家計見直し

医療保険は必要?公的保険制度と見直しポイントを解説

皆さんは医療保険やがん保険をご存知でしょうか?

テレビCM等の広告で、民間保険会社が医療保険を紹介しているのを思い出した方もいるのではないでしょうか。

この記事では、「医療保険・がん保険は不要」という理由について制度や保険の注意事項をもとに解説します。

無駄な支出を削減することで、将来への資産形成にも役立つ知識です。

非医療系職種の方にこのような話をすると

非医療系職種の方
非医療系職種の方
そうは言っても万が一の時に不安ですよ。

このような「理論<感情」で物事を判断してしまうことがあります。

しかし、当ブログをご覧になっていただいている方は医療系の職種が多いと思いますので、冷静に必要性を判断しましょう。

代表的な保険のメッセージにはこのようなものがあります。

保険CM
保険CM
長期の入院に備えることができます!
保険CM
保険CM
先進医療にも対応しているので安心です!

このような宣伝文句に引っかからないように理論武装をしましょう!

保険の必要性を考える大原則

皆さんは保険の位置づけをどのように考えていますか?

保険の必要性を判断する上で、どのようなリスクに保険で対応するべきかを考えることはとても重要です。

基本的に保険は、「頻度が少ないが発生した時の損害が大きいリスクに対して備える」という考え方をオススメします。

もう少し分かりやすく言うと、「本来はめったに起きないが、一度起こると個人だけでは背負いきれない経済的リスクは保険でリスク分散をする」ということです。

1番イメージしやすいのは自動車保険の対人補償です。(無制限が基本)

あなたが自動車を運転し、人身事故を起こして相手を死亡させてしまうということが発生する頻度は少ないですが、発生した時には億単位の賠償が発生する可能性もあるため損害は非常に大きいです。

ですので、自動車保険は対人対物事故に備えて加入する必要性があります。

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病気の頻度

人生100年時代と言われる日本の長寿社会の中で、全く病気を経験せずに生涯を終えることは難しいです。

そのような意味では、先ほどの自動車事故等の頻度と比較すると病気になる頻度は多いと言えるのではないでしょうか。

病気の頻度は個人差が大きい

中医協が平成31年に出している「年代別・世代別過大(その2)」の資料からは、20~40歳ではメンタル系疾患、40歳以降は生活習慣病(高血圧、糖尿尿)が気になる疾患の上位に挙がっています。リンクはこちら

また、厚生労働省の患者調査(平成29年)では、日本国内の医療機関で調査を行った、主な傷病の総患者数が公開されています。リンクはこちら

ざっくり言うと、生活習慣病・歯科疾患・ガン・心血管疾患・精神疾患が上位という結果でした。

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【総患者数】

調査日現在において、継続的に医療を受けている者(調査日には医療施設で受療していない者を含む。)の数を次の算式により推計した。

【計算式】

総患者数=入院患者数+初診外来患者数+再来外来患者数×平均診療間隔×調整係数(6/7)

病気の損害額

病気の損害に関して、医療費を考えてみましょう。

厚生労働省の医療給付実態調査 報告書(平成30年度)のデータを見てみると、1人当たりの医療費総計は年齢を重ねるごとに上昇し、10万円~60万円未満の幅で推移しています。リンクはこちら

1人当たりの医療費とは、患者の窓口負担+健康保険からの給付費の合計です!(患者の窓口負担額のみを示したものではない)

この結果を見て、このように思った方がおられるのではないでしょうか?

質問者
質問者
一般的にはそうかもしれないが、ガンや循環器系の大きな病気をすると医療費は増えるでしょ?

確かにご指摘の通りで、医療費総額は一気に跳ね上がります。

厚生労働省の医療給付実態調査 報告書(平成30年度)のデータや患者調査の結果から試算すると、おおよそ医療費は100万円~300万円の幅で想定しておけば十分だと思います。

質問者
質問者
やっぱり高いじゃない!

このように思った方は必ず以下を確認してください。

大事なのは、医療費自体が高額でも民間保険に加入していない状態で自己負担を軽減してくれる保険や制度に誰もが既に加入しているということです。

つまり、無保険と認識しがちですが、日本人の多くは手厚い保険に加入済みの状態ということです。

次からはこの点に関して解説します。

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①健康保険

日本国民が加入している、非常に優秀な保険です!

