株式投資のバイブルとも呼ばれる「敗者のゲーム」という書籍をご存知でしょうか。
投資家であれば1度は読むべきと推薦する人も多い名著です。
この書籍の中で特に有名な言葉として「稲妻が輝く瞬間に市場に居合わせなければならない」という一節があります。
「最大の上げ相場のタイミングを逃さないように、常に市場参加しておくことが大切」という意味です!
インデックス投資家に必須の知識になります。
そこでこの記事では「稲妻が輝く瞬間」を実際のチャートを用いながら解説していきます。
こんな方におすすめの内容です!
この記事の要約
●「稲妻が輝く瞬間」とは、最大の上げ相場機会のこと。
●稲妻が輝く瞬間を逃すと、得られるリターンは大幅に減少する。
●上昇相場を正確に予測は不可能なので、継続性のある投資で市場に参加し続けることが大切。
稲妻が輝く瞬間とは?
「稲妻が輝く瞬間」とは、最大の上げ相場に参加する「機会」のことを指しています。
書籍中には以下のように解説されています。
S&P500指数のデータを使って過去75年間という長期間分析した結果を見ると、この間の株式リターンの大部分は、上昇率のベスト60ヵ月間(900ヵ月という長期間のわずか7%だが)に達成されているという。
もし私たちに、これがどの月かを見分けることができれば、その利益ははかり知れない。
しかし、それはまったく不可能なのだ。私たちが知りうるのは次のような、単純で、貴重な事実である。
すなわち、もし私たちがこのベストの上昇月を逃したら、まるまる二世代という長期間にわたって蓄積される利益のほとんどを失ってしまうということだ。
引用:敗者のゲーム
- 株式リターンの大部分は、一部の上昇相場で生み出されている。
- リターンの大部分を生む一部の上昇相場を「稲妻が輝く瞬間」と呼ぶ。
- 「稲妻が輝く瞬間」に株式市場へ参加していることが大切。
最近のS&P500指数を例に考えると、2020年3月のコロナショック底値付近から回復する局面がイメージしやすいです。
日足でさらに細かくチェックしてみると、特に2020年11月の上昇相場が顕著でした。
このようなタイミングがまさに「稲妻が輝く瞬間」と言えます。
稲妻が輝く瞬間を逃すとリターンは減少する
「稲妻が輝く瞬間」の投資機会を逃すと、得られるリターンが大幅に減少します。
2つの貴重なデータを元に解説します。
【S&P500】10~30日のベスト期間を逃すと最大5.6%リターン減少
1980年~2008年にベストの「何日」かを逃した場合のリターンへの影響です。
- 10~30日のベスト上昇日を逃すだけでリターンは2.5~5.6%も低下する。
データの背景
●28年間のS&P500指数データ
●間違えて最も上昇した日の前に売却した時の、株式の複利利回りに与える影響を試算
【全世界】10ヵ月のベスト期間を逃すとリターンは1/3に減少
1989年末を100として、2020年3月までの30年の期間中に「月間」の株価上昇率が高かった順からわずか「10個の月」だけ投資をしていなかった場合の成績です。
継続保有した場合と比較して、30年間のうちでベスト10ヵ月を逃すとリターンは約3分の1に減少します。
株式のリターンは「急激な上昇相場」で生み出されます。また、急激な上昇相場は市場が不安定な時や、○○ショックからの回復局面で見られやすいです。暴落時に投げ売りで機会損失しないように注意しましょう。
投げ売りするケースで多いのが、自分のリスク許容度を超えた投資をしている場合です。
安易にレバレッジをかけたことで、市場から撤退させられる人は意外と多いことを知っておきましょう。
コツコツ継続できる投資を選択することが大切
「稲妻が輝く瞬間」を正確に予測できる人はいませんので、コツコツ継続保有で市場に参加し続けることが大切です。
こう思った方がいるかもしれません。
たしかに理論上はその通りですが、一部の天才を除いて多くの人は相場の後を追って資金流入する行動に至ります。<図表7>
「S&P500(折れ線)」に対して「資金流入・流出(たて棒)」が遅れて動いていることが読み取れます。
敗者のゲームの著者であるチャールズ・エリス氏はこんな言葉を残しています。
長期的に見て投資家が失敗する原因の一つは、激しい下げ相場に遭遇してパニックに陥り、上記のような最大の上げ相場に参加する機会を自ら放棄してしまうことだ。この教訓は明らかである。
投資家は、「稲妻が輝く瞬間」に市場に居合わさなければならないということだ。
相場のタイミングに賭ける投資は間違っており、決して考えてはいけない。
引用:敗者のゲーム
まとめ
今回は、投資のバイブルといっても過言ではない「敗者のゲーム」から稲妻が輝く瞬間に居合わせるという一節に関して解説しました。
この記事のまとめ
●「稲妻が輝く瞬間」とは、最大の上げ相場機会のこと。
●稲妻が輝く瞬間を逃すと、得られるリターンは大幅に減少する。
●上昇相場を正確に予測は不可能なので、継続性のある投資で市場に参加し続けることが大切。
資産運用を10年、20年と継続していくと暴落に遭遇することは何度もあると思います。
「長期的に見て投資家が失敗する原因は暴落時にパニック売りすること」という言葉を忘れず、自分のリスク許容度に合致した投資を継続していけるとよいですね。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました!
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