最近「株式投資を始めました!」という声を耳にする機会が増えました。
株高の報道や、YouTubeで投資に関して解説されている影響もあるのかもしれませんね。
そして、たまにお問い合わせを受けるのが以下のご相談です。
これは悩ましい問題です。
理論上は「非課税制度の分だけでも長期分散投資で運用をした方がよい」という回答になります。
ただし、心理的な面を加味して「無理をして嫌々投資を始めるのであれば、敢えて投資しない戦略もある」という考え方もあります。
この記事では、「敢えて投資をしない」という戦略と、投資以外に取るべき行動をご紹介します。
この記事の要約
●日本人の中では、投資をしていない人の方が多数派です。
●日本の経済環境が、投資にネガティブな印象を与えている可能性があります。
●投資は無理をしてまで嫌々始めるものではなく、仕組みを理解していくことが大切です。
●投資以外の選択肢で貯蓄額を増やしたい人は、家計見直しがおすすめです!
【投資しない人 割合】日本では投資をしない人の方が多数派
Twitterをしていると個人投資家が非常に多いような印象を受けますが、実社会は投資を行っていない人の方が多数派と言えます。
日本人の資産保有状況や、投資に関するデータとして参考になりそうなものを3つご紹介します。
日本銀行「資金循環統計」の家計金融資産データ
日本銀行が公開している資金循環統計を見ると、家計の金融資産の50%以上は「現金・預金」であることが分かっています。
「保険・年金・定型保証」が30%で2番目に多く、株式や投資信託は合計しても約13%程度となっています。
家計の金融行動に関する世論調査データ
こちらは、令和2年に行われた「家計の金融行動に関する世論調査」のデータです。
リスク資産を保有する意向について、積極的に保有したい層は年々拡大していますが、それでも67.6%は「保有しようとは全く思わない」という回答でした。
NISA口座開設状況の推移
最後に、NISA口座の開設数の推移です。
2020年9月時点で約1484万口座が開設されており、単純計算で国民の約10人に1人がNISA制度を利用していると推察されます。
【日本人 投資しない理由】投資に対するネガティブな印象を抱く背景
投資をしない人や消極的な思考に対して、Twitterやネットニュースのコメント欄ではこんな辛辣な意見が飛び交うことがあります。
個人の価値観でどのように思うかは自由ですが、特定の個人へ指摘する言葉としてはふさわしくないように思います。
前項でご紹介したデータから、一定数の人は投資に対してネガティブなイメージを抱いている可能性が推察されます。
要因はたくさんありますが、私が考える影響が大きそうな要因は以下の3つです。
日本人が投資に対してネガティブなイメージを抱く背景
①長いデフレにより、海外のようにインフレでお金の価値が目減りしていることを認識しにくい
②日本株がバブル崩壊後低迷し、米国株のように右肩上がりではなかった
③金融教育を受ける機会が少なかった
①に関しては、日米の比較として1980年~2021年の「消費者物価指数の前年に対する上昇率」で見ると日本はゼロ~マイナス圏で推移していることがわかります。
②については、日本がバブル景気のピークであった1989年を基準にして株式パフォーマンスを比較すると、日本株は外国株と比較してパフォーマンスが長らく低迷していることがわかります。
そのため「株式投資=増えない」という印象を抱きやすい環境にあったと予想できます。
③については、家庭内で「お金の話をするのは行儀が悪い」と親から教育された人もいるのではないでしょうか。
学校教育でも資産運用や税制を学ぶ機会がなく、家庭でも同様であれば知識を身につける機会は必然的に少なくなります。
このような3つの背景が投資に対してネガティブな印象を抱く要因だと考えています。
【投資しないほうがいい人】無理してまで投資はしなくてもよい
私は普段から投資を推奨している立場ですが、投資の仕組みやメリットとデメリットを把握した上で「敢えてやらない」と判断することもありだと思います。
理由は、無理して嫌々始めたとしても上手くいくとは限らないからです。
なぜなら長期分散投資は、多くの方が恩恵を享受できる可能性の高い手段の1つですが、運用期間は15~20年の長期で保有し続ける必要があります。
5年・10年と運用しても暴落で一時的に元本割れを起こすことは何度か経験する可能性があり、無理をしてスタートした結果「暴落時に手放す」という行動だけは避けなければなりません。
インデックス投資は長距離走に例えられることがあります。
