皆さんは、OWNDAYS代表取締役社長の田中修治さんをご存知でしょうか?
田中さんは、メガネ製造販売チェーン『OWNDAYS』を売上20億円に対して赤字2億円、負債14億円という状況にも関わらず30歳で買い取り、10年足らずで再建に導いたことで非常に注目されている経営者です。
同社再建の様子は「破天荒フェニックス」という書籍やテレビでも取り上げられたのは記憶に新しいところです。
私は、田中さんの「行動力」が群を抜いてすごいな~と感じており、どんな考え方をしているのか興味を持ったので、著書「大きな嘘の木の下で」を読んでみました!
感銘を受けすぎて、ビジネスマン必見の内容が盛りだくさんでしたので、当記事ではその中でも特に大事な考え方を8選ご紹介します!
この記事はこんな方にオススメです。
この記事で分かること
●幸福論は、豊かさを基準に考えることが重要な理由。
●お金はただの交換ツールという考え方。
●仕事と労働の違い。
●成功例と失敗例のどちらが学びにつながるのか。
●行動できる人になるための小さな習慣。
●人生における選択はそこまで重要ではない理由。
●社員の不満や納得はどちらを優先して対処するべきか。
●企業理念が大事な理由。
【田中修治さん思考①】幸せではなく、豊かさを基準に考える
「幸福感」は瞬間的な感情かつ相対的な基準で感じるものですが、「豊かさ」は絶対的な基準で判断できるので、前向きな捉え方ができるようになります。
まずは「幸福感」について考えてみましょう。
幸せと感じるかどうかは相手次第で、瞬間的な感情を表すものに過ぎないと言えます。
例えば、私が大好きな飲食店に妻も喜ぶかな~と思って連れて行ったとします。
私は、自分の好きな味・空間のお店で妻と食事をすることで幸せを感じると思いますが、相手(妻)は
このように感じる可能性もありますので、相手次第です。
また、「幸」「不幸」という感情は、近くの誰かと比べた時に強く感じやすい相対的な面を持ち合わせています。
例えば、社内で給料を比較すると上がいて幸福感を感じないですが、同窓会で自分より年収が低いことを知ると、現在の自分の状態は幸せなんだな~と改めて感じるケースはその典型的なパターンです。
しかし、この幸せの感じ方は自分の未来にプラスがないことに加え、人生に不満の強い人ほど自分よりも悪い境遇の「誰かの不幸」を探すようになるため、良いことがありません。
それでは「豊かさ」について考えてみましょう。
豊かさは、ある程度絶対的な基準を持つことができます。
例えば、「年収が100万円UPした」「新しいスキルを身につけた」「新しい体験をした」「新しい友人ができた」などが挙げられます。
つまり、自分軸で前向きに捉えることができるのが「豊かさ」になります。
自分が成長していく思考を持つことで、結果的に幸せな人生を送ることにも繋がっていきますので、「豊かさ」という視点で考えてみましょう!
【田中修治さん思考②】お金そのものよりも、時間・価値・信用を大事にする
お金はただの「交換ツール」でしかなく、それよりも「時間」「価値」「信用」の方が大事です。
様々な豊かさを手に入れる為の道具である「お金」は、たくさんあるに越したことはないのは事実です。
しかし、「お金持ち」と「お金持ちではない人」を比較すると、お金に対する考え方が異なっています。
お金に対する考え方
●「お金がない人」⇒お金自体が大事だから、手放したくないと考える。
●「お金持ちな人」⇒お金はただの紙切れで、交換するツールに過ぎないと考える。
ここで特に重要な点は「交換」という感覚だと思います。
例えば、Aさんは時給1,000円の仕事を9:00~17:00まで働いたとして、人生の貴重な8時間と8,000円の給与を交換しているという考え方です。
正社員でも同様に、月収に対して月の労働時間を割れば時給が算出できますので、「時間⇔収入」が割に合うか否かを振り返ってみましょう。
そして、お金は交換ツールの1つであることを認識し、「何と交換するか?」を意識してみることをオススメします。
さらに、お金よりも「時間」「価値」「信用」を大事にすることで、お金に振り回されない人生を歩めると思いますので、要点をご紹介します。
時間
お金は失っても再び手に入れることはできますが、時間は失い続けることしかできません。
1日24時間は誰にでも平等に与えられており、何に時間を使うかの選択は自分次第です。
お金よりも時間を大切にしましょう!
