーの有無」について連絡が届きます。
ジュニアNISAでは、忘れずにロールオーバーを行う手続きを行いましょう。
制度廃止後の資産はどうなる?
2023年の制度終了時点でお子さんが20歳になっていない場合、2024年以降の各年において非課税期間(5年間)の終了した金融商品を「継続管理勘定」に移管(ロールオーバー)することができます。
※「継続管理勘定」とは、ロールオーバー(非課税期間延長)専用の非課税枠です。
●継続管理勘定では売却は可能ですが、新規買付は不可です。
●配当金・分配金・売却代金等は、18歳まで*「払出し制限付き課税口座」で管理されます。
子供が20歳になったらどうなるの?
自動的にNISA口座が開設され、一般NISAに移行します。
保有資産は、一般NISAの中で非課税期間を延長(ロールオーバー)することができます。
ちなみに、一般口座や特定口座に移管させることも可能です。
ジュニアNISAにオススメの投資商品は何?
「ジュニアNISA」で投資効率を最大化するには「投資信託」との組み合わせが理論上は効率的で良いと私は考えています。
選択の目安としては、低コストのインデックスファンドが良いのではないでしょうか。
私は「eMaxis slim全世界株」を購入しています。
理由は、50%弱は米国ですが比較的国際的に広く分散されているので、100点の運用成績にはならないかもしれませんが、0点にもなる可能性は少ないだろうと判断して決定しています。
全世界を信じるか?米国を信じるか?日本を信じるか?新興国を信じるか?など、正解は誰にもわかりませんが、最後はご自身の感覚で信頼できる投資先と巡り合うことが大切です。
投資信託のファンドに関して詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
購入方法は一括or分割のどっちがいい?
私は年始に一括80万円を投入するタイプです。
理由は、投資効率を最大化したいと考えているからです。
ただし、リスク許容度や好みの問題でもありますので、不安であれば毎月約66,000円をドルコスト平均法で分割購入もありだと思いますよ。
積立購入と一括購入の違いに関して、詳細を知りたい方は以下記事をご覧ください。
証券口座のオススメは?
SBI証券か楽天証券のどちらでも好みでOKだと思います。
参考までに、それぞれの系列銀行の口座開設基準を記載します。
●住信SBIネット銀行:満15歳以上であれば口座開設可能
●楽天銀行:年齢制限なく開設可能(0歳~12歳以下は親権者が代理手続き可能)
ジュニアNISAでVTなどの海外ETFを購入したい場合は、SBI証券にしましょう!
楽天証券ではジュニアNISAで購入できません。
(2021年1月時点)
まとめ
ジュニアNISAは利用価値の高い非課税制度になります。
お子さんの将来のためにも、積立可能期間はあとわずかですが、是非有効に活用していきましょう!
家計見直しや資産運用をこれから考えていきたい方は、こちらの書籍がオススメですよ。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!
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