当たり前すぎで意識していない方が多いかもしれませんが、この制度に守られている恩恵は絶大です。

おさらいを兼ねて、主な3つの保険内容を見ていきましょう。

医療費自己負担

現行制度での医療費自己負担は年齢や収入に応じて1割~3割の負担に区分分けされています。

つまり、前項で医療費概算で100万円~300万円と記載しましたが、3割負担(33万円~90万円)・2割負担(20万円~60万円)・1割負担(10万円~30万円)と実質自己負担は100万円未満に収まる計算ができます。

医療費の自己負担

【3割負担】

・6歳(義務教育就学後)~70歳未満

・70歳以上の現役並み所得者

※現役並み所得:標準報酬月額28万円以上

【2割負担】

・0歳~6歳(義務教育就学前)

・70歳~75歳未満かつ現役並み所得がない者

※2014年4月1日までに70歳になった人は特例措置で75歳になるまでは1割負担が継続される

【1割】

・75歳以上かつ現役並み所得がない者

自由診療などの例外はあります。

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高額療養費制度

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、ひと月(月の初めから終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。
※入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。

引用:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」より

つまり、患者さんの背景に応じて1~3割の負担は発生しますが、一定額を超えると負担は増加しないということです。

ざっくり言うと、1世帯の医療費自己負担上限は月10万円程度で済みます。

ガン治療薬やバイオ製剤で高額な薬剤が続々と登場していますが、患者負担額の観点だけで言うと、一定以上の金額になればどこまで高額な治療を受けても金銭的には関係ないということになります。

高額療養費制度に関して詳細は以下記事をご覧ください。

傷病手当金

4つの条件をすべて満たすときは、「傷病手当金」をうけることができます。(被保険者のみが対象)

同一の傷病について、支給を開始した日から最長1年6ヵ月間、おおよそ過去平均1年間の月収の2/3の金額を受け取ることができます。

傷病手当金の4条件

  • 業務外の病気やケガで療養中であること。
    業務上や通勤途中での病気やケガは労働災害保険の給付対象となりますので、労働基準監督署にご相談ください。
  • 療養のための労務不能であること。
    労務不能とは、被保険者が今まで従事している業務ができない状態のことで、労務不能であるか否かは、医師の意見及び被保険者の業務内容やその他の諸条件を考慮して判断します。
  • 4日以上仕事を休んでいること。
    療養のために仕事を休み始めた日から連続した3日間(待期期間)を除いて、4日目から支給対象です。
  • 給与の支払いがないこと。 ただし、給与が一部だけ支給されている場合は、傷病手当金から給与支給分を減額して支給されます。

美容整形手術など健康保険の給付対象とならない治療のための療養は除きます。

引用:全国健康保険協会 サイトはこちら

②付加給付制度

健康保険以外に、所属する会社・組織で独自に給付制度を設定し、医療費負担額をさらに軽減する制度を用意しているケースがあります。

高額な医療を受ける際には、公的な制度に加えて会社や組織内での制度を把握することで、治療の選択肢が広がる可能性もあります。

私が、製薬会社の方は医療保険は不要と考える理由は、健康保険に加えて付加給付が手厚く用意されている会社が多いからです。

製薬会社の例として武田薬品健康保険組合の独自給付を見てみましょう。

【武田薬品健康保険組合独自の付加給付・一部負担還元金】

●標準報酬月額83万円以上:最終的な自己負担(月)60,000円

●標準報酬月額53万円〜79万円:最終的な自己負担(月)30,000円

●標準報酬月額50万円以下:最終的な自己負担(月)20,000円

保険医療機関で支払った自己負担額が「最終的な自己負担」額を超えた場合は、その超えた額から高額療養費を差し引いた金額が一部負担還元金等として給付されています。

また、高額療養費に該当しない場合でも、医療機関で支払った自己負担額が「最終的な自己負担」額を超えている場合は、その超えた額が一部負担還元金等として給付されます。

引用:武田薬品健康保険組合ホームページ

いかがでしょうか?