途中で暴落という嵐や台風などに何度も巻き込まれながら、それでもやめることなく機械的に淡々と継続保有(走り続ける)できた人が投資の利益を手にすることができます。
逆に、途中の暴落に巻き込まれて志半ばで断念してしまうと、利益を得られないどころかマイナスになる可能性もあります。
つまり、投資の仕組みを正しく理解した上で、ご自身の生活状況や性格を踏まえて「継続できない」と判断した場合は、無理をせずに「敢えてやらない」という選択でもよいと思います。
このように一念発起して稼ぐ能力(戦闘力)を劇的に磨けたなら、それは1つの方法として良いことなのかもしれませんね。
投資(資産形成)は他人との競争ではない
投資や資産形成は他人と運用額・試算額競争するゲームではありません。
自分の人生を豊かにしていくための数ある手段の1つに過ぎないと私は思います。
人の価値観は多種多様で、自分にとって良いことが他人にとっても良いこととは限りません。
株式投資は、私のように好きな人間からすると奥が深くてとても楽しいので勉強が苦ではありませんが、投資に興味がない方からすると苦痛以外の何者でもないでしょう。
実際に、私の妻は当ブログを定期的にチェックしていますが、投資の記事に関してこのように言っています。
金融知識として最低限の情報は知っておいた方がよいとは思います。
しかし、人生は資産で勝ち負けが決まるゲームではありませんので、ご自身が納得できる手段を選択できれば良いと思います。
【誰にでも可能な資産形成】家計見直しで貯蓄を増やそう
投資に以外の手段で資産形成を行いたい方にオススメなのは「家計の見直し」です。
なぜなら、リスクをとらずに貯蓄額が増える数少ない選択肢だからです。
収入ー支出=貯蓄
※貯蓄を増やすには「支出削減」が効果的です!
このように感じるかもしれません。
「節約」と言われると食費のガマンをイメージするかもしれませんが、そこからスタートするのはおすすめできません。
まずは「固定費」と呼ばれる携帯料金・保険・光熱費など、一度変更すればあとは継続的に節約できる項目からスタートがベストです!
実例として、私は本格的に投資を始める前にまずは以下の家計見直しからスタートしました。
Before | After | |
家計簿 | なし | 作成 |
生命保険 | ドル建て終身保険① ドル建て終身保険② 掛け捨て収入保障保険 掛け捨て団体保険 | 掛け捨て収入保障保険 掛け捨て定期保険 掛け捨て団体保険 |
自動車保険 | ネット保険 | ネット保険 (一括見積サイトで比較) |
火災保険 | 入居時に不動産業者から 紹介された保険 | ネット保険 |
医療保険 | 未加入 | 未加入 |
学資保険 | 未加入 | 未加入 |
携帯代 | ソフトバンク | 楽天モバイル |
電気代 | 大手電力会社 | 自宅①オール電化プラン継続 自宅②電力会社乗り換え (一括見積サイトで比較) |
クレジットカード | JALゴールド 楽天ゴールド | JAL CLUB-A 楽天普通 |
NHK | 2ヶ月払い | 12ヶ月払い |
チャレンジ こどもちゃれんじ | 毎月払い | 年払い |
アプリ会費 | 毎月払い | 退会 or 年払い |
楽天経済圏 | あまり利用せず | フル活用 |
ふるさと納税 | 利用済 | 利用済(寄附先を厳選) |
仙人のように節制する必要なく、貯蓄額を増やす方法として具体例を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
今回は「投資をしない」という選択肢について考察してみました。
当ブログでは投資の記事を書き続けているので、投資をしなければいけない圧力のように感じてしまった方もいるかもしれません。
しかし、「あくまで投資は人生を豊かにする手段の1つに過ぎない」ということを認識していただければ幸いです。
●日本人の中では、投資をしていない人の方が多数派です。
●日本の経済環境が、投資にネガティブな印象を与えている可能性があります。
●投資は無理をしてまで嫌々始めるものではなく、仕組みを理解していくことが大切です。
●投資以外の選択肢で貯蓄額を増やしたい人は、家計見直しがおすすめです!
最後に、投資を「する」「しない」に関わらず、投資の知識や金融知識をインプットしておくことは大切だと思います。
ネット経由で情報を得る手段は豊富にありますが、当サイトでも役立つお金の情報を発信していきますので、少しでも皆さんの役に立てると嬉しいです。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました!
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