価値
「自分にとって本当に価値があるか?」という視点で考えた上でお金を使うことが重要です。
目利きには専門的な知識が必要になることもありますが、自分にとって価値があるか?という判断軸は今からでも使うことが可能ですよ。
また、「自分」という価値を高め、代わりが利かない存在になることも忘れないようにしましょう。
時代はモノ消費⇒コト消費⇒ヒト消費へと移行し、代わりの利かない人の価値がより重要視されています。
このように、By nameで頼られるようになれば、価値がUPしてきている証拠になりますね。
信用
いざという時に助けてくれるのは、それまでに培ってきた自分の「信用力」です。
本当に困った時に助けてくれる仲間、自分の価値を必要としてくれる人からの「信用」の方が、お金よりも重要です。
信用を積み上げるのは時間がかかりますが、失うのは一瞬です。
日頃からコツコツと信用残高を増やしていきましょう!
【田中修治さん思考③】仕事と労働は違う
「仕事」と「労働」は似ているようで全然違う性質があります。
仕事と労働の違い
●仕事⇒誰かの願いをかなえるために自分ができる限りの価値を提供すること。
●労働⇒体を使って働くこと。(収入を得る目的で、体や知能を使って働くこと。)
仕事には「使命感」や「想い」が込められており、最近ではCOVID-19の感染対応にあたっていただいている医療従事者の方々がイメージしやすいと思います。
これからの時代は、労働はどんどん機械に代替化されていきます。
一方で、仕事として使命感を感じながら、意味を見出す人や楽しみながら取り組む人は、多くの人から必要とされて価値をさらに高めていくようになっていきます。
だからこそ、「お金をもらうこと=労働(仕事)」という感覚が少しでもあるなら、その感覚は捨て去る必要があります。
1人でも多くの人から必要とされる存在になれるように取り組んでみましょう!
【田中修治さん思考④】失敗例から学ぶことが大切
成功したいと考えるなら、何より大事なことは「失敗を管理すること」です。
勝ち方を考える前に、失敗パターンを学んで負けそうな要素を片っ端から潰していくことが重要です。
そのためにはたくさんの失敗例を勉強し、同じ轍を踏まないように気をつけましょう。
このように感じるかもしれません。
しかし、この著書では以下のように言及されています。
成功例の共有はそれぞれの前提条件がまるっきり違うのであまり効果がない。
結局、自分が成功したいなら、自分のキャラクターに合った自分なりのベストなスタイルや方法を自分自身で見つけていくしかない。
引用:大きな嘘の木の下で
例えば、皆さんの職場では「成功例の共有」をする機会はありますか?
私は製薬会社でMRをしているので、営業的側面での事例共有を目にする機会が定期的にあります。
たいていの場合、そこでは「良いこと」を発表して失敗例を紹介する人はいないので、成功例を聞いた人からはこんな声が出てきます。
この意見は一理あると思います。
特に、発表者が純粋なノウハウ共有ではなく、自慢を入れたマウンティングする内容だった時は特にこんな意見が多くなる印象を受けます。
成功例が全てムダとは思いませんが、「参考にはなるけど、そのまま応用できない」という性質も理解しておきましょう。
そして可能であれば、自分から失敗例を語れる存在になれると、組織貢献の面ではとても良いと思います。
【田中修治さん思考⑤】自分から行動した人が勝つ
自分から行動することが何よりも重要です。
OWNDAYSでは「百考は一行にしかず」という言葉がよく使われており、行動した奴が1番強いと強調されています。
百考は一行にしかず
100回考えるよりも1回行動するほうが重要であるという意味。
書籍中にもこんな刺激的な言葉で行動することの必要性が述べられています。
世の中に溢れる無数の成功本やビジネス本の類は、長々といろんな考え方や実例を挙げてはいるが、結局「行動しろ」の一言、「行動した奴が勝つ」と言っているだけだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
行動すれば人生のほとんどのことは思いどおりにいくのだ。
確かに、この考え方は正しい。
「たったそれだけか?」と思うかもしれないが「たったそれだけ」なのだ。
今まで僕が見てきた、自分の人生を思うようにコントロールすることができず、成功できないと嘆いている人は、みな「行動していない」だけだった。
引用:大きな嘘の木の下で
ストレートな言葉ですが、行動し続けている田中さんだからこそ重みのある言葉だなと思います。
こういうご意見もあると思いますので、行動できる人になりたい方へ最初の取り組みをご紹介します。
まずは小さな行動を積み重ねていきましょう!
行動を起こせるようになる方法
●毎日違うドリンクを飲む
●毎日違う食事を食べる
●新商品が発売されたら試してみる
●普段と違う経路で移動する
このように、失敗しても大した損失にはならないことから積み重ねていくと、予想以上に行動力がUPしますよ!
人間は、年齢とともに無意識のルーティーンが増えていきます。
皆さんも、朝起きてから出勤までの行動パターンや、入浴時の動作などはほとんどの人が定番化しているのではないでしょうか?
