皆さんの職場では「働き方改革」という言葉をどれくらい耳にしますか?
こんなことが起こっているのではないでしょうか。
私の会社でも同様のことが発生していますが、澤 円さんの考え方がとても参考になったので、私の実例を交えながらご紹介したいと思います。
改革にはマインドセットのアップデートが大事です!
この記事で皆さんも一緒にマインドセットを改革していきましょう。
澤 円(madoka sawa)さん
株式会社圓窓 代表取締役
元・日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員
琉球大学 客員教授
企業に属しながら個人でも活動を行う「複業」のロールモデルとなるべく活動中。
引用:株式会社圓窓より
この記事でわかること
●報告(過去のこと)、連絡(現在のこと)、相談(未来のこと)の3つの中で相談に比重を置く
●考える時間を確保することが重要
●過剰な礼儀はただのコストであることを認識する
●「怒られないように失敗を回避する」というマインドセットは危険
●「とりあえず」「丁寧」「特別対応」のワードに要注意
●まずは、やらないことを決める
●時間は貸し借りするものという認識を持つ
【生産性意味】効率化のはずが無駄な会議は増えるジレンマ
働き方改革や時短術をテーマにした書籍やニュースは何度も目にする機会があります。
その中でも特に言われるのが「生産性の向上」です。
みなさんの職場では、こんな不思議なことが起きていませんか?
度重なる会議・・・・膨大な社内用資料・・・ここは昭和??
文章にすると違和感を感じるかもしれませんが、実際にはこんなことが様々な企業で起こっています。
では、どれから手を付けるべきでしょうか?
まずは多くの人が日常の業務で行っているホウレンソウ(報告・連絡・相談)から考えてみましょう!
【生産性を上げる方法①】ホウレンソウの見直し
報告・連絡・相談(ホウレンソウ)は多くの方が新入社員の時に指導を受けると思います。
確かに重要な要素ですが、それぞれの「意味」や「比重」について説明される機会は少ないように感じます。
報告・連絡・相談の3つを同じ重要度で伝えるのではなく、重みづけを変えて伝えることが大切です。
報告・連絡・相談には「時間軸」の視点を持つ
まずは、「時間軸」の視点です。
報・連・相の時間軸
●報告⇒過去のこと
●連絡⇒現在のこと
●相談⇒未来のこと
報連相を時間軸で考えてみると、最も時間をかける必要があるのは「相談」になります。
理由は、未来を創っていくことに対して時間をかけることが、これからの成果に繋がるからです。
ところが、うまく機能していない職場では「報告(過去)」「連絡(現在)」に時間を使いすぎている傾向があります。
もし心当たりのある方は、未来に目を向けることを意識してみてはいかがでしょうか。
報告・連絡・相談の「性質」を意識する
次に、報連相の「性質」です。
報連相の性質
●報告は不変性⇒過去のことを改変すると問題になる(不正など)
●連絡は即時性⇒連絡の手段に電話を使うと、人の時間と集中力を同時に奪っているので要注意。
●相談は人間性⇒飲み会は全員が参加できるわけではない(行きたいわけではない)ので、飲み会に依存する相談は今の時代に合わない。
嫌な話や失敗したことを報告する時は少しでもマイルドに伝えたい気持ちになりますが、事実をぼかして伝えてしまうと本質的な問題や課題が見えずに適切なアプローチをとりにくくなります。
私は新人時代に「少しでも怒られないように・・」という気持ちが強すぎて、事実をごまかして伝えてしまったことで、もっと怒られた経験もあります。笑
また、「電話」は私の周りでも嫌がる人が徐々に増えてきている印象があります。
基本的にはチャットやメールで用件を済まし、どうしても電話をしたい時にはショートメールで通話可能な時間を聞くなど、相手の時間を奪わない配慮が必要な時代になってきていると思います。
このように、報連相の時間軸・性質(伝え方)を意識してみてはいかがでしょうか。
【生産性を上げる方法②】考える時間を確保する
実は、じっくりと仕事に関して「考える時間」を作ることが大切です。
常にバタバタしている人は、「毎日千本ノック状態」が続いてませんか?
