会社員の方は、給与明細を見て「税金で手取り額が減ってるなぁ・・。」と1度は思ったことがあるのではないでしょうか。
一般的に、会社員はフリーランスの方と比較して「経費」が使いにくい環境にあるため、税金コントロールの余地は小さいです。
しかし、限られた中でも節税策はありますので、制度をフル活用してコツコツ積み重ねていきながら、資産形成に役立てていきましょう。
この記事では、会社員の方ができる節税対策方法を解説します!
ぜひ参考にしてみてください♪
この記事のポイント
●節税の基本は、課税対象となる基準額を小さくすること。
●おすすめは「小規模企業共済等掛金控除」「寄付金控除」「医療費控除」
●iDeCoは手持ち資金を減らさずに節税効果を得られるメリットがある。
●ふるさと納税は、地方自治体に寄付をすることにより実質負担額2000円で「お得な返礼品」がもらえる。
●医療費控除は、医療費として年間約10万円以上支払った金額が所得控除される。
●副業で事業所得を得られる状態を目指す。
【税金のキホン】控除をうまく活用して税額を減らすことが大切
そもそも、節税の基本は「課税対象となる基準額を小さくすること」です。
例えば、所得税の場合、ざっくりとした計算式にはなりますが以下の流れで税額が決定します。
- 所得税の計算式(簡略版)
- ①収入-経費=所得
②所得-所得控除=課税所得
③課税所得×税率=税額
④税額-税額控除=最終的な税額
私たちが納める税金の金額は「最終的な税額」が該当します。
計算式を見てみると、収入から「経費」「所得控除」「税額控除」といった、個々の状況に合わせて使える「控除」という仕組みによって最終税額が減ることがわかります。
つまり、会社員であっても「〇〇控除」を有効活用することで、節税が可能になるのです。
- 経費⇒会社員は「給与所得控除」として一定額が差し引かれる。
- 所得控除⇒税率を掛ける前の所得金額(課税所得金額)を減らす効果がある。
- 税額控除⇒税額から直接差し引けるので最終的な税額を減らす効果が大きい。
会社員が利用できる控除の多くは「所得控除」です。
ちなみに、住宅ローンは節税効果が大きいと言われますが、その理由は住宅ローン(住宅借入金等特別控除)は「税額控除」に該当するためです。
例えば、「所得控除10万円」と「税額控除10万円」の節税と聞くと、みなさんはどちらが効果的だと思いますか?
計算してみると、所得控除10万円は、税率20%の人なら節税効果は2万円です。(10万円×20%)
一方で、税額控除10万円なら節税効果は10万円になります。
つまり、同じ「控除」といっても所得控除なのか税額控除なのかで、税額に与える影響が大きく異なるのです。
このように、税金計算の仕組みを理解しておくことで節税効果をイメージしやすくなりますので、最低限ここでご紹介した内容は覚えておくことをおすすめします。
【会社員節税対策】代表的な控除の項目一覧
会社員の節税策として使える「控除」として代表的な項目をまとめてご紹介します。
ちなみに、使い勝手のよい控除として筆者のおすすめは「小規模企業共済等掛金控除」「寄付金控除」「医療費控除」です。
概要 | 控除額 | 所得控除/税額控除 | 年末調整可否 | |
基礎控除 | ほぼ誰でも受けられる | 最大48万円 | 所得控除 | 可 |
配偶者控除 | 収入が一定以下の配偶者がいる | 38万円 | 所得控除 | 可 |
配偶者特別控除 | 収入が一定以下の配偶者がいる | 最大38万円 | 所得控除 | 可 |
扶養控除 | 収入が一定以下の扶養親族がいる | 38万円 | 所得控除 | 可 |
社会保険料控除 | 社会保険料額を控除できる | 年間保険料全額 | 所得控除 | 可 |
障害者控除 | 本人、配偶者、扶養親族に障害がある | 最大75万円 | 所得控除 | 可 |
ひとり親控除 | ひとり親である | 35万円 | 所得控除 | 可 |
寡婦控除 | 夫と離婚や死別後、再婚なし | 27万円 | 所得控除 | 可 |
勤労学生控除 | 納税者自身が勤労学生 | 27万円 | 所得控除 | 可 |
小規模企業共済等掛金控除 | 個人型確定拠出年金などの掛金 | 掛金負担額全額 | 所得控除 | 可 |
