VIX指数は別名「恐怖指数」とも呼ばれる、株式投資をする上で重要な指数の1つです。
実は、米国高配当ETFのVYM、HDV、SPYDの買い時を判断する時にVIX指数が参考になることをご存知でしょうか?
「VIXが30以上」かつ「配当利回り3.0%の状況」のタイミングがVYM、HDV、SPYDは買い時と私は考えています。
ちなみに、私は分散性の観点からVYMのみを保有しています。
この考え方は、FIREで有名になった三菱サラリーマン穂高唯希さんの方法を参考にした判断基準です。
この記事では、「VIX指数の意味」と「買い時の判断方法」をわかりやすくご紹介します。
この記事の要約
●米国高配当ETFは「VIXが30以上」かつ「分配金利回りが平均値以上」が狙い目
●VIX指数は、相場の先行きに対する不安感を反映している。
●VIXと株価の動きはシーソーの関係
●VIX指数が注目されやすいのは、市場の大きな暴落が発生した時。
※当記事は特定の投資商品に対して利益保証や投資を推奨するものではありません。元本割れ等のリスクがありますので最終的な投資判断は自己責任でお願い致します。
【VYM】VIX指数で買い時を判断する方法
VYMは、「VIXが30以上」かつ「分配金利回り3.1%以上」が狙い目と考えられます。
上図は、VIXが30を超えたラインを黄色で示しています。
一時的な下げ(買いシグナル)はVIX30以上で発生しています。
VYM購入タイミングの判断材料
①-1:配当利回りが平均値を超えた時⇒少なくとも3.1%以上
①-2:配当利回りが一定値を超えた時⇒3.5%以上
②-1:VIX指数が20を超えた時⇒購入の照準を定めるライン
②-2:VIX指数が30を超えた時⇒かなり良い買い場のライン
引用:穂高唯希さん 米国高配当株ETF【VYM・HDV・SPYD】の購入タイミング・買い目安の基準を示します。
短期チャートの2020年5月~2021年5月でみても同様の傾向です。
【HDV】VIX指数で買い時を判断する方法
「VIXが30以上」かつ「分配金利回り3.4%以上」が狙い目と考えられます。
上図は、VIXが30を超えたラインを黄色で示しています。
一時的な下げ(買いシグナル)はVIX30以上で発生しています。
HDV買い時タイミングの判断材料
①-1:配当利回りが平均値を超えた時⇒少なくとも3.4%以上
①-2:配当利回りが一定値を超えた時⇒3.8%以上
②-1:VIX指数が20を超えた時⇒購入の照準を定めるライン
②-2:VIX指数が30を超えた時⇒かなり良い買い場のライン
引用:穂高唯希さん 米国高配当株ETF【VYM・HDV・SPYD】の購入タイミング・買い目安の基準を示します。
短期チャートの2020年5月~2021年5月でみても同様の傾向です。
【SPYD】VIX指数で買い時を判断する方法
VIX指数とSPYDトレンドは、まだファンド設立後の期間が短いのでVYMとHDVよりは相関性が弱いものの、参考にはなりそうです。
「VIXが30以上」かつ「分配金利回り4.15%以上」が狙い目と考えられます。
SPYD購入タイミングの判断材料
①-1:配当利回りが平均値を超えた時⇒少なくとも4.15%以上
①-2:配当利回りが一定値を超えた時⇒5.0%以上
②-1:VIX指数が20を超えた時⇒購入の照準を定めるライン
②-2:VIX指数が30を超えた時⇒かなり良い買い場のライン
引用:穂高唯希さん 米国高配当株ETF【VYM・HDV・SPYD】の購入タイミング・買い目安の基準を示します。
短期チャートの2020年5月~2021年5月の1年でみると、VYMやHDVより動きは大きくありませんが、参考にできそうです。
米国高配当ETF「VYM・HDV・SPYD」の特徴
高配当ETFとは、配当金を目的とした「高配当米国株の詰め合わせパック」のようなものです。
代表的な銘柄に「VYM・HDV・SPYD」があります。
銘柄 | VYM | HDV | SPYD |
設定日 | 2006年11月10日 | 2011年3月29日 | 2015年10月21日 |
総資産総額(億ドル) (2022年3月末時点) | 約450億ドル | 約130億ドル | 約79.8億ドル |
経費率 (2022年3月末時点) | 0.06% | 0.08% | 0.07% |
分配金利回り (2022年8月1日時点) | 約3.03% | 約3.14% (過去平均約3.4%) | 約3.85% (過去平均約4.1%) |
増配率 (2017年~) | 6.6% | 4.4% | 2.2% |
5年トータルリターン (2022年6月時点) | +9.44% | +7.67% | +7.58% |
組入銘柄数 (2022年3月末時点) | 445銘柄 | 75銘柄 | 80銘柄 |
組入セクター比率 (2022年6月時点) | 金融(19.40%) ヘルスケア(15.50%) 生活必需品(13.40%) 資本財(9.90%) エネルギー(9.20%) 公共事業(8.40%) | ヘルスケア(22.46%) エネルギー(17.86%) 生活必需品(16.89%) 情報技術(13.39%) 公益事業(8.23%) 資本財(7.01%) | 金融(21.26%) 公益事業(15.84%) 不動産(14.86%) エネルギー(8.62%) コミュニケーションサービス(7.44%) 生活必需品(7.43%) |
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インデックスファンドのVTI等よりも運用成績は劣後する傾向にあります。一方で「配当金」というインカムを得られるのは魅力的です。
米国高配当株のメリット
●米国企業は株主還元への意識が高く、安定的な配当金が期待できる(例J&Jは58年連続増配)
●優良な高配当ETFのラインナップがある
米国高配当株のデメリット
●確定申告で外国税額控除を行わないと、10%多く税金を納めることになる。
●配当金を再投資すると効率的ではあるが、配当金受け取り時に課税される分ロスになる。
●配当金を出すことで、企業の成長に向けた投資機会が損なわれることに懸念する声もある。
日本株はおすすめできる高配当ETFが存在しませんので個別にポートフォリオを作る必要があります。
筆者の日本株高配当株を知りたい方はこちらをご覧ください。
VIX指数(恐怖指数)とは?