①会議が乱発⇒②報告を受け続ける⇒③報告に対して瞬間的に決めていく
このように、報告のための会議(出席者が多い割には発言をしない人が多い)に時間をとられ続けると、徐々に判断力が鈍ってきます。
なぜなら、人間はゆっくり考える時間がないと判断ミスが誘発されるからです。
このように思った方は、もしかすると「礼儀正しく時間を奪う人」に貴重なリソースを盗まれていませんか?
「礼儀正しく時間を奪う人」とは、例えばこんな人です。
礼儀正しく時間を奪う人の例
●メールで済む用件にも関わらず、とりあえず対面で時間を確保しようとする
●用件は1個だけなのに回りくどい挨拶文や形式的な文章が詰め込まれて何を言いたいか分からないメールを送りつけてくる
●チャットで済む用件を毎回会議で集めて相談や打ち合わせをしようとする
過剰な礼儀はただのコストであることを意識しておきましょう。
【考える時間を増やす方法】恐怖ワード&悪魔の誤変換をやめる
考える時間を確保したくてもできないと思った方はおられませんか?
そこで、今よりも時間を生み出せるようになる考え方をご紹介します。
それは「恐怖ワード」と「悪魔の誤変換」という2つです。
恐怖ワード「とりあえず」のつく仕事はやらない
「とりあえず」という言葉がでてきたら警戒心を最大レベルに引き上げましょう。
この言葉が出てくれば「とりあえずやらない」と考えるようにしましょう。
理由は、あってもなくてもどちらでもよいという意味になるので、やらなくても問題ないことが多いからです。
この恐怖ワードが出てきたら、心の中でこうツッコんでみましょう。
悪魔の誤変換「長時間」「例外処理」の美談化は厳禁
実際は良いことではないにも関わらず、言葉を変換して美談にするケースに注意しましょう。
ここでは代表的なことを2つご紹介します。
悪魔の誤変換「長時間」「例外処理」の美談化
①長時間⇒丁寧と誤変換して表現する
②例外処理⇒特別対応と誤変換して表現する
①「長時間」⇒「丁寧」
時間をかけたからといって良いとは限らないのに、「丁寧な仕事」と表現するのはやめましょう。
これは美味しそうだな~と思いますが、
これには「そんなに時間かけなくていいからもっと早くだせ!」とツッコんで良いと思います。
②「例外処理」⇒「特別対応」
ルールがあるにも関わらず例外処理を行って「特別対応」と美談にしてしまうと、様々な所で例外が増殖して根本のルールが機能しなくなります。
また、例外処理の噂が出回って、クレームの元凶になることもしばしばあるのでやめましょう。
【生産性を上げる思考法①】やらないことを決める
生産性を向上させたいなら、「減らす」というマインドセットを持ちましょう!
「やらないことを決める」という考え方がとても大事です。
チェックポイント
●優先順位⇒重要度と作業手順に従って、タスクを行うべき順序を決定すること
●劣後順位⇒やらないことを決めること
あの有名なピーター.F.ドラッカーもこのように述べています。
実は、本当に行うべきことは優先順位の決定ではない。
優先順位の決定は比較的容易である。
集中できるものがあまりに少ないのは、劣後順位の決定、
すなわち取り組むべきでない仕事の決定とその決定の遵守が至難だからである。
引用:「経営者の条件」 P.F.ドラッカー
成果をあげるには、重要なことを一つひとつ片づけていくしかない。
優先順位を決め、それに従うには役に立たなくなったものを捨てなければならない。
そのためには劣後順位を決めなければならない。
状況の変化に応じ、優先順位と劣後順位を変えていく。
状況に流されて優先順位を決めるならば、重大な機会は失われ、本来なされるべき仕事は一向になされないことになる。
引用:プロフェッショナルの原点 P.F.ドラッカー(著)
例えば、「とりあえず集まっている会議」は真っ先に削減できる対象になると思います。
こういう意見は必ず出てくると思います。
それでも、まずはやめてみることをオススメします。
やめてみて、もし困ることがあったら社内イントラ等を使って困る部分だけどうやって補うかの手段を考えればよいのです。
全体の決定権がない方の場合、任意参加の会議や出席する意義が見いだせない会議は「出ない」という決断をすることから始めてみましょう!
