みなさんは投資の格言をご存知でしょうか?
一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、投資の格言には過去の長い歴史を経て現代でも役に立つ知識や投資への助言が凝縮されています。
このように、今後の投資局面で実践的かつ役に立ちそうな投資の格言を10個解説します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
【投資の格言①】一つの篭(かご)に卵を盛るな
壊れやすい卵を一つの籠に入れておくと、落とした時に全部割れてしまう可能性があります。ですので、あらかじめ複数の籠に分けておくことで被害を少なくするという意味です。
一般論で考えるとリスクとリターンは比例する関係にありますので、分散するほどリスク(リターンの振れ幅)は小さくなる反面、リターンもマイルドになる傾向にあります。
この分散によるリスクコントロールの観点から「一国集中投資や特定の業種・銘柄への偏った投資を避け、分散投資を行う」という投資スタンスが注目されています。
最近ではグローバル化で株式を国際分散させても動きが連動する傾向にあるため、債券や金など株式以外の資産も保有することを推奨する話をよく聞くようになりました。
その意見には私も賛成ですが、個人的には2,000万前後の資産を超えてくれば考慮し始めるイメージで考えています。
ちなみに、億単位の資産を数年で築きたい場合は、分散投資ではなく敢えてリスクを背負って集中投資を選択する必要があります。
目的に応じて籠を使い分けることが大切ですね。
●VT=全世界の約8,000銘柄に投資
●VTI=米国市場全体の約4,000銘柄に投資
●VOO=米国の大型株式を中心とする約500銘柄に投資
●eMAXIS Slim全世界株=全世界の約3,000銘柄に投資
●eMAXIS Slim米国株式(S&P500)=米国の大型株式を中心とする約500銘柄に投資
【投資の格言②】人の行く裏に道あり花の山
群集心理で動かずに、多くの人が行かない道の先に花の山(大きな利益)があるという意味です。
人の心理として人気に左右されやすい傾向があるため、「人気銘柄・テーマに飛びついて高値圏で買い、安値圏で処分売りする」ということが意外と起こるものです。
しかし過去に成功している人の事例では、「コロナショックで大衆が投げ売りしている時に有望銘柄をコツコツ拾って投資していた人」「誰もが見向きもしていない時に仕込んで人気が出た時に売却した人」などが大きな利益を手にしています。
一見するとアマノジャクですが、「成功者になりたければ人と違うことをする」という思考は、ビジネスやスポーツだけでなく投資にも応用できることが分かる格言ですね。
ちなみに、米国のウォール街にもこんな言葉が残されていますよ。
Buy when others sell; Sell when others buy.(人が売るときに買い、人が買うときに売る)
【投資の格言③】「もう」はまだなり、「まだ」はもうなり
自分の思い込みや希望的観測の通りに相場は動かないこという意味です。
みなさんこんな経験はありませんか?
投資家の心理と相場は行き違いを起こすことが往々にしてありますので、相場の先行きに自信を持った時こそこの言葉を思い出してみましょう。
相場や企業の業績を予測できるように勉強することはとても大事ですが、過信せずに「予想外のことは起こるものだ」と認識しておきましょう。
【投資の格言④】相場は相場に聞け
株価の見通しについて色んな意見が交わされますが、誰も未来の相場を正確に知ることはできないので相場を見て判断しましょうという意味です。
特に、相場の見通しが不透明な時は、あらゆる要素を織り込んで動いていると考えて、相場の流れをよく見て従った方がよいとされています。
投資経験を重ねていくと、株価に対して多くの人から意見を聞いたり、自分なりの理論で「こうだ!」という判断基準を持つようになります。
それ自体は決して悪い訳ではありませんが、「相場は生き物」と表現されるように、人が考える通りに動いてくれないものだと考え、相場の動きに耳を傾けて謙虚に向き合うことが大切ですね。
【投資の格言⑤】遠くて知らないものには手を出すな
知らない銘柄ではなく身近で馴染みのある銘柄に投資する意味です。
今は簡単に多くの情報が入手可能になった反面、玉石混淆となっています。
ネットやクチコミで良い評判がある銘柄でも、自分は「詳しく知らない」「中身を確認できない」という状態であれば安易に投資するべきではないと考えた方が良いと思います。
ちなみに、意外と投資のヒントは身の回りに転がっていることがあります。
日本株で例えると、業務スーパーを展開する「神戸物産」や、医療・製薬業界の方は「エムスリー」などがイメージしやすいかもしれません。
決算書や投資ファンド資料を読み解く能力を向上させることも重要ですが、個別株投資にご興味のある方は「身近なサービス・モノ」にも関心を持ってみると良いことがあるかもしれませんよ。
