製薬&雑学

【製薬MR人口トレンド】過去20年の推移と減少要因を解説!

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製薬会社のMRは、毎年実態調査で全MR人口・男女比・出身学部比率などが公表されていることをご存知でしょうか?

細かなデータが公開されているので定点観測すると面白いです。

最近は、早期退職によってMR数の推移が注目されているので、当ブログでは過去の情報を集計してトレンドをグラフ化してみました。

ご興味のある方はぜひご覧ください。

この記事はこんな方におすすめです。

読者の方
読者の方
全体のMR数はどれくらい減っているの?
現役MR
現役MR
MRの男女差や学部トレンドはどうなってるの?
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2000年以降の国内MR人口の推移~20年間トレンド~

国内にてMR業務についている者の総数は57,158人(2019年度)で、2018年度の59,900人から1年間で2,742人減少しました。

2000年以降のMR総人数、内資MR、外資MR、CSOの推移は下図をご覧ください。

※それぞれ「調査開始時」「ピーク時」「最新調査時」の3つの数値を記載しています。

上記図では卸企業のMR数67名(2019年度)の記載を省略しています。

2020年度データのチェックポイント

●単年度で2742人のMR数減少は過去最大幅でした。

●国内MR総数は6年連続減少で、ピーク時より8,594人減少しました。

●内資MR数は4年連続減少で、ピーク時より4,336人減少しました。

●外資MR数は6年連続減少で、ピーク時より4,636人減少しました。

●CSO数は単年度で303人増加しました。

2年連続6万人を割り込んだことに加え、今後の国内医薬品市場と景気動向から、当面6万人の大台に戻ることは難しいのではないかと予想しています。

理由は、3つの環境要因です。

3つの環境要因

①日本の医薬品市場は低成長が予想されている

米国の調査会社IQVIAが発表している医薬品市場予測レポートでは、2013年~2018年の市場成長率は年平均1.0%と先進10カ国の中では最低という厳しい結果に加え、2019~2023年の成長率は-3%~0%との予測も出ています。

②デジタル化シフトが加速

m3などデジタルプロモーションがこれまで進展していましたが、2020年のCOVID-19の影響でMRの仕事もデジタル化が益々加速しています。

③患者数の多い大型製剤の減少

生活習慣病など慢性疾患で患者さんの数も多い製剤は、1製剤で500億~1000億を狙えるものもありましたが、開発競争激化や開発一巡で大型化が狙いにくい市場環境となり、1製剤に多くのMR資源を投入していく方針は取りにくくなってきています。

国内MRの薬剤師免許保有者数とMRの薬剤師比率

薬剤師免許を保有するMRは4,997人(2019年度)で、2018年度の5,153人から1年間で156人減少しました。

また、全MRの中で薬剤師免許を保有するMRの比率は8.7%となりました。

薬剤師免許保有の有無が「不明」の回答は計上されていませんので、実際はもう少し多いかもしれません。

2007年~2016年の国内MR男女比推移

MRの男女比率は男性54,000人、女性9,000人前後で推移しています。

減少トレンドが大きいのは男性MRになります。

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男女別のMR数調査は2016年度以降、公表されておりません。

個人的な推察ですが、新卒採用は男女比を均等にする流れが出ているので、男女比率は少しずつ差が縮小するのではないかと予想します。

また、製薬業界のトレンドとして就労環境も少しずつ男性偏重の文化が是正されてきているように感じます。

製薬会社における女性の就労環境整備(制度面)
産休育休後の復帰サポート・育児環境支援・女性管理職増加などが外資系企業から始まり、徐々に内資系企業体制を整えてきている状況です。
ダイバーシティ&インクルージョンの浸透(D&I)
大手企業を中心にD&Iの考え方はかなり浸透し始めていると思います。

●ダイバーシティ⇒性別・国籍・価値観など様々なバックグラウンドを持つ人材を受容する。

●インクルージョン⇒多様な人々の個性や特性が活かされている。

優秀で尊敬できる女性MRの方をこれまで何人もお会いしてきましたので、性別だけで仕事の優劣を決めない流れは当然だと思います。

領域別MRの設置有無

2019年度調査での領域別有無では、54.0%の企業が領域別は行わずに担当しているとの結果でした。

領域制には一長一短があると思いますので、以下に記載します。

領域制とは、「がん領域、糖尿病領域、眼科領域、免疫領域、皮膚領域、中枢精神領域、プライマリー領域」など、特定の製品群に特化して担当する方法です。

【領域制のメリット】

●製品領域が限定的になるので、勉強しやすく深く専門的知識を習得しやすい

●人気領域であれば、転職時にも経験者採用で有利(オンコロジーなど)

●顧客は診療科ごとに専門制となっているため、領域制との相性が良い

【領域制のデメリット】

●領域制は顧客数が限定的になるため、担当エリアが広域になることもある。

●知識が対象領域のみに偏ってしまう。

●不人気領域やニッチな領域だと転職時にニーズがなく不利になることもある。

MRに人気の領域

何といっても人気なのは「癌領域」の担当です。

この「人気」は、MRが希望するという意味だけでなく、転職市場でも比較的求人数の多い領域になります。

薬剤の市場トレンドから、生活習慣病などのプライマリー領域は人気に陰りが出始め、開発品目が今後も期待される癌領域(オンコロジー)が今の主流です。

他にも最近は「バイオ」「希少疾患」などの経験は転職市場で重宝されると思います。

新卒採用を行っている企業の比率

2019年度の新卒採用ありは42.5%でした。(前年比0.4%減)

採用自体は行っていても募集人員は減らしている企業もあるため、直近は比較的門戸は狭いトレンドにありそうですね。

中途採用者の前職

圧倒的に転職での中途採用は業界内のMRが多いという結果です。

ただし、他業界から採用となっている方もおられます。

この結果は複数回答ありの結果です。

コントラクトMRからの中途採用は厳密には契約違反ギリギリだったりするケースもあるようですが、それでも優秀な人材は転職を持ちかけられていますね。

まとめ

今回は、MR白書のデータを長期トレンドでまとめて解説しました。

データで見ると確かに厳しい環境に突入していますが、製薬業界に限らずITの発達で様々な業界も影響を受けています。

これからは「会社から残ってほしいと求められる人」と「淘汰される人」の2極化が進むと思いますので、自分の将来展望に合わせて取り組む必要があると思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

引用データ元:MR認定センター MR白書アクセス(外部リンク)

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