ここからは、VIXについて基礎知識を解説していきます。
VIX指数とはVolatility Indexの略で、シカゴオプション取引所がS&P500種指数のオプション取引のボラティリティ(変動率)をもとに算出・公表している指数です。
VIXは、S&P500という米国の指数が「将来どのように変動するか?」の市場予想をしているイメージでOKです。
VIXの数値が高いほど投資家が「先行き」に対して不安を感じているとされています。
このVIXが特徴的なのは、今の時点から見て未来の変動(ボラティリティ)を数値化しているということです。
- VIX(通常)⇒10~20の範囲で推移
- VIX(やや高値)⇒20~30
- VIX(高値)⇒30~
このように、投資家が「市場の変動が大きくなりそう」と考えて行動すると、VIX指数の数値は大きくなるのです。
VIX指数のことを「恐怖指数」とも呼んでいます。
VIX指数と株価はシーソーの関係
基本的には「VIXが上がる=株価は下がる」「VIXが下がる=株価は上がる」と言われています。
- VIX上昇⇒市場が不安定で株価の変動が大きく、下げに転じていることも多い。
- VIX下降⇒市場が安定し、株価の変動が少なく右肩上がりとなることが多い。
この関係を利用して、VIXが上がってきたら株式を購入停止or売却、VIXが下がると株式を購入というスタイルの方もおられます。
あくまでVIXの一般論です。
VIXが完璧に株価の変動を反映する訳ではありません。
【VIXチャート】VIX指数と株価暴落の歴史
VIX指数を長期と短期のチャートで振り返りながら、異常値を示した時の株価暴落イベントをまとめてみました。
VIXが注目されやすいのは、市場の大きな暴落が発生した時です。
2005年からの主な出来事とVIX指数チャート
2005年からの主な出来事とVIX長期トレンドをご紹介します。
2005年以降の主な出来事とVIX推移
●2008年10月:リーマンショック⇒VIX指数79.13
●2011年10月:ギリシャ通貨危機⇒VIX指数42.96
●2015年8月:中国減速懸念⇒VIX指数28.03
●2020年3月:コロナショック⇒VIX指数66.04
約15年間で最大の出来事はリーマンショックで、瞬間的なインパクトに加えて影響が長期間継続しました。(株価は50%暴落)
2020年5月~2021年5月の主な出来事とVIX指数チャート
最近の参考になりやすい2020年5月~2021年5月の主な出来事とVIX短期トレンドをご紹介します。
2020年5月~2021年5月までの主な出来事とVIX推移
●2020年6月:コロナ感染再拡大懸念⇒VIX指数40.79
●2020年9月:米中対立激化、追加経済対策成立の遅れ⇒VIX指数33.06
●2020年10月:追加経済対策の不透明感、欧州コロナ感染者増加⇒VIX指数40.28
●2021年1月:個人投資家の投機的売買⇒VIX指数37.21
ちなみに2022年は「米国のインフレと利上げ」「ロシアとウクライナ問題」などで株式市場が不安定となりVIX30以上を推移することが度々発生しています。
まとめ
本日はVIX指数に関する概要と、応用例として米国高配当ETFの買い場についてご紹介しました。
この記事のまとめ
●米国高配当ETFは「VIXが30以上」かつ「分配金利回りが平均値以上」が狙い目
●VIX指数は、相場の先行きに対する不安感を反映している。
●VIXと株価の動きはシーソーの関係
●VIX指数が注目されやすいのは、市場の大きな暴落が発生した時。
VIX指数だけで完ぺきに買い時をつかめる訳ではありませんが、判断材料の1つとして役立つと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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