投資を行う際に、「とりあえずドルコスト平均法をしておけば何でも大丈夫」と考えていませんか?
多くの人にとってリスクを低減させてくれる良い手法ではありますが、欠点も存在しますので仕組みを理解しておくことは大切だと思います。
ドルコスト平均法と一括投資の2種類が資産運用で用いられる代表的手法です。
この記事では、両者の利点と欠点を整理してみたいと思います。
こんな方にオススメです。
ドルコスト平均法とは?
ドルコスト平均法は、「時間の分散」をすることでリスクに備える投資方法です。
長期投資でコツコツとインデックス投資をしていきたい方には最適解と言えるのではないでしょうか。
投資をしていると、経済や市場の動向によって「高い価格で投資を行う時期」と「低い価格で投資を行う時期」が生じることになります。
毎月決まった金額を購入することにより、基準価額が安い時は購入口数が多く、反対に基準価額が高い時は購入口数が少なくなります。
長期的に投資する場合、一定量ずつ買い付けた時に比べて平均コストを低く抑えられる効果が期待できます。
このように「時間の分散」を活用することで、長い目で見ると一回あたりの投資価格は平準化されていきますので、短期的に急な値下がりが生じてもそれによって生じる損失の程度を軽減することが可能になります。
こんな疑問があると思いますので、メリットとデメリットをそれぞれご紹介しますね。
ドルコスト平均法のメリット
ドルコスト平均法のメリットは以下の3点です。
メリット
①リスク軽減が期待できる
時間を分散させることで、利益・損失の変動性(リスクの大きさ)を狭めてくれます。
対象の投資商品を一定期間に一定金額を継続して購入することで購入単価を平準化します。
②手間が少ない
購入タイミングを計る必要がないのでラクです。
最初に購入額や購入日を設定しておけば、機械的に購入していくだけでOKです。
③少額から開始できる
投資の元手が多くない方でも、少額をコツコツ積立運用することができます。
ドルコスト平均法のデメリット
ドルコスト平均法のデメリットは以下の2点です。
デメリット
①機会損失の懸念がある
理論上、投資効率の観点では一括投資に劣りますので、機会損失の懸念はあります。
投資で利益を得るには、市場に参加している期間が長く、金額も多い方が良いです。
もし手元に投資用資金が多く残っている場合、ドルコスト平均法で待機資金となる期間分が一括投資と比較して「機会損失」となります。
(一括投資のリスクは後述します。)
②タイミングを図る必要のある商品には向かない
高配当株や高配当ETFは「配当金」が目的です。
このような商品に対してドルコスト平均法で積立すると、仮に株価が上昇している時も購入することになるため、平均取得単価が平準化されてしまい「高配当」ではなくなる可能性がありますので、不向きとなります。
一括投資とは?
一括投資は、ドルコスト平均法に比べるとリスク・リターンの幅が出る投資方法です。
投資資金100万円があったと仮定して、ドルコスト平均法は100万円を月10万円ずつ10ヵ月間に分けて投資することに対して、最初の1か月目に100万円投資するのが一括投資のイメージです。
こんな不安をお持ちかもしれません。
確かに一括投資をすることで暴落時には資産額の目減りは大きいですが、メリットもあります。
ドルコスト平均法が必ず万能という訳ではありませんので、ぜひ一括投資の特徴も押さえておきましょう!
一括投資のメリット
一括投資のメリットは以下の2点です。
メリット
①投資資金を時間の無駄なく運用できる
一括投資の場合、投資待機資金としてお金を寝かせている期間がドルコスト平均法よりも短くなります。
このような点から効率的であると考えられます。
②リターンが大きくなる可能性がある
最終的にプラスになると想定される投資商品であれば、最初に資金を多く投入した方が運用額が増えて運用期間も長くなる、ドルコスト平均法と比較してリターンが増える機会を逃すことなく運用できます。
例えば、株式投資で50%の一時的な値上がりが発生したとします。一括投資で2000万円を最初に運用していた場合、3000万円に増加しますが、ドルコスト平均法で毎月少額積立していると運用に回していない待機資金(現金)はリターンを生みません。
※その分リスクも大きくなります。
一括投資のデメリット
一括投資のデメリットは以下の2点です。
チェックポイント
①リスクが大きくなる
最初に大きな資金を投入することで、その後の価格変動に対する影響を大きく受けることになります。
先ほどのリターンとは逆で、株式投資では50%の一時的な株価下落が起こります。
一括投資で2,000万円を某商品に投資した場合、偶然○○ショックで価格が50%になると1,000万円に資産価値は減少します。
ドルコスト平均法であれば、良い時も悪い時も一定して積み立てているのでマイナス幅もマイルドになり、一括投資ほどの損失は発生しにくいと考えられます。
②投資経験が浅い方には向かない
一時的な資産の目減りに耐えられない方の場合、一括投資を行ったことで不安になり狼狽売りしてしまう可能性があります。
市場に長くいることが重要になるため、投資経験が浅い方は徐々に慣れていく目的でドルコスト平均法から始めた方が良いかもしれません。
筆者の方法
私はどのように使っているかをご紹介します。
※特定の方法を推奨や利益を保証するものではありません。考え方は人それぞれなので、最終的な投資判断は自己責任でお願いします。
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●つみたてNISA(SBI証券)⇒インデックスファンドを1月にボーナス支払い+毎月最低額の積立設定
●ジュニアNISA⇒インデックスファンドを1月に一括投資
●特定口座(楽天証券)⇒インデックスファンドをドルコスト平均法で楽天カード払い
●特定口座(SBI証券)⇒高配当ETFを一括投資
●特定口座(SBIネオモバイル証券)⇒高配当株を一括投資
まとめ
本日は、ドルコスト平均法と一括投資の違いをご紹介しました。
それぞれにメリットとデメリットがあることをご理解いただけたのではないでしょうか?
お互いの特徴を理解し、目的に合致した購入方法を選択しましょう。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました!
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