【生産性を上げる思考法②】時間は貸し借りするもの
「時間を貰う」という価値観は古くなってきており、今は「時間を貸し借りする」という考え方に変わってきています。
1日24時間は誰にも変えることができません。
しかし、時間の使い方は誰にでも自由に変えられます。
「時間は貸し借りするもの」という価値観で考えることができれば、相手の時間を借りた時は相応の価値をつけて返す必要があると認識するようになるでしょう。
お互いが時間の貸し借りを意識すれば、無駄な時間の使い方が減少すると思いませんか?
●やらないことを決めれば時間が増える。
●時間があれば、新しい価値を生み出せる。
この新しいマインドセットを今日から試してみてはいかがでしょうか?
仕事に対する海外の人の考え方(トレンド)
では、海外の人は仕事に対してどんな考え方に変化しているかをご紹介します。
海外の人の仕事に対する考え方
●Knowing=知識の蓄積
●Doing=超実践主義
●Being=どうありたいか?
今のトレンドは「自分がどうありたいのか?」と自問自答して、見いだされたものを求めることが主流になってきています。
最近話題のFIRE(Financial Independence Retire Early)ムーブメントも、この考え方につながりますね。
「仕事は幸せになるためのもの」という考え方を基に、自己表現や楽しさを感じながら働くことが本来の姿というイメージです。
こういう考え方に変化していることを認識しておきましょう。
日本の会社の社員教育と弊害
日本企業は新入社員を「育てる」という価値観で教育プログラムを組んでいることが一般的です。
新入社員で研修を開始し、会社で仕事をしていけるように手取り足取り指導して、1から育てていくスタイルが定着していますね。(年功序列・終身雇用)
これに対し、海外では新入社員も「即戦力」が求められる国もあるので、日本企業のやり方がグローバルスタンダートではないことを認識しておく必要があります。
日本式の「育てる」という社員教育システムには一長一短があると思いますが、「社員を子供のように扱う」という点は日直す必要があると感じます。
人間のマインドセットとして「子ども扱いすれば子供のように振る舞うようになる」という習性を認識しておく必要があります。
このように思うかもしれません。しかし、例えばこんな人が身近におられませんか?
子供のように振る舞う大人の特徴
●指示されるまで動かない人
●教わっていないことは自分からやらない人
●怒られないように失敗を回避する行動ばかりとる人
ここで1番の問題は「怒られないように失敗を回避する」ということです。
理由は、この思考が習慣化すると挑戦をしないようになり、組織でイノベーションが生まれにくくなるため、結果的に企業は衰退していくことに繋がっていくからです。
「失敗を恐れずに挑戦しよう」と口だけで言うのではなく、もし失敗しても肯定的に捉える文化の醸成が重要だと思います。
まとめ
今日は、澤円さんの講演内容を基に、生産性を上げる考え方や時間の考え方をご紹介しました。
●報告(過去のこと)、連絡(現在のこと)、相談(未来のこと)の3つの中で相談に比重を置く
●考える時間を確保することが重要
●過剰な礼儀はただのコストであることを認識する
●「怒られないように失敗を回避する」というマインドセットは危険
●「とりあえず」「丁寧」「特別対応」のワードに要注意
●まずは、やめることを決める
●時間は貸し借りするものという認識を持つ
私も澤さんの話を聞いて、見直すべき点がいくつもあったので実践中です。
これまでのやり方を変えていくのは心理的負荷がかかるかもしれませんが、小さなことから少しずつ行動していきましょう!
本日も最後までご覧いただきありがとうございました!
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