生命保険料控除 | 保険契約に基づき支払った生命保険料、介護保険料、個人年金保険料 | 一定の計算により算出された額 | 所得控除 | 可 |
地震保険料控除 | 保険契約に基づき支払った地震保険料 | 一定の計算により算出された額 | 所得控除 | 可 |
住宅借入金等特別控除 | 住宅ローンを組んでいる | 一定の計算により算出された額 | 税額控除 | 可(1年目のみ確定申告) |
医療費控除 | 年間の医療費 | 年間10万円を超えた額 | 所得控除 | 不可(確定申告) |
寄付金控除 | ふるさと納税など寄付を行ったとき | 一定の計算により算出された上限額内 | 所得控除 | 不可(確定申告) |
雑損控除 | 災害や盗難などで損害を受けたとき | 一定の計算により算出された額 | 所得控除 | 不可(確定申告) |
配当控除 | 剰余金の配当などの配当所得があるとき | 一定の計算により算出された額 | 税額控除 | 不可(確定申告) |
多くの方が利用できる節税につながる制度であることに加えて、手間もそこまでかからないのでおすすめです!
- 小規模企業共済等掛金控除⇒iDeCo
- 寄付金控除⇒ふるさと納税
- 医療費控除⇒年間の医療費総額
上記3つの控除について、次項で概要を解説します。
サラリーマン節税①小規模企業共済等掛金控除(iDeCo)
小規模企業共済等掛金控除は、iDeCo(イデコ)を利用していると所得控除を受けることができます。
ちなみにiDeCo(イデコ)とは、個人でお金を出してつくる年金です。
毎月一定のお金を掛金として支払い、運用した金額を老齢給付金として原則60歳以後に受け取ることができる制度です。
iDeCoの節税ポイント
掛金は全額が所得控除になります。
例えば、年間10万円をiDeCoの掛金として拠出した場合、所得から10万円を控除として差し引くことができます。
つまり、iDeCoは課税所得を掛金の分だけ減らすことが可能で、所得税や住民税を節税できるというメリットがあります。
また、iDeCoは積み立てたお金が老齢給付金として戻ってきますので、手持ち資金を減らさずに節税効果を得られるメリットがあります。
iDeCoは投資商品を運用する性質上、元本割れになるリスクもあります。
引き出せる年齢となる60歳まで、運用期間が15年以上であれば先進国株式のインデックス投資はプラスリターンになるというデータはあります。
しかし、元本割れが怖い方は「元本確保型」の金融商品を選択することも可能です。
じゃあiDeCoを始めるにはどうすればいいの?
iDeCoの口座開設は証券会社のホームページから申込手続きが必要です。
今から口座開設するならSBI証券の「セレクトプラン」がおすすめですよ!
理由は、運営管理手数料が無料+優良な投資信託が充実しているからです。
実は、iDeCoでは「信託報酬が0.25%を超える手数料の高い投資信託ばかりで、魅力的な商品がない」という証券会社も存在します。
しかし、SBI証券の「セレクトプラン」であれば、優良な投資信託が充実しているので安心です。
iDeCoは最低でも60代まで長期運用する制度です。
長く付き合うからこそ、商品が充実してコストが安い金融商品を揃えている証券会社で口座開設しましょう!
iDeCoについてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
サラリーマン節税②寄付金控除(ふるさと納税)
寄付金控除は、ふるさと納税を利用していると所得控除を受けることができます。
ふるさと納税とは、地方自治体に寄付をすることにより実質負担額2000円で「お得な返礼品」がもらえる制度です。
ふるさと納税の節税ポイント
「もともと納めることになっている所得税・住民税を前払いするご褒美として返礼品が支給される」という仕組みのイメージです。
つまり、通常の納税をするだけなら何ももらえませんが、ふるさと納税として前払いすることで返礼品も受け取れるので実質的にお得ということです。
ふるさと納税をすると、地域の特産品・日用品など、寄付額の約30%相当が返礼品として受け取れますので利用価値が高いですよ!
