みなさんは「資産形成」と「資産運用」という言葉を聞いてどんなことを考えますか?
こんなことを思い浮かべた方が多いのではないでしょうか。
厳密には言葉の定義が異なっており、この記事では以下の認識で考えてみたいと思います。
- 資産形成の定義
- 資産を積み上げていくこと。
例)0から100にコツコツ増やすイメージ。
- 資産運用の定義
- 形成された資産を投資で増やしたり、資産を守ること。
例)100から500・1000と加速度的に増やしていくイメージ。
人生100年時代と言われる現代では、資産形成から開始し、資産運用を進めていく必要性が高まっています。
そこで、この記事ではこんな疑問をお持ちの方に資産形成と資産運用を解説していきます。
なぜ資産形成と資産運用が大切か?
昭和的な生き方が崩壊し、自助努力が必要な時代に突入しているからです。
政府が、国の税収UPにつながらない「NISA」や「iDeCo」などの非課税優遇制度を用意しているのは、このような環境変化に私たちが対応できるよう促す狙いがあります。
収入面の環境変化
●終身雇用制度が崩壊し、1つの会社にしがみついて生き残ることは困難
●年功序列で右肩上がりの給与水準は終了し、能力に応じた給与になる
●年金受給年齢引き上げや、受給額が減る可能性もある
支出面の環境変化
●寿命延伸による生涯にわたる必要生活費の増加
●教育費のインフレ傾向による、子育て世帯の負担増加懸念
【資産を増やす選択肢】収入の増加と支出の削減
資産を増やす手段には「収入の増加」と「支出の削減」の2つが選択肢としてあります。
お金を増やす手段は何か?と質問されると、多くの方は「投資」が頭に浮かびやすいと思います。
しかし、投資だけで増やそうとしても支出が変わらない(増える)場合は、資産増加スピードはそこまで速くならないです。
大事なことは「資産増加に影響を与える因子を分解し、それぞれにバランスよく介入していくこと」だと私は考えています。
製薬会社に勤務している方は比較的給与水準が高いため、投資用資金の捻出が比較的容易であることから、お金を減らすことを防ぐ意識が疎かにならないよう注意しましょう。(マイナス面の削減意識)
資産増加に与える因子について、それぞれ解説していきます。
【資産形成】手元に残るお金を増やすための考え方
収入の増加と支出の削減が軸になります。(家計管理)
一部、低リスクの運用も概念上は入ってきますが、基本的には収支改善がメインとなります。
主な収支改善項目は下記の通りです。
【増加因子】
●給与収入を増やす(昇進・転職)
●副業で増やす
収入増加の速度は「転職>副業>昇進」です。
●転職:新しい経験や軸を作れる場合はキャリアダウンでもありですが、MR→MRのキャリアダウンは効果が薄いと思います。
●副業:スキルアップや仕事に関連する業種がオススメです。ストック型の副業であれば、本業のサブとしても有用です。
●昇進:最も重要ですが、時間はかかります。また、自分だけでコントロールできない点がネックです。
【削減因子】
●固定費を削減(保険料・通信費・住居費など)
●変動費を削減(生活費など)
年間12,000円(月1,000円)相当の削減効果は大したことがないと考えがちですが、仮に配当金で換算すると配当利回り3%の場合、400万円投資してやっと手にする金額です。
このように考えると、固定費削減効果の大きさがご理解いただけると思います。
●固定費:効果が最も大きい部分です。変更に時間がかかる場合もありますが、1度実施すればOKなので時間対効果は大きいです。
●変動費:月々で若干変動する生活費等のお金です。固定費を見直した次に、ここもチェックすると良いと思います。
【資産運用】手元に残ったお金に働いてもらう考え方
ここでは投資が軸になります。
一口に投資と言っても「株・債券・不動産・金」など様々な手段があります。
それぞれの因子別に見ていきます。
【増加因子】
投資と言ってもタイプが異なりますので、ご紹介します。
●投資で増やす(キャピタルゲイン:インデックス投資・金・不動産投資など)
●投資で増やす(インカムゲイン:高配当株投資・不動産投資など)
●キャピタルゲイン:資産価値の上昇による利益です。
例)購入価格よりも売却価格が高い場合に発生する利益のイメージです。
●インカムゲイン:資産を保有中に得られる利益です。
例)配当金・家賃収入による利益のイメージです。
【削減因子】
下記項目に引っかからないように注意しましょう!
