慣れない土地へ担当先の医療者と移動する場合、皆さんはどんな準備をしていますか?
先日、新しく大学病院担当のMRになった友人からこんな質問を受けました。
結論を言うと、予定通り目的地に到着できるための「行程準備」や、途中で発生する時間の「雑談」「仕事」の話を念入りに準備しています。
今回の記事では、私が実際に行っている事前準備事項と便利なアプリをエピソードも含めながらご紹介します。
MRはなぜ随行(アテンド)が発生するの?
「講演会」と呼ばれる製薬会社が行う疾患や医薬品情報を啓蒙するイベント開催が出張のきっかけになります。
講演会では、基本的に製薬会社の社員が発表するのではなく、領域のスペシャリストである経験豊富な医療関係者が講師として講演することが一般的です。
著名な医療関係者であれば、他府県から「ぜひ講師として講演してください」と依頼がくるので、担当MRは企画の調整~当日の運営まで対応することが業務として発生します。
MRの随行(アテンド)はどんな仕事をする必要がある?
主に以下はメーカー問わず発生する業務になります。
COVID-19の影響で交通や宿泊手配は一時的に減りましたが、今後も以下は続くと予想されます。
遂行業務で発生する作業
●講師(演者)への企画依頼と打ち合わせ⇒趣旨説明、打診
●交通、宿泊手配⇒交通手配、旅程作成
●書類作成⇒社内資料、講演受諾書類
●依頼元(社内)と企画内容の調整⇒演者のリクエスト対応
●当日の随行(アテンド)⇒予定通り講演会を運営するサポート
次の項目からは、順番に内容を解説していきます。
講師(演者)への企画依頼と打ち合わせ
講師に講演を打診する場合、事前情報として企画の背景を把握しておくことはとても大事です。
想定質問を作成しましたので、最低限の回答準備としてご参考ください。
企画を打診する際の想定質問準備
●どういうことを目的とした企画(講演会)なのか?
●依頼元の幹事となる医療者は誰か?
●どういう経緯で依頼が来たのか?
●どんな講演を希望するのか?
●参加者の内訳や属性は?
●毎年開催している場合、過去開催した企画内容は?
●この企画の役割者(座長、演者)はどんな人か?
●最短交通経路の所要時間は?(現地へ移動する場合)
最低でもこの点は把握した上で打診することが必要です。
もし質問されて答えられない場合、
必ずこう思われてしまいます。
基本的に講演慣れしている先生は上記対応が当たり前と思っているので「準備不足=ダメなMR」という烙印を押される可能性が高くなるので万全な準備をしておきましょう。
もしイメージが浮かびにくい方は、ご自身が急に講演を依頼された時に疑問い思うことを考えてみることをオススメします。
随行の交通手配と宿泊手配のコツ
飛行機・新幹線など、県を跨いで移動することも多いため、スムーズな交通手配ができるように準備が必要です。
経路や天候などはネットで調べるよりも土地の方に聞いた方がリアルな情報を得られますので、依頼元の社員に確認しましょう。
ここでは交通手配に便利なアプリをご紹介します。
交通系のオススメアプリ
●駅探⇒すぐに空港の発着便を調べることができるのでとても便利です!
●ANA公式アプリ⇒必須!会員になっておきましょう。
●JAL公式アプリ⇒必須!会員になっておきましょう。
●EXアプリ⇒新幹線には必須です!
●Googleマップ⇒タクシー移動の所要時間や道路混雑を把握する時に大活躍!
●乗換え検索アプリ⇒経路試算に必須です。
特にANAとJALはどちらも会員になってカードを作成することをおすすめします。
欠航や急な予定変更でアプリから迅速に対応を求められる機会が必ずあるからです。
実際、私が地方へ随行していた際には講演会中に翌朝の復路便が急遽欠航となり、もう1社の便は運航していたため携帯のアプリからすぐに手配した経験があります。
宿泊確認のチェックポイント
●ホテルの好み⇒都市部の場合、ヒルトンなどの会員であれば指定されることもある
●喫煙の有無⇒喫煙・禁煙
●ベッドのタイプ⇒キングサイズ、ダブル、セミダブル、シングル
●部屋の好み⇒広さ、階層などにこだわる人もいる
●朝食⇒翌朝の出発時間次第では、食事ではなく弁当対応で調整することもある
●部屋の設備のこだわり⇒加湿器必須などの要望がある場合も少なくない
ホテルの好み(外資系ホテル)や部屋のタイプ(キングサイズのベット)は特にこだわりのある顧客が多いと思います。
依頼元(社内)と企画内容の調整
社内の依頼元とは、「企画の目的」「当日の対応」「書類対応」などやりとりが多くなるので、打ち合わせが重要です。
特に、講演に向かうエリアの施設情報や医療者情報を事前に教えてもらうようにしましょう。
理由は、事前情報として耳に入れておいた方がよいことを把握することで、当日に地雷を踏んでトラブルになる可能性を下げることに役立つからです。
事前に把握しておくべき情報の例を挙げてみます。
事前に把握しておくこと
●講演会の幹事役医療者情報⇒誰が偉い人で、どんな対応をすれば良いか想定しやすくなる
●講師控室で同席する医療者情報⇒講師が手土産を持参する際に個数準備の参考になる
●他の演者情報⇒講演内容を確認し、ダブりが発生しないように調整しやすくなる
●依頼元エリアでの自社製剤の情報⇒急な質問にも対応しやすくなる
●有名な名産品や土地の情報⇒移動の際に雑談ネタとして役立つ
当日のMR随行(アテンド)
事前に依頼元から情報収集した注意事項があれば、当日に確認を兼ねて再度情報を伝えましょう。
また、冬や台風のシーズンは特に、当日の経路情報は念入りに確認しながら、緊急時の代替案も頭の片隅に入れておく方がいいと思います。
1番悩むのが、随行中の会話ではないでしょうか?特に初めての場合は緊張もするのでどうしようか迷うこともあります。
会話のパターンとしては主に以下の3つに分かれると思います。
①積極的に話をするMR
②相手の様子に合わせて話をするMR
③基本的にMRからは話をしないMR
正解はありませんが、無難に対応したいなら「②相手の様子に合わせて話をする」という方法になると思います。
例えば、最初は相手が話しかけてくるまで必要な用件以外はMRから話を振らず、相手から話をしてくれた時には話題を掘り下げていき、反応を見ながら会話するかやめるかを判断するという方法です。
MRからすると、沈黙が嫌でついつい無理に話をしたくなるかもしれませんが、相手の性格次第では逆効果になることもありますので注意しましょう。
まとめ
今回はMRの随行に関してご紹介しました。
対応案件数の多い方だと、週に複数回随行している大学担当者がおられます。
慣れてきても思わぬトラブルが急遽発生することので、準備は常に周到に実施しておきましょう。
準備を積み重ねていくと経験値として確実に対応力がUPしますよ。
今回の記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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