お得な返礼品を知りたい方はこちらをご覧ください。
ふるさと納税として1年間に利用できる寄付額には上限があります。
上限額はその年の所得金額などに応じて決まりますので、ふるさと納税のポータルサイトが用意しているシミュレーション機能で事前に試算しましょう。
サラリーマン節税③医療費控除(年間の医療費総額)
医療費控除は、ざっくり言うと「医療費として年間約10万円以上支払った金額が所得控除される」という制度です。
私は家族の医療費総額が毎年10万円以上発生するので必ず確定申告しています。
還付金として1万円以上戻ってくる年が多いので、利用価値はありますよ。
ちなみに、医療費控除の対象となる医療費の種類は多く、例えば歯の治療(インプラント)などでも制度を利用できます。
医療費控除の対象
●診療費(治療費)
●通院費(電車、バスなどの公共交通機関)
●処方箋による医薬品費
●入院費
●入院時の食事代
●医療用器具の費用
●治療のためのマッサージ、鍼灸
●患者として利用したヘルパー代(保健師、看護師など)
●介護保険等制度で提供された一定の施設・居宅サービス
など
引用:国税庁HP「医療費控除の対象となる医療費」
医療費控除額の計算式は下記です。
1年の医療費自己負担額ー高額療養費・生命保険等の補填額ー10万円=医療費控除額
ちなみに、医療費控除の対象となるのは納税者本人だけでなく、生計を同一にする配偶者・親族が支払った医療費も合算して計算されます。
さらに詳細を知りたい方はこちらをごらんください。
【その他】副業の青色申告
会社員でも税金面で「経費」を使いたい方は、副業で事業所得として申告できるような状態にするのもよい方法です。
副業で得た所得は「雑所得」という扱いで申告をすることが一般的です。
しかし、会社員が副業を本格的に事業として行う場合、青色申告で節税メリットのある「事業所得」として申告することができます。
青色申告は「一定水準の記帳を行い、実態に基づいて正しく申告をする人」に認められており、複数の節税方法が使えるようになります。
代表的なのは「青色申告特別控除」です。
年間で最大65万円を所得金額から差し引くことができます。
青色申告特別控除は、例えば所得税・住民税の合計約30%の税率と仮定すると、65万円×30%=19万5000円の節税効果があります。
事業所得か否かを明確に線引きする基準はありません。
しかし2022年に国税庁が通達を発表し、「記帳や帳簿書類の保存があること」が事業所得の最低条件として示されたため帳簿作成の有無は重要な目安となります。
他には、「継続性」「反復性」「年間売り上げ300万円」といった点は見られる項目になるかもしれないと噂されています。
サラリーマンであっても、コツコツ副業に取り組んで事業所得にすることができれば税金面でも恩恵を受けられる可能性がありますので、挑戦する価値がありますよ♪
副業について知りたい方はこちらをご覧ください。
まとめ
この記事では、会社員の節税ポイントについて効果的な制度をご紹介しました。
この記事のまとめ
●節税の基本は、課税対象となる基準額を小さくすること。
●おすすめは「小規模企業共済等掛金控除」「寄付金控除」「医療費控除」
●iDeCoは手持ち資金を減らさずに節税効果を得られるメリットがある。
●ふるさと納税は、地方自治体に寄付をすることにより実質負担額2000円で「お得な返礼品」がもらえる。
●医療費控除は、医療費として年間約10万円以上支払った金額が所得控除される。
●副業で事業所得を得られる状態を目指す。
1つ1つの金額は大きくなくても、コツコツ毎年継続することで何もやっていない人と比較すれば大きな金額の差が生まれます。
会社員は税金をコントロールできる余地が少ないからこそ、できることは確実に実行しましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました。
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