突然ですが、現在の自分は周りからどのような存在と認識されているのかを考えたことはありますか?
実は私はこれまで考えたことがなく、どちらかと言えば「がむしゃらに突き進む」というタイプでした。
そして、久しぶりに再会した同僚から当時の自分に対する感想を教えてもらうと、こう感じることが多々ありました。
「人生のビジョン」や「仕事の価値観」を持つこと大事とよく言われますが、どのように考えればよいかという方法を知らないと、理想を描きにくいと思います。
そこでこの記事では、ピーター・ドラッカー、スティーブ・ジョブズという偉大な2人の考え方をご紹介します。
仕事や人生を考える上での大きなヒントになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
【ピーター・ドラッカーの人生観】自分は何によって憶えられたいか?
「知の巨人」「マネジメントの父」と称された、ピーター F. ドラッカーは、以下の話を「人生の早い時期に問いかけてもらった人は一生を通じて自らに問い続けていくことができるので、運が良い人だ」と述べています。
私が13歳のとき、宗教の先生が「何によって憶えられたいかね」と聞いた。誰も答えられなかった。
すると、「答えられると思って聞いたわけではない。でも50になっても答えられなけえれば、人生をムダに過ごしたことになるよ」といった。
引用:非営利組織の経営
この問いは、「自分がどのような存在として記憶されたいか?」と自分自身の「あり方」を問う意味があります。
周囲の人が「今の自分の貢献をどのような形で記憶に残していくのか?」という未来を想像してみてはいかがでしょうか。
参考として「自分は何によって憶えられたいか?」を掘り下げる思考法をご紹介します。
ドラッカーの問いかけを実践する4つの思考ステップ
①同僚・顧客と10~20年後に再開した時「自分のことをどう表現してもらいたいか?」をイメージする
②描いた姿と現在の姿を振り返る
③自分がなるべきことを考える
④定期的に振り返りを行う
この問いかけは「3~5年後に仕事や人生が変わる魔法の問いかけ」とも呼ばれている方法になりますので、騙されたと思ってぜひお試しください。
同僚・顧客と10〜20年後に再開した時「自分のことをどう表現してもらいたいか?」をイメージする
自分の価値観に合わせてイメージすればOKです。正解があるわけではないのでご安心ください。
参考例を2つ記載してみます。
描いた姿と現在の姿を振り返る
ステップ①で描いた姿に対して「今の自分は理想を達成できる言動をしているか?」と振り返ってみましょう。
この時点でギャップがあったとしても落ち込む必要はありませんよ。
むしろ、ギャップがあった方が伸びしろがあると思えばOKだと思います。
自分がなすべきことを考える
理想と現状を把握できたら、次は「今、自分がなすべきことは何か?」を自問してみましょう。
●理想通りの言動ができている人⇒そのまま進んでいけばOKです。
●理想と現状にギャップを感じた方⇒自分が思い描く姿に向けて自己刷新を促せばOKです。自分なりに理想的な人物像をイメージし、今から少しずつ行動を変えていけばOKです。
定期的に振り返りを行う
基本的には①~③のステップで完結しますが、これを1回やってみて終わりではなく定期的に見直しを行うことをおすすめします。
例えば、半年に1回など、年間を通じて数回実施するとちょうどよいペースになると思います。
理想像を描く時は、あくまで「自分がどうありたいか?」と意識することが大切です。
「周りからどう見られたいか?」と他者視点で考えることと混同しないようにご注意ください。
【スティーブ・ジョブズの人生観】スタンフォード大学でのスピーチ
さらに深く人生の価値観やビジョンを見つめ直したい方は、前項でご紹介した「同僚・顧客」を「家族」に置き換えて考えてみましょう。
「自分が死を迎えた時に、家族から自分のことをどう表現してもらいたいか?」とイメージしてみると、本当に自分がなりたかった姿が見えてくると言われています。
●親「あの子は○○な子だった」
●パートナー「私にとって○○な人で、いつも△△だった。」
●子供「○○な親だった」
この考え方は「死生観」と向き合うことになり、少々重たく感じるかもしれません。
そこで参考情報として、2005年にApple創業者のスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチの内容をご紹介します。
このスピーチでは「①点と点を結びつけること」「②愛と喪失」「③死」の3つをテーマに話をしており、この記事では③の一部を抜粋します。
3つめの話は「死」についてです。
17歳の時に、こんな言葉に出会いました。
「毎日を人生最後の日だと思って生きよう。いつか本当にそうなる日が来る」
その言葉に感銘を受けて以来33年、私は毎朝鏡の中の自分に問いかけています。
「今日で死ぬとしたら、今日は本当にすべきことをするか?」
その答えが何日も「NO」のままなら、何かを変える必要があると気付きます。
「すぐに死ぬ」という覚悟があれば、人生で重要な決断をする時に大きな自信となります。なぜなら、ほぼ全てのものは、周囲からの期待、プライド、失敗や恥をかくことへの恐怖など、そういったものは死に直面すると消え去るからです。
そこに残るのは、本当に必要なものだけです。死を覚悟して生きていれば「何かを失う気がする」という心配をせずに済みます。
あなたは初めから裸なんです。素直に自分の心に従えば良いのですよ。
ー中略ー
「誰も死にたくない」
「天国に行きたい人でもそのために死のうとはしない」
しかし死は全ての人の終着点であり、誰も逃れたことはないし、今後もそうあるべきだ。
なぜなら、死は生命の最大の発明なのだから。
死は古きものを消し去り新しき者への道をつくる。ここでの「新しき者」は君たちです。
しかしそう遠くないうちに君たちも「古き者」となり消えてゆきます。
大袈裟ですみません。しかし、紛れもない事実です。
あなたの時間は限られています。無駄に他人の人生を生きないこと。
ドグマに囚われないでください。それは他人の考え方に付き合った結果にすぎません。
他人の雑音で心の声が掻き消されないようにしてください。
そして最も大事なのは、自分の直感に従う勇気を持つことです。
直感とは、あなたの本当に求めていることを分かっているものです。
それ以外は二の次です。
引用:スティーブ・ジョブス 伝説のスピーチ 2/2 – YouTube
このスピーチの最後には、「自分の時間には限りがあるので無駄に他人の人生を生きないこと。最も大事なことは自分の直感に従う勇気を持つことです。」と述べられています。
人生の価値観やビジョンが描けずに悩んでいる方は、この思考方法を参考にしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、仕事や人生の「価値観」や「ビジョン」を見直すヒントを解説しました。
●「自分がどのような存在として記憶されたいか?」と自問してみる
● あくまでも「自分がどうありたいか?」ということを意識する
●理想像を描けたら、今の自分の言動は理想に向かう延長線に沿ったことを行う
●年に2回を目安に定期的に理想と現状の振り返りを行う
●さらに深く人生の価値観やビジョンをイメージしたい時は、「死」と「残した家族」を意識してみる
「過去の自分を覚えている人からどんな言葉を掛けてもらいたいか?」ということを考えるのは、自分の価値観を探る有効な方法になりますので、試してみてはいかがでしょうか。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。
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