もちろんルーティーン化が全て悪い訳ではありませんが、あまりにも規則的な日々を送りすぎると「転職」「独立」などの新しいことへの抵抗感が増幅していきます。
「行動する」という行為はこれまでの規則性を壊すことになるので、日頃から行動パターンが定番化しないように自分の習慣に「遊び」の部分を作っておくことも大事だと私は思います。
人間誰もが現状を変えることは不安ですが、そこを一歩超えた先に自分の求める世界があるなら、逃げずに踏み出してみましょう!
【田中修治さん思考⑥】人生において選択に大きな意味はない
人生において、選択した先の未来にはどちらにも天国と地獄が待っているので、選択はそこまで重要ではありません。
それよりも、選択した後に「ここは天国だった」と思えるように、必死に行動することの方が重要です。
選択をする時に「どちらを選べば正解か?」という○×クイズで結果が決まるほど、物事はシンプルではないことの方が多いです。
転職を決断する時も同様で、自社に残るか転職するかのどちらを選んでも、そこから自分の努力次第で天国にも地獄にもなります。
選択した結果は、「自分が選択した道が間違いではなかった」と後から思えるように、どう行動したか?ということに対する答えでしかないのです。
「選択をしたときの判断自体に大きな意味はない」という原則を改めて意識してみると、一歩踏み出しやすくなるような気がしませんか?
こう感じてしまった方は申し訳ないです。笑
選択基準は人それぞれですが、今回の原則から照らし合わせると「決断後にモチベーションを高くして取り組める方を選ぶ」という目安で考えてみると良いと私は思います。
もう少しイメージしやすい例を下記を挙げてみます。
判断の基準
●面白そうだと感じるのはどっち?
●家族に誇れるのはどっち?
●楽しそうなのはどっち?
ちなみに私は、「面白そう」「父親として子供に誇れる」といった判断基準を意識することが多いです。
ここは価値観次第なので、皆さんのモチベーションが上がり、行動につながる基準を見つけてみましょう。
【田中修治さん思考⑦】不満を取り除くよりも、納得してもらうことが大事
部下や後輩から不満が出てきた際は、全ての不満を取り除くよりも、納得できる状態を目指してマネジメントを行ってみましょう。
そして、不満を「解決すべき自分たちの課題」と前向きに捉えられるようになれば理想的です。
「不満」は、1つ解決しても次の不満がどんどん発生する「モグラたたき」のようなものです。
誰も何の不満もない状態を作ることは不可能で、解決するべきは「不満があり、納得もいかない」状態を「不満があり、納得はできる」にすることです。
不満があっても納得できていれば、人は前向きに行動することができます。
ですので、情報の公開や説明を適切に行い、不満ゼロではなく納得感100%を目指してみましょう。
【田中修治さん思考⑧】企業理念が大事
目的と手段を履き違えないために、企業理念が大切です。
普段、仕事をしていると企業理念を意識する機会は少なく、重要視することがあまりないという方もおられるかもしれません。
しかし、企業は手段と目的を間違えた時に倒産へと走りだし、間違えないためにあらかじめ示しているのが企業理念です。
●目的:実現しようとすること。最終的に到達したい姿
●目標:意図したことを達成するために設けた具体的に達するべきこと
●手段:目標に到達する為に、とるべき方法。
企業は、目標に到達する為にとるべき方法はたくさんの選択肢があります。
その中から現在の方法を選んでいるだけなのに、その方法を死守することが目的になると時代にそぐわないビジネス展開が繰り広げられ、社会から不要の烙印を押されて倒産する運命になります。
このような悲しい結末にならないためにも、「目的」を誰もが理解して進めるように企業理念が作成されています。
企業理念を普段は意識しないかもしれませんが、適当に散歩をしていて富士山の山頂に辿り着けることはありませんので、改めて自社の企業理念を振り返ってみてはいかがでしょうか?
まとめ
今回は、書籍「大きな嘘の木の下で」の要点と、私が感じたことを中心にご紹介しました。
●豊かさを基準にして前向きに成長することを考える
●お金はただの交換ツール。それよりも時間・価値・信用を大事にする。
●仕事と労働は違う。1人でも多くの人から必要とされる存在を目指す。
●失敗例から学び、自分に活かす。
●行動した人が最強
●人生は選択よりも選択した後にどんな行動をするかが重要です。
●不満を取り除くよりも納得感を優先する。
●企業理念が大事。手段と目的を混同しないように注意する。
行動し続けているからこその実体験ベースで語られている言葉の重みを感じる、とても良い本でした。
綺麗ごとではない部分も含めて、ビジネスマンにおすすめできる内容だと思います。
実際の書籍には、OWNDAYSの福利厚生システムや巻き込み方などの実例も紹介されているので、とても参考になりますよ。
書籍のリンクはこちらです。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました!
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