●詐欺(うまい話・保証人トラブルなど)
●ボッタクリ(高手数料の投資・不要な保険への加入など)
●投資失敗(投機案件への介入など)
いくら貯蓄や投資で成功した一方で、ミスにより資産を減らしてしまうと意味がありません。
●詐欺:うまい話には裏があるので注意しましょう。
例)1年で元手が確実に20%増える投資・久しぶりに連絡があった知り合いからの保証人依頼などのイメージです。
●ボッタクリ:相場を知らない場合、相手から言いくるめられるので注意しましょう。
例)運用手数料2~3%の投資信託・不要なオプションを盛り込んだ高額保険のイメージです。
●投資失敗:投資と投機を間違えないように注意しましょう。
例)投機はFX・デイトレ・ビットコインなどのイメージです。ハイリスクハイリターンな商品が該当します。一部では利益を得ている方がいますが、全体で見ると初心者ほどカモにされて資産を減らす可能性が高いです。
【トマ・ピケティ 21世紀の資本】r>gという考え方
トマ・ピケティの「21世紀の資本」という書籍で語られた、「r>g」をご存知でしょうか?
彼の主張は「資本主義の富の不均衡は放置しておいても解決できずに格差は広がる。格差の解消のために、なんらかの干渉を必要とする」というものです。
上記の根拠として「r>g」という法則が示されています。
「r」は資本収益率、「g」は経済成長率を示しており、彼の分析結果では「r」が年に5%に対して「g」は1~2%程度しかなかったと指摘しています。
つまり「r>g」とは、資産 (資本) によって得られる富は、労働によって得られる富よりも成長が早いということを示しています。
こう思った方は、ざっくりと「資本主義社会では、資産を持っている人は裕福になるスピードが速く、何も持たずに労働の賃金しか得ていない人はどんどん取り残されるよ」という理解でOKです!
この理論から考えると、私たちも「r」の資産家側になる必要があり、資産家になるためには「資産形成→資産運用」のサイクルを回していくことが大事だという発想につながっていきます。
こう思った方に朗報です!
トマ・ピケティは、お金や不動産などの富や資産以外にも、「人的資本」を資産として述べています。
例えば、知識・スキル・人脈等は後の収益化(昇給・副業収入など)につながる大事な資産として考えることができるため、自分のブランド力UPも資本主義社会を生き抜くために重要な要素と考えられています。
今すぐお金がなくとも、資産形成と自己投資に努力することで、何もしていない「g」側の人よりも一歩も二歩も先に行くことが可能になります。
具体的な資産形成と資産運用の方法
資産形成と資産運用の具体的取り組みは、過去記事でご紹介していますので、特に役立つ内容を以下にご紹介します。
【資産形成】
●支出見直しの全体像を知りたい方はこちらをご覧ください
【資産運用】
●ほとんどの方が最初にやるべき「つみたてNISA」はこちらをご覧ください
まとめ
今回は資産形成と資産運用についてご紹介しました。
右肩上がりの給料・退職金・年金で余裕のある人生設計のイメージは完全に崩壊していますので、自分で自分の身を守ることが大切です。
急に慌てる必要はありませんが、時代が変化に対応して「資産形成・資産運用・自己投資」の3つを並行して進めていけば、最後に笑える人生を送れると私は思います。
まだまだ私も偉そうに言える立場ではありませんので、読者の皆様と一緒に変化に対応できるよう努力していきたいです。
今回の記事が、皆さんの明るい未来のお役に立てると嬉しいです。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!
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