要は、平均的な給与水準の社員・家族の医療費自己負担は2~3万円/月以上かからないということです。

高額療養費制度が10万円/月がおよその目安でしたので、さらに手厚く補償されているのがわかりますね。

このように、付加給付制度は恩恵が非常に大きいにも関わらず、制度自体が知られていないケースは意外と多いです。

当ブログをご覧になった方は、後程ご自身の所属される組織の付加給付制度を確認してみましょう。

③その他の自己負担軽減制度

これだけでも十分手厚いですが、他にもまだまだ制度が用意されています。

難病医療費助成制度

指定難病を罹患している方の医療費負担軽減を目的とした制度です。

自己負担上限額のポイント

●所得に応じた区分がある

●2割の患者負担は発生する(後期高齢者など1割負担の方を除く)

●外来・入院の区別はない

●1ヶ月の合算(複数の指定医療機関でも合算可)

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難病医療費助成制度をさらに詳しく知りたい方は以下記事をご覧ください。

重度心身障害者医療費助成制度

都道府県や市町村によって、身体障害者手帳・療育手帳・特別児童扶養手当・精神障害者保健福祉手帳の等級に応じた自己負担助成制度が設けられています。

細かな制度内容は各地で若干異なりますが、例として自己負担上限500円/1日のところなどがあります。

医療費控除

1月1日~12月31日までに医療費として支払った金額の一部は課税しませんよ!という制度です。

確定申告を行うことで、控除とすることが可能です。

医療費控除の特徴

【ポイント】

ざっくりですが、1年で10万円以上の医療費が控除額になります。

例)医療費負担額総額15万円→5万円が控除対象額になる。

【正確な計算式】

1年の医療費自己負担額ー高額療養費・生命保険等の補填額ー10万円=医療費控除額

ただし、所得金額が200万円未満の場合は、上記式のうち「10万円」の金額を「所得金額の5%」に置き換えて計算となります。

控除対象は以下の通りです。

保険対象外である「歯のインプラント」「不妊治療」なども申請可能な範囲に含まれています。

医療費控除の対象

・診療費(治療費)

・通院費(電車、バスなどの公共交通機関)

・処方箋による医薬品費

・入院費

・入院時の食事代

・医療用器具の費用

・治療のためのマッサージ、鍼灸

・患者として利用したヘルパー代(保健師、看護師など)

・介護保険等制度で提供された一定の施設・居宅サービス

など

引用:国税庁HP「医療費控除の対象となる医療費

医療費控除をさらに詳しく知りたい方は以下記事をご覧ください。

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医療保険は必要か?

私は勤務している会社(製薬会社)の福利厚生も整っているので、医療保険・がん保険は不要、貯蓄で対応可能と考えています。

日本人であれば、ほとんどの方が何もしなくても受けることができる公的保険・制度の内容をご紹介してきました。

冒頭に、保険は「頻度が少ないが発生した時の損害が大きいリスクに対して備える」ということをお伝えしましたが、医療保険の必要性を判断する際にはここまでの基礎知識を基に、必要性を判断することが大事です。

医療保険はお得に聞こえますが、注意すべきポイントもあります。

医療保険で注意すべきこと

●長期の入院日数に応じてお見舞金を1日○円支給

国は在院日数(入院期間)を短縮させる方策を進めている

●重大手術の際は保障が充実

内視鏡手術やカテ等の技術が進歩し、大手術の頻度は減少

●先進医療にも対応

保険適応外の先進医療を受ける必要性がある疾患はそもそも非常に稀なケース

●医療の進歩に順応しない

医療技術や治療は日々進化していますが、一旦契約した医療保険は医療の進歩に対応して改良されないことが多いです。

●がんと診断されただけで○円支給

検診や遺伝子検査で早期発見した場合、少額の金額しか支給されないことが多い(上皮内がん)

まとめ

ここまでの内容を踏まえて、事実ベースで正確に制度の内容を理解した上で必要性を判断しましょう!

資産運用の記事で解説していますが、生活費の6か月分を常に預金口座に置いているので、そこから対応するようにしています。

仮に、どうしても必要な例を挙げるとするならば、フリーランスの方でしょう。

とはいえ、これはあくまで私見になりますので、最終的には皆さんの価値観・考え方次第になります。

ご自身の将来設計に、今回の情報が役に立てば嬉しいです。

必要な保険と不要な保険の判断基準を書籍で学びたい方はこちらの書籍がオススメです。


本日も最後までご覧いただきありがとうございました!

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最後に、保険や医療制度に関する記事を以下に添付しましたのでよければご覧ください。

https://meditabrog.com/variableinsurance/

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