【投資の格言⑥】国策には逆らうな
経済や企業の業績は国の政策に影響を受けるので、国策を無視してはいけないという意味です。
「国策」の方向性が正しいかどうかは別にして、国策が企業にどのような影響を与えるかを考えることはとても重要ですね。
例えば、製薬業界では後発品比率を上げる政策を受けて後発品メーカーの株価が上昇した過去や、菅総理が携帯料金に対して言及した際に通信関連銘柄の株価が一斉に下落した事例など、国内でも数多くあります。
これは海外でも同様の傾向で、米国であればバイデン政権の政策が米国だけでなく世界にも影響を与える可能性があるので特に注目されています。
このような点から、国の政策に関連した銘柄は前向きに評価して保有し、逆行する銘柄は慎重に判断した方が良いと思います。
【投資の格言⑦】頭と尻尾はくれてやれ
欲張らずに、適度なところで利益を確定させよという意味です。
株は最安値で買って最高値で売れることが理想的です。
しかし現実には、「株価が最も値上がりする天井まで保有しようとしていると逆に値下がり始めてしまった・・・。」ということがよく起こります。
製薬会社の銘柄では、バイオジェンやエーザイがアルツハイマー型認知症の治療薬が承認されて株価が急騰した際にこの経験をした人は少なくないと思います。
実際、購入前はこんな気持ちであっても・・
いざストップ高や大幅続伸を体験すると・・・
という欲が出てしまい、
と後悔することになります。
この気持ちとてもよくわかります!なぜかと言うと、この話は私の経験談を書いたので。笑
私の失敗経験からお伝えできることは「最安値で買って最高値で売り抜けることは無理!」と割り切って考えるくらいがちょうどよいということです。
【投資の格言⑧】下手なナンピン大怪我のもと
ナンピンが大きな損失につながる危険性もあることを示唆する意味です。
こう思った方に、まずはナンピンをご紹介します。
ナンピンとは?
「ナンピン=難平」と記載します。
株価が自分の取得単価より下がった時に買い増しを行い、平均取得単価を下げる方法が「ナンピン」です。
平均取得単価を下げることで、株価が戻った時にマイナスを減らす恩恵や、株価が上昇に転じた時に利益を大きくさせるというのがナンピンの大きな利点です。
一方で、ナンピンで平均取得単価を下げた後もさらに株価が下落すると、保有株式数が増加しているので損失がさらに加速する欠点もあります。
損失をできるだけ平らにしようとするナンピンですが、下落トレンドが続いていると泥沼化する危険性があるので、この格言は安易なナンピンの危険性を指摘しています。
ちなみに、似たような意味で「見切り千両」という格言もあります。上がると思っていた株が想定外に下落したら見切って売却しなさいという意味です。
保有銘柄がマイナスになった時に、「損切り」「ナンピン」「我慢」の3つをどのように選択するかは迷いますが、事前に自分なりのルールを決めて計画性を持つことが大切だと思います。
ナンピンしながら我慢し続ける間に、伸びる銘柄へ投資できた機会損失も発生していることを考えると、安易に粘ることが美徳と考えることだけは避けましょう。
【投資の格言⑨】半値戻しは全値戻し
株価の反発力の強さを示す意味です。
大きく下げた株価が徐々に戻ってきて、下げ幅に対して半分程度戻ってきた時を「半値戻し」下落前の水準に戻った時を全値戻しと呼びます。
株価が何らかの要因で下落しても、半分戻す反発力があるのは何らかの要因があるはずで、いずれは全値戻しまで至る勢いがあるだろうという解釈が一般的です。
ただ、株価の下落理由次第では、短期的なリバウンド狙いの資金で半値戻しまで到達するケースがあり、その場合はこの格言が該当しないので、背景には注意する必要があります。
コロナショックは株価の回復が早く全世界的な金融緩和の下支えもあったので、半値戻しに到達した際にはこの格言を使って株価回復の話を耳にする機会が多かったように感じます。
【投資の格言⑩】相場はすぐに止まらない
この格言から、「車は急に止まれない」という交通標語ができたと言われていますので、最後は雑学として入れてみました。笑
群集心理で相場は動く傾向にありますので、似た格言として 「相場は楽観の中で天井を打ち、悲壮感の中で底を打つ」 と呼ばれる特徴があることを理解しておきましょう。
米国の金利政策や日本の日銀政策などで「市場と対話」という言葉が出てくるのは、この習性を知っているからこそ、いきなり情報を開示して予期せぬ方向へ相場が進み続けないよう調整しているのだと思います。
まとめ
今回は有名で実用性のある投資の格言をご紹介しました。
古くから言われている格言は投資家心理や習性をよく表していると思いますので、実際の投資局面でも役に立つと思います。
ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました!
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